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Posted by みやchan運営事務局 at

2011年11月05日

漢方薬の名前




いつもは土曜日はブログ休日なのですが、
昨日は漢方薬の名前の字を間違えるという
痛恨のミスをやらかしたので、反省の意味でアップしています。

誤字・脱字の女王という名前をほしいままに生きてきたのですが、
漢方薬の名前だけはきちんと書いておきたかった。

でも、いい訳なんですが、
漢方薬の名前って全部漢字だし(あたりまえだが)
ややこしいんだもの~。(反省の弁がこれか)

だけど漢方薬の名前には、
それぞれ意味があります。

たとえば葛根湯(かっこんとう)。
漢方薬というのは何種類かの薬を組み合わせて処方されているのですが、
主薬(しゅやく)といわれる一番大切な薬、
つまり葛根の名前をつけたものです。

仲間には、桂枝湯(けいしとう)、麻黄湯(まおうとう)などがあります。

そんな横着しないで、
入ってる薬を全部言えばいいじゃん、
そういう薬に、
芍藥甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)があります。

これには芍藥、甘草の二味しか入ってません。
タケダ漢方便秘薬で有名な、
大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)も、これです。

二味ならフルネームでいいけど、
多くなると、薬のアタマだけくっつけたのもあります。

苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)が、これです。
めまいなんかに使いますね。

苓・・茯苓(ぶくりょう)
桂・・桂枝(けいし)
朮・・白朮(びゃくじゅつ)
甘・・甘草(かんぞう)

私が一番好きなネーミングは、

青龍湯(せいりゅうとう)
白虎湯(びゃっことう)
玄武湯(げんぶとう・別名は真武湯)
今に伝わってはいないのだけど、朱雀湯もあったと言われています。

知ってる人は知っている。

東の青龍、西の白虎、南の朱雀、北の玄武。
そう、四神からとった名前。

これは、薬の色からつけられた名前。
それぞれ、青、白、赤、黒という色の煎じ薬なのです。

面白いなあと思います。

それから、薬効が名前になったものも。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
中、つまりお腹を補って気を益すという薬。

疎経活血湯(そけいかっけつとう)
経絡の流れをよくして、血流を活気付ける薬。

他にも色々あるんですよ。

もちろん西洋薬の名前にだって、
それぞれ意味があるのですが、

漢方薬はなんたって漢字です。
そこが面白いと思う私なのでありました。

だったら間違えるなって・・・最初に戻ったわ。

さて、ボンベルタ橘では、
キャッシュバックセールとポイント3倍セールを開催中です。
ポイント3倍は13日までですが、
キャッシュバックは月曜日までなので、お見逃しなく。

私は明日は福岡で日帰り勉強会の予定です。
大好きな仲間達と会えるので、とても楽しみ。では。  

Posted by キリンさん at 12:28Comments(3)漢方

2011年11月04日

まさかの漢方 腰痛

「独活寄生丸(どっかつきせいがん)」
と読みます。

腰痛にも色々あるし、
その薬もまた色々あるのですが、
これは理屈抜きに飲んでもよく効く薬です。

漢方的に言うと、その主治は、

 痺証日久(ひしょうにっきゅう)
 肝腎不足(かんじんふそく)
 気血両虚(きけつりょうきょ)

教科書には、そう書いてあります。

痺証日久とは、寒や湿などの邪が体内に入ってしまい、
そのせいで腰や手足などの運動器に起る痛み、しびれなどの不具合が、
長年にわたって治らない状態のこと。

肝腎不足とは、肝臓腎臓のことではありません。
「肝は疏泄(そせつ・気の流れ)を主る、筋を主る。」
「腎は水を主る、骨を主り髓を生ず。」
と言われる働きがうまく行かないことを言います。

気血両虚とは、
栄養とパワーの不足をいいますが、
ここでは全身の、というよりも患部における不足のことです。

つまり、最初のきっかけは何であれ、
寒さや湿気や過剰な運動によって引き起こされ、
長年にわたってスッキリしない
腰痛や関節痛を、
めぐりを良くしながら、栄養も補給しながら、
治してくれる有り難い薬なのですよ。

中国では、とてもよく使われているそうです。

そうそう、出典について簡単に。

『備急千金要方(びきゅうせんきんようほう)』
という古い中国の本。

書いたのは、孫思邈(581--682)という人。
(そんしばくと読みます)
実は以前も紹介したことがあります。

隋、唐の時代をまたぎ百年以上を生きて羽化登山したという人。
つまり羽根が生えて仙人になってってこと。

国王から、宮廷で仕えるようにと再三言われても、
ずっと断り続けて庶民に尽くした人ですから、
そんな伝説が残るのもうなずけます。

また、この本の「千金」という言葉は、
人名の重さは千金に優るって意味なのですよ。

そしてこの本のスゴイところは、
婦人科・小児科から始まるところです。

女子供、なんて言うけれど、
その女子供を一番に考えてくれていたのですね。

そして、不妊治療のことも載っているのですが、
男性不妊も女性と同じくらい問題にされているところ。

孫思邈は、「薬王」と呼ばれるほどの漢方薬の大家ですが、
食養生を最高の治療と言う人でした。

どんな薬も養生にはかなわない、と。

そんな人の書いた本ですから、
そこに出て来る漢方薬の効果が大きいのもあたりまえかもしれません。

長くなってしまった。

腰痛にお悩みの方、
一度この「独活寄生丸(どっかつきせいがん)」を試してはいかが?

