2012年10月31日

いつまで若いつもり




友達のお母様が入院されたときの話。
お見舞に行った友達が

「リハビリ、頑張ってる?」
と聞くと、

「リハビリはいいんだけど、
 なんだかねえ・・。」
と歯切れの悪い様子。

「どしたの?痛いの?」

「いや、それが、リハビリの担当の男の人が、
 やたら触ってくるのが気持ち悪くて。女好きやと思うんよ。
 担当の人、替えてもらえんやろか。」

いや、お母様、アナタはもう85才ですから。
きっと担当の人は一生懸命なのだと思いますよ。

また別の母は、

「デパートの店員が、年寄り扱いした!!」
とご立腹。

そりゃあね、83才で、杖もついてますから。

別の方は

「40年ぶりに友達に会ったら、
 私の顏がわからなかった。

 主人に散々苦労させられて老けたせいよ。」

その方も80歳を超えておられます。
40歳の頃より老けてしまったのは、
ご主人のせいではないと思うのですが。

気持ちが若いというのは良いことでありましょうが、
現実もね。

と言いながら、私もこうなってたりして。

四捨五入すれば還暦の身。
いろいろと謙虚にならねばと思う今日この頃です。

え?キリンさんに謙虚は似合わない?
こっそりそうつぶやいたアナタ、体育館の裏にいらっしゃい。  

Posted by キリンさん at 13:34Comments(9)王様の耳はロバの耳

2012年10月30日

まさかの漢方 腰痛いろいろ




ええっ?このブログで漢方?
なんて思う人もあろうかというほど、
漢方の話から遠ざかっておりましたが、

初心に戻って腰痛に使う漢方薬の話をしようかと。

な~んだ、失敗ネタじゃないのか、なんて言ってるそこのアナタ、
ちょっと体育館の裏に来なさい。

このブログを読んでいる人の中にも、
私に腰痛相談をしてくれた方が複数いらっしゃいます。

その多くに売りつけ・・いや、飲んでもらったのが、

「独活寄生丸(どっかつきせいがん)」という漢方薬。

これは、もともと腰に問題がある人の腰痛一般に効果が高いので、
一番よく使うお薬です。

何をしてくれるかというと、
身体を温めつつ、水はけをよくしてむくみをとり、血流をよくして、
腰の不具合を治してくれるのです。

もともと腰の悪い人は、
なにかのタイミングで腰の神経が圧迫させることで、
痛みやしびれが出ます。

独活寄生丸は、その圧迫をとるのが得意です。

原因が複雑になっているときは、
他の漢方薬を併せることも多いのですが、
それは個人個人で違うので、
お店での相談になります。

しかし、これからの季節の腰痛に使うお薬で、
もう一つ忘れてはいけないのが、

「五積散(ごしゃくさん)」という処方。

ちょっと前、私はこれで助かりました。

ある日の夜遅くのことです。
私は路上で友達と立ち話をしておりました。
それはそれは寒い日で、風もぴゅうぴゅう。
骨の中まで冷え冷え。

ちょっと深刻な相談でもあり、
友達の話を聞いているうちに、気づいたら2時間・・。

私は疲れ果て、お風呂にも入らず倒れるようにお布団へ。

翌朝のことです。

うううう・・・・、い、痛い・・腰が・・。

立ち上がるのもキツイほどでした。

ここで飲んだのが、
五積散です。

熱いお湯に溶かし、ガンガン飲みました。
それがとても美味しかったので、効きそうな予感が。

漢方薬って不思議なんですが、
飲んだときに美味しいと感じると、効くことが多いんですよ。

予感は当たり、一日で痛みはとれました。
違和感が多少あったので三日は飲み続けたけどね。

こんなふうに、あきらかに冷えが原因のときには
五積散をお試しください。

この他にも腰痛の原因にはいろいろあって、
産後、更年期障害、生理痛、便秘などなど様々です。

そうそう、今からの季節に忘れちゃならんのが、
酒の飲み過ぎ。

それぞれ原因を解消すれば
腰痛は取れます。

困ったときには、是非ご相談くださいね。  

Posted by キリンさん at 11:24Comments(5)漢方

2012年10月29日

キャプテン


中学校のとき、
ソフトボール部に入っていました。
前にも言ったよね。

高校では部活をしなかったので、
