2009年07月17日
漢方薬と生薬

写真のビンの中身は、生薬(しょうやく)といいます。
よく耳にするのが
「高麗人参という漢方薬を飲んでます。」
というお話。
高麗人参というのは、実は漢方薬ではありません。
「えーーーーっ!!でも、今飲んでる漢方薬に人参が入ってるけど・・・。」
と言われる方、多いでしょうが、
人参は、正確には「生薬(しょうやく)」という、漢方薬を構成する一つの素材です。
生薬という素材が集まって、漢方薬という薬になるのです。
ややこしいですか?
生薬そのものにも、薬効はあります。
ただ、一つだけだと効果が偏っていたり副作用があったりします。
たとえば、トリカブトは猛毒ですが、
特定の部分を炙ったり熱を加えたりして加工し、
他の生薬と組み合わせることで毒性を消し、漢方薬として広く使われています。
有名なところでは、八味地黄丸(はちみじおうがん)や麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)に
入っています。
どちらも、主に年配者に使われることが多い漢方薬です。
漢方薬という、生薬の組み合わせが出来るには歴史があります。
でも、まずは生薬の薬効がどうやって発見されたかですね。
「神農(しんのう)」という伝説の神様を以前ご紹介しました。
(おぼえてないか)
頭は牛で、身体は人間で、木の葉の衣をまとっていたという人物です。
「日に百草の滋味を嘗め、一日にして七十毒に遇う」
つまり、毎日百種類の植物を味見して、一日に70回中毒にあった、ということ。
身体、はってますね~。
最後には、毒が身体にたまって死んだそうなんですが、300歳ほど生きたそうなので、
十分スーパーマンです。すごいですね。
そうやって薬草、つまり生薬の効果が知られるようになって、
それをまた組み合わせて漢方薬が出来るまで、
いろんな偉人の努力と年月が必要だったのですが、
それを語ると長くなるので、またのお話ってことで。
今日はとりあえず
生薬と漢方薬は違う、というお勉強でした。