追記:画像にアップした
   独活寄生丸の漢字を間違えていました。
   あわてて消したけど、恥ずかしすぎて穴があったら入りたいっす。
   申し訳ございません。反省して精進を重ねます。  

Posted by キリンさん at 13:38Comments(6)漢方

2011年11月02日

まさかの漢方 肩凝り




「肩が凝ってるんです。」
と言う人に
「とりあえず葛根湯飲んでみたら?」
と答えることがありますが、

「なんで?葛根湯って風邪の薬では???」
と驚かれることが少なくありません。

葛根湯(かっこんとう)という薬は、
大昔の中国で書かれた
『傷寒論(しょうかんろん)』
という本が出典です。

いや、本というものは当時まだなかったので、
原典は木の板みたいなモノに書かれて、繋げられた状態だったそうです。

それを、もうちょっと後の時代の人が、
紙に書き直して、
それにある人は加筆したり、ある人は注釈を加えたりしたものが、
今に伝わっているのです。
元々の木に書かれたものは残っていません。
(遺跡から一部だけ発掘されたものはあるけど)

そこに書いてあるのが、

「太陽病 項背強几几 無汗 悪風 葛根湯主之」

読めないって?まあ字面だけでも見てください。
なんとなく、雰囲気が伝わりませんか?

太陽病というのは、
邪がまだ入りたてで、身体の表(ひょう)にある状態。

項背とは、首筋から背にかけて。
ここが緊張しこわばっているという症状。

無汗とは、汗が出ない状態。

悪風とは、風を嫌う、つまり風にあたるとゾクっとするような、
つまり悪寒するような感じ。

そういう時に、
葛根湯はよく効きますよと書いてあるのです。

「風邪薬」とは、どこにも書いてないのです。

『傷寒論』というくらいですから、
もともとは「傷寒」という病気の治療法が書いてあるのですが、
そもそもこの「傷寒」という病気が、
現代では何と言う病気なのか、
わかってないのです。

感染症の一種らしくて、
腸チフスか、インフルエンザか、なんて言われているのですが、
決定的な答は出ていません。

ただ、この傷寒という病気の進み具合が風邪の症状に似ているので、
長きに渡って応用されているのですよ。

ちょっとウンチクが長くなりましたが、
つまり症状が似ていれば、他にも応用が効くということなのです。

首や肩がこわばるけど、邪が中にあるような複雑な病能ではなく、
温めると楽になりそうな感じ。

そんな肩凝りに、葛根湯はよく効きます。

常に肩が凝ってる人が、
ちょっと根を詰めたので今日はひどく凝ってる。
そんな時でも効きます。

ただ、根本治療とはちょっと違うので、
何ヶ月も飲み続けて治すわけではありません。

原因が他にある場合は
そっちの治療をしながら、
葛根湯を頓服て飲むという方法もあります。

他にも肩凝りで使う薬はいっぱいあるので、
いつでも誰でもどんな時でも、とはいきませんが、

とりあえず飲んでみるには
良い薬です。

これから風邪のシーズンです。
(すでに引いてる人も多い)
一番ポピュラーな風邪薬としての使い方は、
とにかく「ひいたかな?」
と思った時にすぐ飲むこと。

ぐずぐずしてると間に合わないので、
一つは手元に持っておくようにおススメします。

さて、
明日からボンベルタ橘では、
ポイント3倍とキャッシュバックセールが同時開催です。

是非ご利用くださいね。  

Posted by キリンさん at 12:03Comments(13)漢方

2011年10月25日

まさかの漢方 咳止め




以前にも記事にしたと思っていたのですが、
どうやら勘違いであったらしく、
探しても過去記事にありませんでした。

風邪をひいて咳が出始めると、
いや~な感じ、しませんか?

なんだかこの風邪、長引きそう。
そんな予感がして。

また実際に店頭に来られる方の多くが
「病院に行き始めて二週間になるけど・・・」
とか、長い方だと二ヶ月になるけど、なんて言われたりします。

咳が出るときに使う漢方薬は、
何種類もあるのですが、
一番ポピュラーでよく使うのが、

麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)です。

これは初期の風邪から
少し長引いているときまで、
かなり幅広い時期に使って著効するので、
とても重宝します。

先日、超有名ブロガーさんがご夫婦で遊びに来てくれたとき、
ご主人(匿名ですがpがつく人)の方が、
咳が出ると言ってたのでこれをおススメしました。

これがとても効いたらしく、
昨日のブログにアップしてくれています。
(無理やり書かせたわけではない)

リンクというワザを使えないので、
興味のある人は自力で見てみて下さいませ。
日々是好日というタイトルです。(匿名性なし)

ただ、どんな咳にもこれが効くわけではありません。
ですから、購入の際にはお店で症状をちゃんと話してくださいね。

それと、余談でありますが、
この麻杏甘石湯という薬、
痔に使うこともあるんですよ~。不思議でしょう。

今日はこれからちょっと忙しくなりそうなので、
ここまでですが、
咳が長くなると本当に辛いものなので、
お早めにご相談下さいね。

ではまた。  

Posted by キリンさん at 12:20Comments(3)漢方

2011年09月07日

夏休みの宿題 漢方編




夏休みの宿題が、まだ終わりません。

何の宿題なのか?
それは、明治に書かれた漢方の本を、
100ページほど読んでおくこと。

な~んだって言わないで。
明治の本って、まだ言文一致じゃないから、
古文の世界なんですよ。

今のところ、50ページくらい読みました。

いつまでなのか?

それは、今週の金曜日まで・・・。
そう、あと二日。

なんで古い漢方の本を読むのか。
それは、漢方薬の処方内容が、
長い長い歴史の中でほとんど変わってないことも理由の一つ。

たとえば西洋薬だと、
抗生物質といっても様々な種類があり、
時代とともにどんどん新しい薬に変わるのと比べて、

漢方薬では
何千年も昔からの薬、
たとえば葛根湯なんて処方が今でも使われているというところにあります。

葛根湯というと、
落語の枕に使われる、葛根湯医者という話をご存知ですか?

