2011年08月31日
草食系男子

誰が何と言おうが、
鹿です。
しかも(シャレではない)
れっきとした成人男子であります。
ホラ、角が生えてるでしょ。
ご存知のように、鹿は草食。
見た目もキュートで優しい雰囲気。
世間では「草食系男子」と言うと、
なにやら消極的で覇気がなく、情けないイメージ。
しかし(シャレじゃないよ)
鹿の男子はきっとそれを聞くと憤慨するのでは?
鹿は草食ではありますが、
ものの本によりますと、
「生来、淫乱で、オスは常に複数のメスと交尾する」
とか、
「鹿は多淫で、オスは夜になると鳴いてメスを呼ぶ。
秋の夜は最も盛んである。」
なんて書いてあるのですよ。
草食だって、やる時ゃやります。
キリンさんたら、どんな本を読んでるの?
と、いぶかしんではいけません。
れっきとした漢方の本に書いてあるのですから。
そう、漢方では鹿の、ある部位を使います。
それはオスに限られたものです。
そこのアナタ、何を考えてるんですか。
それは角なんですよ。オスにしか生えませんからね。
漢方薬として使われるのは
「鹿茸(ろくじょう)」といって、
角がまだ生え始めで角化する前の柔らかい頃のモノです。
鹿の角は、生え始めてから完成するまで、わずか二ヶ月。
草木でもこれほど成長の早いものはない。
つまり、鹿の角にはそれだけの生命力が秘められているので、
人間様がちゃっかりそれを頂こうという寸法です。
何に使うのか?
漢方で言うと、これは補腎薬というカテゴリー。
人間の生命力を一本のロウソクとします。
そのロウソクの炎が小さく力弱いとき、
鹿茸には、その炎を大きく燃やしてくれるというパワーがあります。
でも、もともと大きい炎をより大きくはしません。
必要ないことはしないのです。
そこが西洋薬と違うところ。
具体的に言うと、
精力剤として、不妊症に、成長未熟に、
下半身の冷えに、老化に、
腰痛、夜尿症、老眼、白髪など、
生命力の炎のパワー不足が原因と思われる場合、
いろいろな症状に使われます。
一見パワフルで生命力に満ちていそうな
ライオンや虎よりも、
鹿の方が使えるってとこが不思議ですね。
ちょっと話はずれますが、
やはり漢方薬で
「淫羊藿(いんようかく)」という植物があります。
この名前の由来は、
淫羊藿を食べていた羊が精力絶倫となり、
毎晩100頭の牝と交尾したという伝説から来てるんです。
草食動物って、
なかなか侮れないヤツラなんですよ。
人間の草食系男子も、
やる時ゃやるんだぜ!!ってなトコロ、見せてほしいものですが。
現実は違うみたいで残念。
そうそう、
本の中には
「鹿は好んで亀を食べる」
という記述も。
草食性というか、意外と雑食なのかもね。