中学校の3年間が、人生における部活生活のすべてです。

ここで私は多くのことを学んだのですが、
その中でも一番教えられたのがキャプテンから。

私が二年生だったときのキャプテンこそ、
本当にキャプテンらしいキャプテンだったのです。

たとえば守備練習のとき、

「腰を落として。」
「はい。」

しばらくして、
「アンタ、腰を落とすの意味わかっとる?」
「わかりません。」

「わからんのに、はいって言うたらいけんよ。
 どうやるんですか、言うて聞きんさい。」

そして、自らやって見せ、
「やってみて。」
私がやってみると、
「そうそう、それでええ。忘れんようにね。」

そんな感じ。

ある日、バスケットボール部の一年生が私に相談に来ました。
その後輩は私の仲良しで、
とても可愛がっていた女の子でした。

「私、バスケットやめてソフトボールやりたいんですけど、
 入れてもらえませんか?」

「えっ、ホント?もちろんよ!」

仲間が増える嬉しさ。
それも可愛がってる子が一緒にやりたいと言ってくれる。

私は彼女を連れ、勇んでキャプテンのところへ。

キャプテンは私たちの話を聞くと、しばらく黙っていました。

大喜びしてくれるだろうと考えていた私は、
少し拍子抜け。

やっと口を開いたキャプテンは

「バスケ、練習がきついよね。かなり厳しいし。それが辛い?」

静かな口調だったけど、なんとも言えない迫力のある言葉。
返事が出来ない彼女に、

「ソフトもバスケに負けんくらい、厳しいよ。
 仲のいい先輩がおっても、甘やかすことはないけんね。
 
 バスケが続かんで、楽しよう思うて来るような部員は、
 うちには要らんけん。」

私はどうしていいかわからず、困り果ててしまいました。
でも、そこで後輩は口を開いたのです。

「違います。バスケの練習はきついけど、我慢できました。
 楽したいんじゃありません。」

「じゃあ、なんで?」

「私は身長が低いんです。」
たしかに、彼女はチビでした。
クラスで並ぶと、一番前かその次くらいのレベルで。

「友達につられてバスケに入ったけど、
 こんなに身長で不利になるとは思いませんでした。

 もともとソフトの方が好きでしたし、
 ずっと選択を間違えたと思ってました。

 ソフトの練習が気になって、時々見てたけど、
 バスケに負けんくらい厳しいのはわかってます。

 でも、やっぱりやりたいことがやりたいし、
 改めるなら早い方がええと思って。」

その後も、キャプテンはいろんなことを彼女に質問し、
彼女は一生懸命、しっかりと答えていました。

私はずっと黙っていました・・・。

最後にキャプテンは

「わかった。アンタの気持ち。
 それだけしっかい考えたんなら、うちも入ってほしい思う。

 バスケのキャプテンは友達じゃけん、
 ちゃんと話したらわかってくれる思うわ。

 早い方がええけん、今から一緒に話に行こうか。」

「はい!!」

というわけで、彼女はめでたくソフト部の一員となり、
卒業するまで部活を全うしたのであります。

私は自分の浅はかさが恥ずかしく、
キャプテンの冷静さがとても輝かしく、

「ついていきます!!」
と、心の中で誓ったのでありました。

そして、その場の感情に流されるのではなく、
ちゃんと冷静に見る目を持とう、そう誓った私ですが、
なかなか、この年になっても難しいですね。

さて、今週も元気だしていきましょうか。  

Posted by キリンさん at 11:13Comments(7)王様の耳はロバの耳

2012年10月19日

偶像の壊れるとき その2




昨日のブログでは
乙女の残酷さを述べさせて頂きました。

たしかにセーターの袖口から
長袖下着の糸が垂れていたからといって
幻滅するのは理不尽なこと。

でもね、男の子だって、男の子だって、
ずいぶん理不尽な生き物なんですよ~~~。

大学時代の某男友達が、
ある女子大の女の子に恋をしました。
合コンで知り合ったそうで、
なんとかゲットしたいものだという思いが実り、
デートすることに。

私は彼の喜びの報告を待っていました。

が、彼は何も言いません。

おかしいな。デートしなかったのかな。
それとも、いきなり振られたのか????