どんな病気にも「葛根湯」を使う医者の話。

一般的にはヤブ医者の話のようですが、
見方を変えれば葛根湯の応用をよく知っている名医とも言えるのです。

葛根湯は普通は風邪の引き初めに使われますが、
その他にも
肩凝り、乳腺炎、筋肉痛、頭痛、
蕁麻疹、中耳炎、神経痛、顔面神経麻痺、
急性大腸炎、などなど、
様々な応用例があるのです。

だけど、
この病名だけを見て、
たとえばどんな蕁麻疹にも効くのかというと
それは危険な話で、
葛根湯という処方の力を
正確に理解しておく必要があるのです。

それを知る一つの手段として、
漢方の古典を読むのはとても効果的。

昔は今のように西洋医学が発達していなかったので、
検査の技術に乏しく、病名を特定できない時代でありました。

だから、
一つ一つの症状を必死で観察し、
処方を決めていたのだろうと思われます。

その結果
今では見過ごしそうな方向から
病をとらえており、
その詳細は非常に参考になるのです。

と、えらそうに書いてみましたが、
それが私の血となり肉となるにはまだまだなんですよ。

さて、残りの宿題が果たして金曜日までに終わるのか、
とりあえず頑張ります。

それにしても、
子供の頃の性格って治らんもんですなあ。
もっと早く・・いや、言うまい。では。  

Posted by キリンさん at 13:14Comments(7)漢方

2011年08月31日

草食系男子





誰が何と言おうが、
鹿です。

しかも(シャレではない)
れっきとした成人男子であります。
ホラ、角が生えてるでしょ。

ご存知のように、鹿は草食。
見た目もキュートで優しい雰囲気。

世間では「草食系男子」と言うと、
なにやら消極的で覇気がなく、情けないイメージ。

しかし(シャレじゃないよ)
鹿の男子はきっとそれを聞くと憤慨するのでは?

鹿は草食ではありますが、
ものの本によりますと、

「生来、淫乱で、オスは常に複数のメスと交尾する」
とか、
「鹿は多淫で、オスは夜になると鳴いてメスを呼ぶ。
 秋の夜は最も盛んである。」
なんて書いてあるのですよ。

草食だって、やる時ゃやります。

キリンさんたら、どんな本を読んでるの?
と、いぶかしんではいけません。
れっきとした漢方の本に書いてあるのですから。

そう、漢方では鹿の、ある部位を使います。
それはオスに限られたものです。

そこのアナタ、何を考えてるんですか。

それは角なんですよ。オスにしか生えませんからね。

漢方薬として使われるのは
「鹿茸(ろくじょう)」といって、
角がまだ生え始めで角化する前の柔らかい頃のモノです。

鹿の角は、生え始めてから完成するまで、わずか二ヶ月。
草木でもこれほど成長の早いものはない。

つまり、鹿の角にはそれだけの生命力が秘められているので、
人間様がちゃっかりそれを頂こうという寸法です。

何に使うのか?
漢方で言うと、これは補腎薬というカテゴリー。

人間の生命力を一本のロウソクとします。
そのロウソクの炎が小さく力弱いとき、
鹿茸には、その炎を大きく燃やしてくれるというパワーがあります。

でも、もともと大きい炎をより大きくはしません。
必要ないことはしないのです。
そこが西洋薬と違うところ。

具体的に言うと、
精力剤として、不妊症に、成長未熟に、
下半身の冷えに、老化に、
腰痛、夜尿症、老眼、白髪など、
生命力の炎のパワー不足が原因と思われる場合、
いろいろな症状に使われます。

一見パワフルで生命力に満ちていそうな
ライオンや虎よりも、
鹿の方が使えるってとこが不思議ですね。

ちょっと話はずれますが、
やはり漢方薬で
「淫羊藿(いんようかく)」という植物があります。
この名前の由来は、
淫羊藿を食べていた羊が精力絶倫となり、
毎晩100頭の牝と交尾したという伝説から来てるんです。

草食動物って、
なかなか侮れないヤツラなんですよ。

人間の草食系男子も、
やる時ゃやるんだぜ!!ってなトコロ、見せてほしいものですが。
現実は違うみたいで残念。

そうそう、
本の中には
「鹿は好んで亀を食べる」
という記述も。

草食性というか、意外と雑食なのかもね。

  

Posted by キリンさん at 12:46Comments(10)漢方

2011年07月27日

覚え方




子供の頃は記憶力が良く、
人間テープレコーダーと言われました。
(じ、時代が・・・)

それが年齢には勝てないもので、
どんどん記憶力が落ちていくばかり。
漢方の知識だって、ザルのように抜けていくばかり。

それを悲しく思っていた私に、救いの神が!!!

先日ご紹介した、
偉い漢方の先生の本の中にあったのです。

「覚え方」
という項目が。

これぞ私のために先生が書いて下さったとしか思えない、
喜んでページを開いた私。

それによると、
学習を積んでも、いっこうに覚えられない人がいて、
それにはさまざまな理由がある、という出だし。

ふむふむ、で、その理由は?

「志が低い」

・・・・・・・・・か、返す言葉もございません。

何を目指して学習しているのか、
それを確認してみる必要があるというのです。
あまりにそれが低ければ、
学習の成果もそれに比例するのだと。

これは漢方に限らず、
どの世界にでも言えることかもしれません。

自分がやっていることを、
目の前の仕事をこなすというだけではなく、
何のためにやっているのか、
多面的に色んな角度で考えてみれば、
また違った景色が見えてくるかもしれない。

そうすることで
色んな意味が重なってくると、
一つのことをしっかり覚えて忘れなくなるのでは。

そんなのただの「精神論」だと片付ける人もいるけれど、
それだけではないと思う。

なでしこジャパンの活躍があれほど胸を打つのも、
志の高さではないでしょうか。

だって日本での女子サッカーの立ち位置は
あまりにも低かったから、
お金や名誉欲が目的の人なんかいなかったわけで、
ただサッカーが好きで好きで、
それを後世にも引き継ぎたいという志が力を出させたのでは?

