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Posted by みやchan運営事務局 at

2009年12月24日

ひねくれ者のクリスマス




今夜はクリスマスイブですね。
みなさんは、子供の頃サンタの存在を信じていましたか?

私は生まれて一度も信じたことがありません。
「キリンさんの時代は戦争があったから?」
いや、もう戦争は終わって10年は経ってたし。

母は一生懸命「サンタさんが・・」と言ってましたが、
私は早熟というか、ひねくれていたもんで、
「なんでそんな見え透いたウソをつくんだ??」
と思ってました。

二つ年上の友達は、
「お母ちゃんが可愛そうなけん、信じとるフリするんよ。」
と、一歩進んだご意見の持ち主でしたが、
大人にウソをつかれるのにガマン出来ない頑なな私は、
「絶対に信じない!!」
という態度を崩さなかったのです。

小学校2年生のとき、母に何度も聞かれました。
「サンタさんに、何をお願いしたい?」

「お母ちゃんが、サンタなんかおらんって認めたら教える。」

なんちゅう可愛くない小2の私。
本当は、タミーちゃん人形が欲しかったのですが、
意地を張って最後まで黙ったままでした。
母も母で、折れてくれませんでした。親子だねえ。

今にして思えば、弟が完璧にサンタを信じきっていた手前、
認めるわけにはいかなかったのでしょうが。

そしてクリスマスの朝、枕元にはちゃんとプレゼントが!!!!

でもそれは人形ではなく、一冊の本だったのです。
私は泣きました。
「サンタなんか、おらん!!
 本当にサンタがおったら、本当に欲しいものがわかるはず!!」
母は知らん顏して黙っていた、というか完全に無視。

泣いて泣いて、それでも反応がないので疲れてきた私は、
それと反比例するように、だんだん、本が読みたくなってきました。

まず、母の方をちらっとうかがってみました。
やすやすと折れるなんて、子供と言えどもプライドが許さん。
でも、我慢しきれず手で触ってみました。

もともと本が大好きなのです。
綺麗な固い表紙のついた、字ばっかりの少し厚い本でした。
どんな物語が書いてあるんだろう。何が出てくるんだろう。
すっかり涙の乾いた私は、もう我慢できなくなって、
本を手に取り開いてみたのです。

「クリスマス・キャロル」

と書いてありました。言わずと知れた、ディケンズの名作です。
頑固でヒネクレ者のスクルージが、
クリスマスイブに不思議な体験をして、心を開くという有名なお話。

読み始めると、あっと言う間に夢中になり、
朝ごはんの声をかけられてもやめられず、
それを無視して布団の上に座ったまま、ひたすら読みふけりました。

途中で母がニヤニヤしているのがちらっと見えましたが、
そんなの気にもならずに最後まで読み通したのです。

本当に頑固でケチでひねくれてて、
誰も信じることの出来ない可愛そうなスクルージさん。
世間はアナタが思っているより、ずっと暖かいものなのです。

同じように、頑固でひねくれてる小さな娘に、
母が意図的にその本を選んだのかどうかは不明です。

でも、クリスマス・キャロルは私の大好きな本の一冊となり、
私の人生の中で、最も思いでに残るクリスマスプレゼントとなりました。

  

Posted by キリンさん at 11:57Comments(22)王様の耳はロバの耳