2010年06月01日
大人は理不尽

子供のころ、
「大人って、なんて理不尽なんだ!!」
そう思って憤ったことはありませんか?
私は多々ある。主に相手は親ですが・・・。
お年玉は全部「預かっとく」と称して没収。
テレビで大好きなアニメを見ている途中に父が帰宅すると、
どんなに大切な局面であっても、
ニュースか時代劇かプロ野球番組にチャンネルチェンジ。
ある日、こんなことがありました。
私は小学校の低学年で、
マシュマロに憧れを抱いていたのです。
食べるどころか、見たこともない幻のお菓子。
漫画では、やわらかくてふんわりして甘い夢のお菓子のように描いてあります。
「銀座あたりで売っとるらしい」
まあ、昔の田舎の子の知識はこんなもんです。
♪あこがれ~の銀座~
という歌もありました。え?歌はどうでもいい?
どうせ誰も知らないよね。ぷん。
その日、母のお供であちこち連れて行かれた私は疲れ果てていました。
時間ももう夕方とは言えないころで、
とっぷり暗くなっており、
空腹は極限に。
やっと帰りのバス停に向かったとき、
母はさすがに私をアワレに思ったらしく、
お菓子屋さんに入ってくれたのです。
「何でも一つ、買うてあげる」
ま、マジっすか!!????
とは言いませんでしたが、
そこは街のお菓子屋さんで、
自宅あたりとは格が違い、珍しいお菓子がいっぱいあるのです。
狂喜した私が物色したお菓子の中に、
あったのです!!!!
「マシュマロ」
ビニール袋に入った、ピンク色の夢のお菓子が!!
母はそれを見て、あからさまにイヤな顏をしました。
「美味しいもんじゃないよ、それ。」
え?なんで母は知っているのか?
こっそり食べたわね。
なんて、小学生の頭では想像するよしもありません。
「これがいい。」
頑固に主張。
母も疲れていたのでしょう。
わりあいアッサリと買ってくれました。
憧れのマシュマロの入った袋をかかえ、バスを待つ私。
さっきの疲れはどこへやら。
と、そこに通りかかった親子が
「あら~。」
声をかけてきたのです。
母の様子からして、お世話になっている方みたい。
早く帰りたいのに~~~、早くマシュマロ食べたいのに~~~。
さっさと切り上げてくれよと言いたくなる私より先に、
相手の子供が口火を切ってくれました。
「早く帰ろ~~~~~~。」
いいぞ!!がきんちょ!!(こっちもガキだが)
案の定、母はそこで、
「ごめんね。もう帰るけんね。それじゃあ失礼します。」
と、そこまでは良かったのですが、
次の瞬間、信じられない行動に出たのです。
私が後生大事に抱きしめているマシュマロを、
さっと奪い取り、
「おわびにコレ、あげるね。」
ノォォォ~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!
泣いたね。帰ってから。
(そこで泣いたら、死ぬほど怒られるので)
ああ、大人って言語道断に理不尽な存在でしたね。
でも、今にして思えば、
大人は理不尽で良かったのでは?
子供の頃から何もかも理屈が通る世界では、
社会に出た時にとても困ります。
だって、社会って理不尽なことだらけなんだもの。
それに、子供の頃に大人の理不尽に泣けばこそ、
早く大人になって自分の思うようにしたいと願うのではなかろうか。
満腹な子供時代は、成長の妨げと考える、
大人の私なのでありました。(そこがすでに理不尽)
皆様はどのようにお考えでしょうか?
そうそう、
蛇足ではありますが、
実際にマシュマロを食べたのはずっと後のことでした。
で、その感想は、
「な~~んだ・・・」
ま、こんなもんです。