昔の漫画があれほど面白くパワフルだったのも、
「漫画なんか読んでたら、ろくな大人になれないよ」
そう言われていた時代に、
それでも漫画が好きで好きで、
いつか漫画に市民権をという志があったからなのでは?

おっと、話が少しずれたか。

小学校を卒業するとき、
サイン帳に

「志あるところに道あり」
そう書いてくれた友達がいました。

覚えが悪いのを年齢のせいに逃げ込まず、
ちょっと頑張ってみようかな。

それを忘れてしまったときには、
またこの本を開こう、
そう思った私なのでした。  

Posted by キリンさん at 13:44Comments(9)漢方

2011年04月20日

まさかの漢方 肩凝り




「えんねんはんげとう」と読みます。

日曜日に博多で勉強会があり、
その時に出てきた処方の一つです。

「延年」と言うからには
長寿の薬なのでは?と誤解を受けますが、
これは出典の名前です。

『外台秘要』という古い書物の中の
「延年」の処方のところに出て来るらしい。

江戸時代末期~明治にかけて活躍した漢方家に、
浅田宗伯という人がいるのですが、
その人の橘窓書影(きっそうしょえい)という著書には、

「中年肩背痛を患ふるもの、多は痃癖による故に延年半夏湯速効を奏す。」
と書いてあります。

この「痃癖(げんぺき)」というのが意味不明で、
諸説あるのですが、

考えるに、
長年のストレスや冷えによって溜まったオリのような物ではないでしょうか。

単純な血行不良やむくみではなく、
飮食のバランスの悪さだとか、
過労だとか、
精神的な悩みなどが溜まり溜まったもの、
そのせいで起る肩凝りに、
この処方はよく効くようです。

またこの処方は、
胃腸薬として使われることもあるので、
葛根湯のように胃にさわることもなく、
長く飲み続けることも可能です。

心当たりのある方は、
一度お試しくださいね。

くすりのキリン堂に来てくれれば、
試飲も可能です。

味は・・・・飲んでのお楽しみ。ふふふのふ。  

Posted by キリンさん at 13:49Comments(8)漢方

2011年04月01日

お花見に行こう




春は「肝」の季節だと
漢方では考えます。

肝とは肝臓のことではありません。
肝臓も含めて、
全身の解毒や気を流す働きなど、
いろんな身体のシステムを動かす力が
「肝」であります。

春は解毒と芽吹きのシーズンですから、
身体の中のシステムは
一生懸命に働きます。

あとさき構わず働く時期といっても
過言ではないかも。

だから、
肝は疲れやすくデリケートになるので、
大切にしてやる必要があるのです。

この肝というものは、
目と深く関わっています。

「肝は目に開竅(かいきょう)する」
「涙は肝液である」
という言葉があるくらい。

だから、
美しいものを見て目をやすめると、
肝をいたわるということにつながるのです。

お花見とは、
まさに春の養生の一つなのですよ。

なかなか時間がなくて
お花見に行けないというアナタ、
ありがたいことに、
宮崎はいろんなところに花が咲いてます。

歩いている途中の道、
通りかかる公園、
ご近所の庭、

花が目に入らないってことはないはず。

ほんのひと時でも足を止めて、
「きれいだなあ」と、眺めてみて下さい。

目を癒し、肝を癒し、
春を健やかに過ごして下さいね。

さて、
酵素断食二日目になりました。

とりあえず続いてます。
力を抜いていけるとこまで頑張るわ~。

皆様、よい週末をお過ごしくださいね。  

Posted by キリンさん at 13:31Comments(5)漢方

2011年03月30日

カエルの歌




昨日の記事で、
陀羅尼助丸(だらにすけがん)という薬は
カエルに乗った行者に製法の秘密を教わったと書きました。

幸せうさぎさんがコメントに
「きっとガマガエルですね。」
と書いてましたが、
うさぎちゃん、アナタは鋭い!!!!

今でこそ影の薄いガマガエルですが、
昔は不思議な生き物として知られていたのです。

時代劇ファンのアナタならご存知でしょうが、
大道芸に
「ガマの油売り」
というのがあります。

立て板に水といった口上を述べながら、
刀で自らの腕を切って血を流してみせ、
そこに
「ガマの油」を塗るのです。

すると、あら不思議、
血はぴたっと止まり、傷跡さえ残らないのでした。
(私ならサメを使うところ)

この霊験あらたか(?)なガマの油の作り方は
口上にもあるのですが、
鏡の前にガマを置くと、
自分の姿に驚いたガマは、
全身から脂汗をダラダラと流すんですって。

その脂汗が「ガマの油」というわけなんです。

しかもガマはガマでも
そんじょそこらの普通のガマではなく、
筑波の山に住む、
「四六のガマ(しろくのがま)」でなければならないのでした。

四六っていうのは指のことです。
前足の指が四本、後ろ足の指が六本。

ダークダックスの歌う
「筑波山麓男声合唱団」でも
♪ ガマはガマでも、四六の~ガマ~~~
と歌われています。

笑っちゃう?

