2010年01月19日
この胸のトキメキを

写真の本は、田辺聖子さんの
『文車(ふぐるま)日記』という古典文学の紹介本です。
こ、こ、古典!!??おえ~~~~~っ!!!
なんて拒絶反応おこしてませんか?
高校の授業じゃないんだから。
『更級日記(さらしなにっき)』って、聞いたことありますか?
その中に、大好きなくだりがあるんです。
それは、13歳の本が大好きな少女が、
叔母さんから源氏物語の本をもらうところ。
当時は印刷がない時代ですから、本は貴重品です。
叔母さんは少女にお土産を渡すとき、
「実用品をあげてもつまらないから、
アナタの欲しいと思ってるものをあげましょう。」
と言って、この本を渡すのです。
少女の反応、原文を紹介します。雰囲気を汲み取ってください。
「得て帰る心地のうれしさぞ、いみじきや。
はしる、はしる、わづかに見つつ、
心も得ず心もとなく思ふ源氏を、
一の巻よりして、人もまじらず、
几帳の中にうちふして引き出てつつ見る心地、
后の位も何にかはせむ。
昼は日ぐらし、夜は目のさめたる限り、火を近くともして、
これを見るよりほかのことなければ・・・」
少女がそれこそ狂喜し、いかに興奮して
寸分の間も惜しんで読みふけったか、
生き生きと描写されています。
アナタにも心当たり、ありませんか?
「いや、そんなに本は好きじゃないし・・・」
と言う人でも、
たとえば発表会の前に、ドレスが出来てきて手を通す瞬間、
ほしくてたまらなかった自転車に、初めてまたがる瞬間、
必死でねだって買ってもらったグローブを手にはめる時・・・・。
生まれて初めてドリップでコーヒーを入れた時、
たとえ宮殿で料理人が上等のコーヒーを入れてくれたとしても、
自分で初めて入れたこのコーヒーに優るものはない、
と思いませんか?
こういうトキメキ、子供の頃にはずいぶんありました。
でも大人になると少しずつ忘れがちになってしまうものです。
でも、更級日記のこの一説を読むと、生き生きと蘇ってくるのです。
それはそうと、
ブログを始めたおかげで、
トキメキが訪れることが増えたかもしれません。
ブロガーさんが訪れて下さる時が、まさにそれです。
「今日、うかがいます。」
と連絡を頂くと、朝からソワソワしてしまいます。
「緊張する~」と、みなさん言われますが、
こっちだって緊張しとります。本当です。
突然「あの、私〇〇です。」
と名乗られることもあります。
これもビックリで、ドキドキしてしまいます。
胸がトキメクと、
血流が活発になって若返るような気がして、
私は嬉しい。
(結局は自分中心な結論)
皆様はいかがですか?トキメいてますか?