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Posted by みやchan運営事務局 at

2009年12月07日

笑顔であいさつ





挨拶の出来ない子供でした。

挨拶しようという気は満々にあるのですが、
どうもタイミングを計るのが苦手で、逃してしまうのです。

むこうから知り合いのオバちゃんが歩いて来てるのを発見すると、
もう胸がドキドキし始めます。

「こんにちは。」
と、心の中で何回も練習をします。
「こんにちは、こんにちは、こんにちは、」
繰り返すうちに、なんだかアクセントがおかしいような気がしてきます。
「こ」にアクセントか?「は」だったか?「ん」のとこ・・・?

しまいにわけがわからなくなります。
それに、なんだかわざとらしいような、そんな気分がして、
無性に恥ずかしくなってきます。

どうしていいかわからなくなってくると、
たとえばそこが川沿いの道だったら、
わざわざ川に降りて、魚を探してるようなフリをしてみたり、
草を摘んでみたりします。

すると、たいていの場合はオバちゃんの方から
「つかさちゃん、こんにちは。」
と声をかけてくれるので、
その時に初めてオバちゃんに気付いたという演技をしながら
驚いたように振り向いて、
「こんにちは。」
が言えるのです。ああ、しんど。

特に母と一緒のとき、ちゃんと挨拶できたためしなし。
それは何故か?

だって、挨拶しようとする前に言うんだもん。
「ちゃんと挨拶しなさい。」と。

だからって、母が無言でいてくれれば言えるかというと、
それがまた出来ない。
「言おう!言うぞ!言えば!」
なんて、わけのわからん活用してみたりして、
アタマの中が膨れ上がってくると同時に、
隣でジリジリしながら挨拶を待っている母の感情が痛いほどわかって、
ますます言葉が出てきません。

ついには
「この子は挨拶も出来ん!!恥ずかしい!!」
と、衆目の集まる所で叱られるのでした。

時々、お店に子供さんを連れて来られる方があります。
子供さんに、お菓子や風船をあげることもあります。

その時、素直に
「ありがとうございます。」
が言える子供さんもあれば、黙ったままの場合もあります。

私は、この黙ったままの子供の方が実は可愛い。
きっと小さな胸のうちで、同じような葛藤があるのであろうと。
「うん、わかるよ。」
と、言ってあげたくなります。

だからお母さんが
「ありがとうは!!!!!」
と叱ると、自分が叱られているような気がして悲しくなるのです。

挨拶がちゃんとできる子は良い子。
そう言われがちですが、
必ずしもそうではありません。

誰にでも気持ちよく挨拶のできる子が、
ひどいイジメをしていた例もたくさんあります。

だからって、挨拶なんてしなくていいと言っているわけではありません。
挨拶が出来る方が、お互い気持ち良く過ごせます。
でもそれは、成長とともに自分で学んでいけること。

私はただ、挨拶が出来ないからといって、
「ダメな子」と決め付けないで頂きたいと言ってるだけです。

昔、小学5年生の女の子の家庭教師をしたことがあります。
お宅に伺うと、必ずお母さんが
「ご挨拶は?」
と聞くのですが、その子は黙ったまま。
横にいる弟の方が
「こんにちはー!!」
と屈託なく挨拶すると、黙って弟の頭をたたいたりして、
お母さんに怒られるのです。

でも、私と二人になると、とても快活になります。
私の家に遊びに来ても、必ず
「こんにちは。」
と言えるし、お上がりなさいと言うと、
「失礼します。」
と言ってから靴を脱ぐのです。

その話をお母さんにしても、なかなか信じてもらえず、
ちょっと悲しかったという思い出があります。

その子がお母さんとうまくいってなかったのか?
それは違います。
ただ、その子はシャイでデリケートだっただけ。

もしそんな子がいたら、見守ってあげて下さい。
いつか必ず、笑顔であいさつ出来る日は来るのですから。  

Posted by キリンさん at 11:08Comments(19)王様の耳はロバの耳