ところが、
このガマの油ですが、
「蟾酥(せんそ)」というれっきとした漢方薬なんです。

外用としては、
化膿止め、痛み止めの効果があります。
その成分には、
ステロイドや抗生物質の一種が含まれています。

飲むと強心作用や下痢止めにもなります。

が、毒性もあるので要注意。

今でも漢方薬の中には
使われているものもあるんですよ。

余談ですが、
昔の話で「ガマ」というと、
私の大好きな江戸時代のお話で、

自来也(じらいや)という、
忍者というか、妖術使いの物語があります。

彼はガマ使いなんですよ。
映画を観たことがありますが、
大きなガマに乗って戦います。

彼の宿敵はヘビ使いの
大蛇丸(おろちまる)。

ここであれ?と思いませんか?
カエルとヘビでは、
ヘビが勝つに決まってます。


しかし蛇は悪役。
悪が栄えるわけにはいきません。

そこで、ここに第三の人物が。

自来也の恋人、
綱手姫(つなでひめ)は、
ナメクジの術を使えるのでありました。

ああ、古典三すくみの物語がここに。
最後にナメクジの力を借りて、
自来也は大蛇丸に打ち勝つのですが、

きっと今後は
綱手姫の尻に敷かれっぱなしの人生を送るのでありましょう。

おっと、脱線してしまったわ。

では、今日もまた元気だしていきましょうね。


  

Posted by キリンさん at 11:20Comments(8)漢方

2011年02月01日

まさかの漢方(冷え症) 当帰四逆加呉茱萸生姜湯





こないだ、
沙夜さんと空さんが来てくれた時、

「こないだお土産にじゃがりこもらったんだ。
 食べるんだったら、あげるよ。食べる~?」
と聞きましたら、沙夜さんが、

「そ、それって、もしかして、私があげたヤツ?」

・・・・そうでした。アナタから頂いたんでしたね。はい。

キリンさんの頭が働かないのも、
きっと寒さのせいと思われますので、
今日は寒さ対策の漢方薬をご紹介します。

「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」

「とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう」
と読みます。

これは、しもやけのファーストチョイス。
つまり、手足が激しく冷える末端の血流が悪い人の薬なのです。

しもやけに漢方薬を使うの?
そう思われるかもしれませんが、
この薬で抹消の血流を改善し、冷えの原因となる水を排泄させることで、
驚くほどの効果がみられるのですよ。

今日はとても寒いので、
私も今飲んでみました。

味は、
辛くて甘くて苦くて酸っぱいカンジ。
舌に刺激が走ります。

でも、寒いときに飲むと甘さが際立って、
美味しいとさえ感じるのです。

飲み終わると、
お腹や背中がぽかぽかして、手足の冷えが緩くなってきます。

この薬、歴史がとても古いんです。
初めて出てきた書物は、
『傷寒論』。

知る人ぞ知る、漢方薬のバイブル。
西暦200年前後に生きていた、
張仲景(ちょうちゅうけい)という漢方家が書いた本。

この本の中には、
お馴染みの「葛根湯」「桂枝湯」「小青竜湯」「麻黄湯」
などが出てきます。

ひどい冷えがあるとか、しもやけが激しい場合は、
毎日きちんと飲み続ける必要があるのですが、

ただ寒いとか一時的に冷えるとか、
その程度でしたら、
頓服でもけっこう効きますよ。

まだまだ寒い日が続きそうです。
漢方薬を上手に利用して、乗り切ってくださいね。  

Posted by キリンさん at 13:17Comments(5)漢方

2011年01月19日

漢方昔話 扁鵲




漢方には、色んな伝説があります。
頭が牛だったという黄帝(こうてい)については、
ずいぶん前に紹介しました。

色んな植物を自分で食べてみて、
その薬効を調べたという人物です。
その勢いは、
一日に百種類の植物を試して、
毎日30回は中毒を起こしていたと言われるほど。
最後には毒が溜まって死んだそうですが、
300歳生きたらしいので、そりゃあな、ってカンジ。

薬だけでなく、
民衆に農耕を教えたり、
商いを教えたり、
暮らしの基盤を指導したそうです。

私の中では、
この黄帝って宇宙人だったのでは?
という疑惑が消えないのでした。

今日ご紹介するのは、
「扁鵲(へんじゃく)」という人。

大昔の中国、どのくらい昔かというと、
紀元前のことですから、キリストが生まれるずっと前にいた人です。

この人は秘薬を飲んだおかげで
垣根の向こうの人が見え、人の内臓を透視できたとか。
たぶん比喩であろうと思うのですが、
それほどの名医だったってことです。

ある国の王様の息子が息を引き取り、
みんなが嘆き悲しんでるところに行き合わせ、
死体の様子を見たところ、

「いや、まだ死んでないし。」
と、手当てをしたら、
本当に生き返ったという話から、
死人を生き返らせるというウワサもあったみたい。

それほどの名声があっても、
常に大衆の中で庶民の治療に勤しんだ人で、
どこかで病が流行っていると聞けば、
行って治療をし、
一箇所に留まることはなかったといいます。

その名声を妬む人も多く、
しょっちゅう暗殺の危機にさらされていたとか。
最後は暗殺されてしまったという話もあります。

この扁鵲のスゴイところは、
有名な「六不治(ろくふち)」という理論を提唱したところ。

六不治というのは、
どんな名医でも治せない場合が六つある、というもの。

一、驕恣不論理

  驕り高ぶって、人の話を聞かない人。

二、軽身重財

  お金をけちって、健康を軽んじる人。

三、衣食不適

  季節や自然に合わない食生活や、服装をすること。
  食べすぎ、深夜の食事なども含む。

四、臓器不定

  陰陽が五蔵に滞り、気が安定しない。
  要するに、自律神経のバランスが悪すぎて情緒が安定しない状態。

五、形羸不能服薬

  身体が弱りすぎて、薬が飲めない状態。

六、信巫不信医

  まじないや占いを信じて、医術を信じない人。

今の世の中でも、十分に通用するというか、
時代を超えた真理ではなかろうかと思いますが、いかが?