「アンタ、デートせんかったん?」
と尋ねてみると、
「したよ。」

「もしかして、振られたんか?」

「違うよ。そやけど、もうええねん。幻滅したんや。」

「ええ~~??なんで?なんかあったん?」

「あの子、ストッキングの下のすね毛が、めちゃめちゃ濃かってん。」

殴ろうかと思いました。

他にもあります。
先輩の話ですが、付き合い始めた彼女と破局。
その理由は、

「デートにクッキー焼いてきた。」

「はあ~~??可愛いやないですか。」

「弁当ならまだしも、わざとらしい。」

いや、意味がわからんのですが。

別の先輩のケースでは、

「下宿の前で待っとった。重い。」

同級生のオトコは、私の友達と付き合っていて、
いつも可愛いのなんのとノロケていたのですが、

「昔の彼女がオトコと別れたて聞いたとたん、
 アイツのこと可愛い思えへんようになってん。」

・・・殴っていいですか。

世界中の色んなところで、
色んな男女が惚れたりふられたり、
くっついたり別れたり、
ドラマを繰り広げているわけですが、

そこに納得できる理由なんて
ないのかもしれません。

だから面白いのかな。どう思う?

  

Posted by キリンさん at 11:50Comments(7)王様の耳はロバの耳

2012年10月18日

偶像の壊れるとき




大学時代、卓球同好会というサークルに入ってました。

当時は卓球というとメジャーなスポーツだったので、
会員数もとても多く、
一年の男子なんかは100人以上いたかもしれません。

先輩達も大勢いて、
素敵な人もそれなりな人も、色々いました。

その中で気になったのが、
4年生の某先輩。

その人は、背が高くてやせていて、
静かな人でした。

前髪が少し顏にかかった感じが、
いかにも文学青年的に見え、
とても知的。

コンパなんかでも
他のみんなが下品な歌を歌って踊り狂うのに、
ただ笑いながらゆっくり酒を飲む様も、
この人は大人だと、確信を持たせるのに十分でした。

もう寒い秋の終わりには、
黒いタートルネックのセーターにGパン、
それに長めのコートをラフに羽織って風を切るように歩く様が、
乙女心をいやがおうでも盛り上がらせるのです。

ある日のこと、
授業が終わって一人歩いていると、
向こうからその先輩が。

一歩進む度にドキドキ。

声、かけられたりして。
キャー!!!!!

デートに誘われたりして。
キャー!!!!!!

なんて、勝手に妄想を膨らませていると、
いや~、思ってみるもんだとはこのことで、
先輩はするすると私の前に歩いてくると、

「ごはん、食べた?一緒に行かへんか?」
と、誘ってくれたのですよ!!!!!!!!!!

行かいでか。

喫茶店で向き合う若い二人。
先輩がカレーを頼んだので、私もカレー。
ああ従順。(勝手に)

先輩は、片手で頬杖をついていました。

そのとき、私はあるモノを発見したのです。

先輩の黒いセーターの袖口から垂れている、
一本の白い糸を。

黒いセーターなのに、白い糸?????

先輩・・・・長袖のシャツ、着てますね。
今のように長袖のTシャツだのヒートテックだの、ない時代です。

それは、バカボンのパパが着ているような、
正統派オッサンが着る下着なのでありました。
しかも袖口がほつれて垂れているとは。

てことは、
きっとGパンの下はパッチですね・・・。
私の頭の中には、
長袖のシャツを着て白いパッチを履いた先輩の姿が。
当然ながら、シャツのすそはパッチの中。

・・・・・・冷めたね。

そこへカレーが出てきたのですが、
食べ始めたとき、
私は心の中で慟哭していました。

・・・・・口開けて食べる人なんだ・・・・・。

まさか先輩は私が心の中で、
舞い上がったり地べたに叩きつけられたりしてるとは、
夢にも思ってなかったことでしょう。

先輩には、何一つ罪はないのです。
カレーもおごってくれました。

やはりこれもまた、私の一人芝居なのでありましょう。

でも、
若い頃って、こんなこと多かったなあ。
こうやって乙女は大人になっていくのね。

  

