2011年03月30日
カエルの歌

昨日の記事で、
陀羅尼助丸(だらにすけがん)という薬は
カエルに乗った行者に製法の秘密を教わったと書きました。
幸せうさぎさんがコメントに
「きっとガマガエルですね。」
と書いてましたが、
うさぎちゃん、アナタは鋭い!!!!
今でこそ影の薄いガマガエルですが、
昔は不思議な生き物として知られていたのです。
時代劇ファンのアナタならご存知でしょうが、
大道芸に
「ガマの油売り」
というのがあります。
立て板に水といった口上を述べながら、
刀で自らの腕を切って血を流してみせ、
そこに
「ガマの油」を塗るのです。
すると、あら不思議、
血はぴたっと止まり、傷跡さえ残らないのでした。
(私ならサメを使うところ)
この霊験あらたか(?)なガマの油の作り方は
口上にもあるのですが、
鏡の前にガマを置くと、
自分の姿に驚いたガマは、
全身から脂汗をダラダラと流すんですって。
その脂汗が「ガマの油」というわけなんです。
しかもガマはガマでも
そんじょそこらの普通のガマではなく、
筑波の山に住む、
「四六のガマ(しろくのがま)」でなければならないのでした。
四六っていうのは指のことです。
前足の指が四本、後ろ足の指が六本。
ダークダックスの歌う
「筑波山麓男声合唱団」でも
♪ ガマはガマでも、四六の~ガマ~~~
と歌われています。
笑っちゃう?
ところが、
このガマの油ですが、
「蟾酥(せんそ)」というれっきとした漢方薬なんです。
外用としては、
化膿止め、痛み止めの効果があります。
その成分には、
ステロイドや抗生物質の一種が含まれています。
飲むと強心作用や下痢止めにもなります。
が、毒性もあるので要注意。
今でも漢方薬の中には
使われているものもあるんですよ。
余談ですが、
昔の話で「ガマ」というと、
私の大好きな江戸時代のお話で、
自来也(じらいや)という、
忍者というか、妖術使いの物語があります。
彼はガマ使いなんですよ。
映画を観たことがありますが、
大きなガマに乗って戦います。
彼の宿敵はヘビ使いの
大蛇丸(おろちまる)。
ここであれ?と思いませんか?
カエルとヘビでは、
ヘビが勝つに決まってます。
しかし蛇は悪役。
悪が栄えるわけにはいきません。
そこで、ここに第三の人物が。
自来也の恋人、
綱手姫(つなでひめ)は、
ナメクジの術を使えるのでありました。
ああ、古典三すくみの物語がここに。
最後にナメクジの力を借りて、
自来也は大蛇丸に打ち勝つのですが、
きっと今後は
綱手姫の尻に敷かれっぱなしの人生を送るのでありましょう。
おっと、脱線してしまったわ。
では、今日もまた元気だしていきましょうね。