この人も300年生きたそうで、
そのあたりが何とも言えない伝説なのですが、

作り話と笑って見過ごせない何かを感じるのです。

それにしても、人間の生活は格段の進歩を遂げているのだけど、
人間そのものは、たいして進歩してないんじゃないか?
そう思うのは私だけでしょうか。

漢方にかかわらず、昔の話は面白いもの。
今に通じる教えが隠されているのですよ。

さて、私の断食ですが、
今もまだ続いてます。四日目です。
どこまで続くかは気分次第。
ゆるく頑張っております。

それでは、風邪が流行してますよ。
ご注意を~~。  

Posted by キリンさん at 12:02Comments(5)漢方

2010年12月21日

まさかの漢方 「声が出ない!!!」





響声破笛丸、「きょうせいはてきがん」と読みます。

これは、
中国が明の時代だったころに書かれた
『万病回春(まんびょうかいしゅん)』という本が出典。

「謳歌によって音を失するを治す。」
とあるのですが、
要するに、歌いすぎて声が出なくなった時の薬ってことですな。
昔から歌が好きな人は多かったんでしょうね。
誰かみたいに。

処方名の意味は、
「笛の音を凌駕するほど大きく響く美しい声を出せる」
という由来だそうなので、
よほどこの薬に自信があるらしい。

というわけで、
この薬は、
声を出しすぎて、声がかすれたり、
出なくなった時の薬です。

ですがそこから応用して、
平素からノドが弱くてすぐに声が枯れる人や、
風邪で声が出ない人にもよく使われ、
喜ばれています。

「ノドは痛くないけど声が出ない!!」
とか、
「咳のしすぎで声が枯れた!!」
なんて時にはお役に立ちますよ。

もちろん、
「カラオケの歌いすぎで・・・」
という人にも、
「これからカラオケなんだけど、上手に歌いたい。」
という人にもオッケー。

歌うのがお仕事の人に愛用者が多いのもうなずけます。

私、実は今夜はBAR小粋さんの忘年会に出席予定ですが、
歌う予定はないので、飲む必要はなかろう。

さて、それまで元気にお仕事しようっと。  

Posted by キリンさん at 12:00Comments(6)漢方

2010年12月14日

寒濕の邪




画像の雑誌は、
日経ヘルスから出版されたもので、
漢方&薬膳のことが書いてあります。

実はこれを監修された
キュウ(漢字がなかった)紅梅先生は、
私の漢方の先生の同門です。
一度だけお目にかかったのだけど、
とても素敵な女性。

季節柄、冷えとりについて詳しいアドバイスがのってます。

冷え症の相談に来られる方、
増えておりますが、
ほとんどの方にむくみがあります。

何故なら「冷え」と「水分」は、むすびつきやすいから。
漢方では「寒湿の邪(かんしつのじゃ)」と呼ぶものが、これです。

冬は乾燥するのに、なんで湿邪なの?

そう思われるかもしれません。
実は、乾燥するのは身体の表面のこと。

お肌がカサカサになるのは、
空気が乾燥して、お肌の水分を奪うわりには、
汗が出ないということにも原因があるのです。

汗を嫌がる人は多いのだけど、
汗はお肌を潤してくれる天然の化粧水なのですよ。

だけど寒さから身体を守るために、
冬の汗腺はしっかり閉じていますから、
水分は案外身体の中にたまってしまいがちなのです。

年末に腰痛が増えるのも、
忘年会などイベントでお酒やジュースを飲んだり、
甘いものを食べたりして、
寒湿の邪がたまることが原因なのですよ。

さて、この雑誌の中の「巡らせるお茶」の中では、
冷えとムクミに良いということで、
「黒豆茶」が推薦されています。

当店でもおススメしてる黒豆茶、
このシーズンには欠かせないものですね。

「漢方&薬膳 冷えとりバイブル」は
当店に置いてありますので、
気になる方は見に来てね。

ご希望の方には
黒豆茶の試飲をして頂いております。

今話題の
「しょうが」のレシピも詳しく載ってます。

それでは今日も元気だしていきましょう。  

Posted by キリンさん at 13:04Comments(11)漢方

2010年11月29日

まさかの漢方 ノロウイルス




久々に真面目な記事を書こうとしている。
ああ、緊張。

ノロウイルス、去年の倍の勢いだそうです。
今朝のボンベルタの朝礼で言ってました。

感染性胃腸炎、ノロウイルスの症状は、
嘔吐、下痢、腹痛、発熱が主なものですが、
重いか軽いか、またこれらの症状が全部出るか出ないか、
それには個人差があるみたい。

要するに、免疫力の差というものでありましょう。

その話はまた別の機会においといて、
かかってしまったらどうするか。

普通は病院に行きますね。
でも、今の現代医学では、
治す薬はありません。

脱水症状にならないように気をつけながら、
自然治癒するのを待つ以外にないのです。

でも、漢方薬なら?

よく使う処方が
「藿香正気湯(かっこうしょうきさん)」
という薬。

何度か紹介したことがあるので、
憶えてる人もいるかな。

嘔吐下痢もですが、
夏風邪の薬として有名なのです。

漢方用語で言うと、
「湿困脾胃(しつこんひい)」
という症状に使うのですが、
具体的に説明すると、

胃腸機能の調整、制吐(嘔吐を止める)、止瀉(下痢を止める)、健胃の効果があり、
発汗、解熱、鎮痛、抗菌、抗ウイルス、袪痰、鎮咳、利尿の作用もあります。

こうしてみると、
感染性胃腸炎だけではなく、
お腹にくる風邪とか、
胃腸が弱っている時の風邪にも使えますよね。

「藿香正気湯」
知っておくと、いざという時に便利です。

今日は忙しいので、
真面目に始まり真面目に終わります。

今週も、元気だしていきましょうね。  

Posted by キリンさん at 14:21Comments(10)漢方

2010年11月22日

まさかの漢方 不眠




画像は、夏の使いまわしです。あしからず。

昨日は博多で漢方勉強会。

不眠の漢方薬と、腹水の漢方薬の講義を聞きました。

不眠にも色々ありまして、
歯が痛くて眠れない、怪我がうずいて眠れない、
なんてのがあれば、

働きすぎて、疲れすぎて、寝付けない、
なんてのもあれば、

冷え症で、手足がしびれるほど冷えて眠れない、
ってこともあれば、

高齢になって、おしっこが近くて眠れない、
ってのもあり、

嫌なことを思い出し、腹が立って眠れない、
ってこともありまして、

これが全部同じ薬で治るほうがおかしい。

今回教えてもらったのは、以上のどれでもないのです。

その原因は「思慮過度」。
要するに、考えすぎる心配性の人の不眠です。

これは、誰かを恨んで「アノヤロー!!!」
と、カッカして眠れなくなるのではなく、

なんだか先行き不安だったり、
なんとなく心細い思いにとらわれて自分を追い詰め、
ちょっとウツっぽいカンジになる不眠です。

先生のお話を聞きながら、
これって私のことかしら??????