Posted by キリンさん at 17:02Comments(9)王様の耳はロバの耳

2012年10月17日

沙夜さん個展 「然~あるがまま~」




画像がちょっと古くてショボくてごめん。
ずっと前に、書家の沙夜さんに書いてもらった、
「素心」です。ちゃんと見えてないけど。

沙夜さんこと山口さやかさんの個展に行ってきました。

彼女の字はとても好きなので、
個展がある度にとても楽しみに出かけていくのです。

ブログの縁もあって、
年齢は違うけど、
お友達なのだと勝手に思ってる私。

今日は空さんと一緒に行ったので、
道にも迷わずスムーズに到着。

繊細な字、大胆な字、わくわくするもの、
見てるだけですーっと落ち着くもの、
同じ人がこんなに色々と表現出来るのが不思議。

沙夜さんに、ある書を指して
「これ好き~。」
と言うと、

「キリンさん、繊細なの好きだもんね。」
と言われたので、

「うん。私自身が繊細だから。」
と、ボケてみました。

すると二人共がお約束通り

「誰が!!」
と突っ込んでくれました。

ああ、友達ならではの、あうんの呼吸。
こんなとき、気心の知れた友達っていいなと思うのですよ。

まだ若かったころ、
カトリックの人たちと友達になりまして、
みんなでおしゃべりに盛り上がってるときのこと、
調子に乗った私が

「おたぬき様のタマキンがぱーっと・・・。」
と言ったところ、

全員が暖かい微笑みとともに
無視してくれました。

下品なヤツだと顏をしかめられるならまだしも、
優しく暖かいフトコロに吸収され、
なかったことにされてしまうと、
もうもう、いたたまれないったら。

あ、個展の宣伝が余計な方向に。

場所は、広島通りにある、
パリの朝市のちょっと先。

Art Space 色空さんの二階。
とても落ち着く空間です。

芸術の秋、贅沢な時間を味わいに行ってみては?  

Posted by キリンさん at 14:03Comments(3)

2012年10月15日

痴漢よけブザーを使うと




ご無沙汰いたしました。

某pia masa氏のブログで、痴漢防止ブザーのことを書きますと、
そう約束したまま放置してました。

約束とは果すもの。もちろん、そうですとも。
ってなわけで、今日はそのお話を。

中学のときでしたか、
母と呉にある一番大きなデパート(当時)、銀座デパートに行ったときのことです。

どこの売り場か、もう覚えてはいないのですが、
女店員さんと母が、なにやら深刻そうに話しておりました。

まだかなあ、長いなあ、ため息をつく私。

「つかさちゃん、ちょっと来んさい。」
そう呼ばれて行ってみると、

「今度から、これ持っときんさい。」

母から渡されたのは、
ちょっとたまごっちに似た、ピンクの丸い物体でした。
お尻からピンクのヒモが出ています。

ちょっと可愛い雰囲気だったので、嬉しい気分になりながら、

「これ何?」
と聞いた私。

「これ?痴漢よけブザーよ。」

「はあああああああああ?????????」

痴漢って、なんぞや????????

いや、痴漢という言葉は知ってたけれど、
そんなのテレビや漫画の中にでてくる都会にしかいないのでは?
うちみたいな田舎に、
しかも色気のかけらもない私なんか、関係あるとは思えないのですが。

隣りの女店員さんは、したり顏で語ります。

「何かあってからでは、遅いですからねえ。」

口車に乗せられた母は、すっかりその気。
もう支払いの段取りになろうとしていました。

女店員さんが包みましょうと言うのを、
もうすぐ持たせますからと制して、
たまごっち、もとい、痴漢避けブザーを私の手に残して
二人はレジの方に歩いていきました。

ぽつんと残された私は、
そのブザーをぼんやり見ていました。
ヒモを引っ張って抜くと音が鳴るらしい。
じっと見ていると、なんだか、今そのヒモを引かなくてはならない、
そんな気が、ジワジワと私を責め始めたのです。

あまり考えもせず、ヒモを引き抜きました。

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!

フロア中の人が、一斉にこっちをバッと振り返りましたね。

けたたましく鳴ったその音は、
ピーー、でもキューー、でもカーーーーでもなく、
今まで聞いた音の中で最も不愉快きわまりない大きな大きな音でした。

転がるような勢いで走ってきた女店員さんが、
ボー然としてる私からたまごっちをひったくり、
ピンを戻すまで、
音はみんなの鼓膜をつんざいて響きわたったのです。

母は今までに見たことがないほどの速さでお勘定を済ませ、
私の手をひっぱり、とっととその場を後にしたのですが、
ぽつりと

「あれ使うん、恥ずかしいね・・。」

それっきり私はその痴漢よけブザーを触ることもありませんでした。
どこかの引き出しの奥深く、しまったまま、
いつか捨てられてしまったような気がします。

あれを使って痴漢から逃げることが出来た、
そんな人いるのかなあ。疑問です。

さて、今夜は友達と久々のカラオケです。
楽しんできますね。  

Posted by キリンさん at 15:38Comments(4)王様の耳はロバの耳

2012年10月04日

インナーチャイルド

読んでいる本の中に出てきた言葉です。

インナーマッスルじゃないから、念のため。

それは自分の中にいて、
自分が子供だった頃の傷をかかえたまま、
泣いている存在です。

自分の中にいる、その子供は、
大人になった自分に常に助けを求めているのだと。

思い返してみると、
昨日の記事の中で、
お姉さんの家に泊まったときに、
シャワーの使い方がわからないくせに
尋ねることも出来ず、情けない思いをするのが、
きっと私の中の子供なのでしょう。

