2011年03月29日
日本の秘薬

私は漢方薬が好きで、
よく使いますが、
多くは中国発祥の処方です。
でも、
中には日本の漢方家が考えた処方や、
アレンジした処方もあります。
ですが、
有名な漢方家が作ったわけではないのだけど、
昔から家に伝わる秘伝薬だったり、
薬屋さんが考案したものだったり、
生活の中から生まれて、それが引き継がれたものだったりする、
不思議な薬もたくさんあります。
それらは大きなメーカーが量産するものではないので
小規模なメーカーがほそぼそと作っていたりして、
決して有名なものではありませんが、
それだけに、
地域の健康を担ってきた歴史に対する強い自負があり、
それを支える
「この薬じゃなきゃダメ!!!」
というヘビーな愛用者もまた多いのであります。
画像の本は、
そういった日本全国にちらばる秘薬を集めたもので、
なかなか興味深い資料でございますよ。
その中でも割合メジャーなものをちょっとだけ紹介すると、
「フジイ陀羅尼助丸(だらにすけがん)」
某ブロガーさんご愛用のお薬。
奈良は吉野山が発祥の地。
ここは真言密教のメッカでして、
この薬は山伏の常備薬だったそうです。
名前の由来は
山伏が唱えるお経の「陀羅尼経」。
なんと、1300年の歴史があるんですよ。
陀羅尼助丸にも色々あるのですが、
なかでもフジイの陀羅尼助丸には
先祖代々の不思議な言い伝えがあります。
薬を釜で煮つめるコツがうまくつかめず
困っているところ、
カエルに乗った役行者(えんのぎょうじゃ)がやってきて、
煮つめ方を教えてくれたんだって。
どんなカエルやねん。
でも、この話、好きかも。
また、これは皆様きっとご存知でありましょうが、
「樋屋奇應丸(ひやきおうがん)」
小さな子供の夜泣き、疳の虫の薬として有名です。
が、この薬のルーツって知ってました?
なんと千数百年も前に、
鑑真和上がもたらした薬なのですよ。
しかも子供の薬なんかじゃなくて、
貴族の不老長寿の薬として。
つまり、
これは大人が飲んでも効くってことです。
成分は、
牛黄(ごおう)、麝香(じゃこう)、人参、
熊胆(ゆうたん)、沈香(じんこう)、
といった高貴薬とよばれるもの。
大人の疲れ、イライラ、動悸息切れなどにも
効果が期待出来るんですよ。
ただ大目に飲む必要はありますけどね。
他にも
「新みみとん」
「ホンノー」
といった何だかワカラン薬や、
「うどん屋風一夜薬」
といった業種のワカラン薬や、
「ちくのう錠」
「じんましん湯」
といった薬効そのまんまの薬や、
色んな薬が紹介されています。
これらも広い意味では漢方薬といえるのでは?
知る人ぞ知る、
自然由来の身体に優しい妙薬の数々。
パッケージもレトロで楽しいですよ。
機会があったら、
本屋さんでチラ見してみてね。
では、今日も元気出していきましょう。
Posted by キリンさん at
11:35
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