・・・・なんてちっとも思いませんでした。はい。

西洋薬だと、
どんな不眠でも同じような種類の薬の組み合わせになります。

漢方薬は、タイプによって薬が違います。
だから効き方も自然で身体に優しいのです。

ただ、不眠となると少し時間をかけて続ける必要があります。

風邪やぎっくり腰みたいに、短期間で治るとは言えません。
短期間で治るのは急性の病気です。

急性の不眠もゼロではないけど、
ほとんどが根の深いもの。
じっくり取り組む覚悟は必要です。

困った時には、ご相談くださいね。

勉強会はとても楽しくて、
懇親会もとても楽しくて、
延々と2時まで・・・・。

ラーメンの誘いはさずがに断ったが、
食べたかった・・。うう・・・・・。

こんな私ですが、今週もよろしく。  

Posted by キリンさん at 16:10Comments(11)漢方

2010年10月29日

貧困の手当て




漢方勉強会で、
和田啓十郎という人が明治時代に書いた
『医界の鉄槌(いかいのてっつい)』という本を読んでいます。

その中に興味深い一説がありました。

西洋薬と東洋薬の違いのことなのですが、
たとえば頭痛というと、
西洋薬には頭痛薬というのがあります。

漢方薬には、それがありません。

頭痛の原因を考えて、
それに対する薬を出すからです。

その比喩として、
「貧困の薬があるとしたら」という例をあげています。

貧しい人がいれば、
西洋薬のやり方としては、金銭を与えるのが治療であろうと。

しかし、漢方的に考えると、
貧しいにも色々と理由がある。

仕事もせず、なまけてばかりで貧しい者。

仕事はするが、放蕩三昧で使い果たし、貧しい者。

仕事もするし真面目に蓄えもするが、
天災などの不慮の事情により、貧しくなってしまった者。

この三者を救済するために、
一律に金銭を与えた場合、その結果はどうなのだろうか。

本当に救済される可能性があるのは3番目の者だけで、
先の二人については、
一時しのぎに過ぎないことは明白であろう。

根本的な理由を考えて、時間がかかってもそこを治すのが、
漢方治療の考え方である。

なんてことが書いてありました。
面白いでしょう?

昨日、騙されない人の話を書きました。
おばあちゃんは、
若いセールスマンを孫娘婿と信じて疑わなかったのだけど、
「何か私が買ってあげようか?」
とは、全く言っていません。

それは違うと考える人だからだろうと、
私は思っています。

詐欺まがいの話を聞くと、
最近は「儲かる」という話だけではなくて、

「これを買うことで発展途上国のためになる。」
「収益の一部はボランティア団体に寄付される。」
という言葉を巧みに使って、
あたかも慈善なのだよと思い込ませたりするそうです。

おっと、話がずれてしまったか?

いずれにしても、
本質を見極める目が益々求められる時代でありましょう。

まとまりのないところで、
今日はおしまい。

週末には実家の母が来るかも。
台風よりやっかい。

では皆様、この週末も元気だしていきましょうね。  

Posted by キリンさん at 11:25Comments(19)漢方

2010年10月20日

漢方屋さんだもん





メカが駄目とか、
地図が読めないとか、
怠け者だとか、
腹ん中が真っ黒だとか、
(全部あたっているだけに)

マイナスなイメージが先行しているような気がするので、
たまには払拭すべく、
漢方薬の症例などを披露してみようと思います。

はっきり言って、自慢です。

症例1。うちのパートさん

    中耳炎のような痛みがあると訴える。

    漢方薬を一日分処方。

    翌日には完治。廃薬。

症例2。70代の女性

    痰が大量に出る。
    (外だといいけど、自宅に帰ると症状悪化)
 
    漢方薬を三日分処方。

    「効いたわ!!」とご来店。続けて一週間分処方。

症例3。50代の女性

    ぎっくり腰。
    (介護犬を抱えた拍子に)

    漢方薬を二週間分処方。

    5日後に心配なので電話してみたら、大分旅行に行っていた。
    3日くらいで治ったそうな。

症例4。50代の女性

    更年期障害。のぼせがひどくてイライラする。冷えも強い。

    漢方薬を2週間分処方。

    この女性はそのあと来られなかったので、効かなかったのかなあと思ってたら、
    昨日来られて、
    「自然に治ったみたいだったので、
     飲まなくても治ったのかなあと思って放っといたら、
     また症状が出始めた。
     やっぱり効いてたのねえ。」
    そう言って、二ヶ月分買っていかれました。

症例5。70代女性

    陰部の痒みとおりものが多い。
    (婦人科に1年以上通院。治らない)

    漢方薬を2週間分処方

    完治。

今日はこれくらいにしといたろか。

全部、ここ最近の症例ばかりです。

漢方薬は、場合によっては症例1~3のように
シャープに効くのですが、

症例4の女性のように、
「飲まなくても自然に治ったのでは」
と思わせるような効き方をする時もしばしばあります。

新薬は、
かならず「効いた」という実感があります。
それは神経をブロックしたり、ホルモンを調整したり、
ピンポイントで攻めるからです。

でも漢方薬は、
むくみを取ったり、血流を改善したり、気を流したり、
身体のバランスが悪くなっているところを調整するので、
自分の持っている自然治癒力で治ったような効き方なのですよ。