でも私はもう大人なのだから、
そこでわからないことはわからないと素直に聞いて、
自分の中のおびえる子供に

「ほら、そんなこと、なんでもないことなんだよ。
 簡単なことなんだよ。」
そう優しく言ってあげるといいのです。

どんな人の中にも、
その人にしかわからない傷を抱えた子供がいます。

それを癒せるのは、自分自身しかいないのです。

「大丈夫だよ。心配ないよ。」
そう繰り返し繰り返し、言ってあげる。

それが自分を大切にするということでもあるのかもしれません。

今日はボンベルタ橘の店休日。
だけど生目台で働くキリンさんなのでした。

では。  

Posted by キリンさん at 11:00Comments(6)

2012年10月02日

いまさらの告白




こないだの土曜日曜と、
福岡に行ってきました。

泊まったのは、
いつもの優しいお姉さんのお家。

ゲストルームにお布団を持ってきてくれて
「この布団、アンタばっかり使っとう。」
と言われ
「名前、書いていい?」
と返しながら、幸せな夜を過ごした私。

翌朝は、純和食な朝ごはんを美味しく頂き、
極楽極楽と椅子でお茶を飲んでいました。

その時、お姉さんはというと、
勉強会のお昼にみんなで食べるために、
せっせとおにぎり製作中でした。

さすがの私も、

「茶碗、洗おうか?」
と声をかけると、
「そうしてくれると、助かる。」
とのお返事。

えええ~~~っ!!キリンさんたら、今までそんなこともしてなかったの?
信じられない~~!!!!

なんて言わないで。

私、メカもですが、よその炊事場もとても苦手なんです。

意を決して流し台の前に仁王立ちの私。
すでに頭は緊張で半鐘が鳴っている状態。

ちゃ、ちゃ、茶碗の洗い方ってどうだっけ??
馬鹿じゃないよ。変なやり方して笑われちゃイカンと思うの。

洗い桶に水を入れ、
流水で汚れを落とした茶碗や皿を漬けていきます。
「水に手伝わせろ。」
という、小学校の家庭科の先生の言葉を繰り返しながら、
ちょっと漬けて汚れを浮かせるのだ、
と自分に確認する私。

ここで、何故に水を入れたのか?お湯でなく。

それは、お湯の出し方がワカランかったのだ。
うちの蛇口と違いすぎるんだもん。

さて、洗剤は?と目で探すのだけど、どこにもない。
もしかして、洗剤は使わない主義??
エコライフを目指してるのか??

そこでお姉さんが、
「あ、洗剤はこれやけん。」
と教えてくれたのは、なんとポンプ式。
ああああああ、洗い桶に溶かすにはどうするんだろう、
スポンジに直接つけたらイカンとテレビで言ってたぞ。
でも家ではめんどうだから直接つけるけど、
それがバレタラどうしよう。
もう泊めて貰えないかも。

頭の中の半鐘は、ますますカンカン鳴り響きます。

ふるえる手で洗い桶にほんの少し洗剤を入れ、
スポンジにほんの少し洗剤をつけ、
とりあえず洗う。

一生懸命に洗う。
丁寧に裏の糸尻もしっかり洗う。

そこでまた気付く。

やはりお湯を使わないと、
衛生上よくない、そう思われるのでは???(誰にやねん)

全ての器を洗い、あとはすすぐだけ。
すすぎはやはりお湯ですよね。
常識ですよね。
それしかないですよね。

そこで、意を決した私は、

「あのね、私、お湯の出し方がワカランのよ。」
と声を振り絞ったのでありました。

「あ、そう。台所によって違うけんね~。うちのはこうよ。」
と、私をちっとも非難するでもなく、さらっと教えてくれるお姉さん。

そこで私は、今なら、全てを告白出来る、そう思ったのです。

「あのね、それと、ずっと言えんかったけど、
 シャワーの使い方もわからんのよ。お湯の出し方が。
 だからいつも、ここでは頭が洗えんのだ。」

さすがのお姉さんも、それには驚いたらしく。

「ええ~~っ!!!!!何で言わんと!!???
 アンタ、何回ここに泊まった?????」
と、びっくりされてしまいました。

私はやっとやっと秘密の告白が出来て、
心からほっとしたのでありました。

大人になっても、心は意外と不器用なものです。
なんだか変な人がいても、どうぞ皆様、寛容な心を忘れないでね。

  

Posted by キリンさん at 18:07Comments(9)王様の耳はロバの耳