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Posted by みやchan運営事務局 at

2010年01月22日

安らぎの空間、憎しみの空間




今、ムーミン展が開催されてますね。

写真の本は
『ムーミンパパの手帖』といって、
私の大学時代の恩師の著書なんです。

副題が「トーべ・ヤンソンとムーミンの世界」
とあるように、ムーミンの物語を通して
著者であるトーべ・ヤンソンの世界観を著しておられるのですが、
これがユニークで面白いの。

その中に、
誰もが自分の場所を必要としているという話があります。

その一つが安らぎの空間

1・安心感が得られる
2・それとともに、解放感がある
3・一人だけでいられる(そして狭い)
4・あたたかみや、ぬくみが感じられる

たとえば動物の巣や、冬眠する場所のようなイメージ。
子供の頃の、秘密基地のような。

昔うんと小さい時、押入れの中に電気スタンドを引き込んで、
自分の部屋を作ったことがありました。
すぐに叱られて出されてしまったけど、
あの薄暗い空間の中での満ち足りた気持ちは、今でも忘れません。

ムーミンにも、ムーミンパパにも、ムーミンママにも、
それぞれの安らぎの場所があるのです。

ムーミンママのそれは、
自分が描いた庭園図の中で、
主婦としての家事に疲れ、慰めと解放を求めてそこに入り込み、
自分の描いたりんごの木を抱きかかえて目をつぶるのです。

ここまでなら、
普通に「ああ、わかるなあ」ってとこなんですが、
もう一つ大切なのが、

憎しみの空間だと言うのです。

それは、
他人に対して秘かに憎しみや怒りを抱いてもよい場所。

ちょっと教会の懺悔の部屋にも似ているのですが、
誰も懺悔を聞いてくれたり許してくれる人はいません。

ただそこでは遠慮なく暗い気持ちを抱くことができ、
ひたすら浸っていられるというだけです。

ムーミン谷には「怒りの森」というところがあって、
あのムーミンママでさえ、
憂鬱なとき、腹の立つとき、ひとりになってせいせいしたいとき、
その森に入っていき、
憎しみや悲しみを抱きながら、ただ歩くのです。

そういう感情をかみしめて歩くうちに、
いつのまにか頭の中が空っぽになり、すっきりする、そういう場所。
それが憎しみの空間です。

生きていると、
安らぎの空間と、憎しみの空間と、
その両方が必要なのではないかと私は思います。

最近感じるのは、
その両方の確保が困難な世の中になりつつあるってこと。

だからこそ、
意識してそういう自分の場所を見つける必要があるのでは?
私はそう思うのですが、
皆様はいかがですか?

さて、今夜は漢方勉強会です。
来週は漢方ガチガチのブログを目指し・・・・
はしませんが、
そっちにもちょっと触れようかなあと考えております。

それでは、良き週末をお迎え下さいませ。  

Posted by キリンさん at 11:25Comments(16)王様の耳はロバの耳