そんな漢方薬が私は大好きです。

とは言っても、
漢方薬も間違って使うと副作用が激しく出ることもあります。

だから漢方薬を飲むときは、
出来るだけお店に行って専門家に詳しい話をして選んでもらうのがベスト。

皆様も機会があったら是非漢方薬をお試しくださいね。  

Posted by キリンさん at 11:39Comments(18)漢方

2010年10月15日

漢方薬アレルギー




当店では漢方薬をおススメしております。
(知らなかったなんて言わないでね)

ですが時々
「前に飲んだけど、身体に合わなかった。」
と言われることがあります。

先日のことですが、
咳と痰で悩んでるという女性が来られました。

「いつごろから?」
と聞くと
「去年かしら、もっと前も時々あったかしら。」
というお答え。

ご本人は、飲み慣れた新薬をご希望だったので、
それを出したのですが、

「こっちの方が合ってると思うので、試しに飲んでみて。」
と、漢方薬を二日分差し上げてみました。

二日後
「効いたわ!!!!!」
とご来店。

「あ、漢方薬、効きましたか。」
そう言うと、

「えっ!!!あれ、漢方薬だったの!!!!」

「そうですよ。」

「漢方薬だと知ってたら、飲まなかった。」
とおっしゃるのです。

以前、漢方薬を飲んで気分が悪くなったそうで、
それ以来ずっと漢方薬は自分の身体に合わないと思っていたのだとか。

そういう人、実は多いのです。

でも、たった一種類の漢方薬を飲んで、
それが効かなかった、合わなかったというだけで、
全部の漢方薬が合わないというのはヘンじゃありませんか?

たとえば
西洋薬の鎮痛剤を飲んだら合わなかったといって、

「西洋薬は私には合わない。」
そう決め付ける人がいるでしょうか。

「バファリンがダメだったから、キャベジンもダメ。」
そんな人、聞いたことありません。

鎮痛剤がダメでも胃腸薬やビタミン剤は別と考えるのが普通でしょう。

漢方薬といっても種類はたくさんあります。
中に入っている薬物も、それぞれ違います。

たとえば
葛根湯と黄連解毒湯、
この二つに同じ薬物は一つも入っていません。

だから、
たった一種類の漢方薬を飲んでダメだったからといって、
全ての漢方薬がダメと決め付けるのは早計に過ぎないのです。

また合わないというのも曖昧な表現で、
気分が悪くなったといっても、
そのときの症状の一つだったりして、
漢方薬は無実であることが多いのではないでしょうか。

ただ、
ある薬物に対して過剰に反応したりアレルギーが出るということは、
ないわけではありません。

ですから
漢方薬を飲んでアレルギーが出たとか、
悪い症状が出たという時には、
その薬の名前と、出た症状を覚えておいてほしいのです。

それがわかれば、
どの薬なら良くてどれがダメなのか、
ある程度の判断が出来ます。

さて、最初のお客様の話に戻ります。

漢方薬は証さえ合えば、
二日分で効果が実感出来るということも、
よくあります。

そのお客様は
「漢方薬って、効くのねえ。前の時はなんだったんだろうねえ。」
と言って、同じ薬を一週間分買って行かれました。

漢方薬に対する不信感はきれいに払拭されたようです。
うれしい。

そうそう、
今日の新聞に
「腎臓病の人は難聴になる割合が高い」
なんて新発見のように書いてありました。

漢方では、腎の影響は耳に出るって昔から言ってるんだけどなあ。

今日は漢方ブログの本質に立ち返り
(そうだったの??なんて言わないで)
ちょっと真面目に書いてみました。  

Posted by キリンさん at 11:57Comments(22)漢方

2010年09月17日

トクホン先生





「トクホン」って聞いたことありますか?
湿布など、貼り薬の名前であり、会社名でもあります。

この「トクホン」と言うのは、
実在の人物で、それにちなんで社名をつけたのだとか。

いま私が読んでいる漢方の本には、
昔の漢方家の名前が色々と出て参りまして、
この「トクホン」先生もまた有名な漢方家の一人であります。

永田徳本、またの名を「甲斐の徳本」と呼ばれていたらしい。

甲斐と聞いてピンと来た人は歴史通。

そう、甲斐の国、武田信玄、影虎親子に仕えた漢方医です。

それが、ここのお家(武田氏)にも色々とありまして、
ゴタゴタをきっかけに仕事をやめて、
そこからがトクホン先生の名前が後世に残る理由なのです。

トクホン先生は、
いつも牛の背中にのんびり寝ており、
そのままゆらりゆられて移動していたのだとか。

広く庶民の病気を治してまわったのですが、
どんな人からも、
一回に十六文しかとらなかったので、
またの名を「十六文先生」とも呼ばれたのです。

でも、お金のない人はタダで良かったんですって。

話によると、
徳川秀忠の病気を治したりもしたそうですが、
お金も取らず、仕えることもなかったのです。

ウソかマコトか、とても長生きで、
118歳で亡くなったらしい。
ほとんど仙人ですね。

昔の人には、
こういう浮世離れした人がいっぱいいたみたい。

今はどうかなあ。
あまり聞きませんね。淋しいけど。

さて、
明日から私は、
ダイエットの勉強に熊本に行きます。

明後日がメインなのですが、
昼間は大野勝彦美術館に行くらしい。
その後はみっちり合宿で御勉強。

大野勝彦さんについて、
基礎知識がなんにもないので楽しみです。

ご本人のお話も聞けるそうなので。

それがダイエットとどう関係あるのか?
帰ってきたら、
詳しく報告したいと思っています。

それでは皆様、
楽しい連休をお過ごし下さいね。  

Posted by キリンさん at 13:55Comments(18)漢方