2010年10月29日
貧困の手当て

漢方勉強会で、
和田啓十郎という人が明治時代に書いた
『医界の鉄槌(いかいのてっつい)』という本を読んでいます。
その中に興味深い一説がありました。
西洋薬と東洋薬の違いのことなのですが、
たとえば頭痛というと、
西洋薬には頭痛薬というのがあります。
漢方薬には、それがありません。
頭痛の原因を考えて、
それに対する薬を出すからです。
その比喩として、
「貧困の薬があるとしたら」という例をあげています。
貧しい人がいれば、
西洋薬のやり方としては、金銭を与えるのが治療であろうと。
しかし、漢方的に考えると、
貧しいにも色々と理由がある。
仕事もせず、なまけてばかりで貧しい者。
仕事はするが、放蕩三昧で使い果たし、貧しい者。
仕事もするし真面目に蓄えもするが、
天災などの不慮の事情により、貧しくなってしまった者。
この三者を救済するために、
一律に金銭を与えた場合、その結果はどうなのだろうか。
本当に救済される可能性があるのは3番目の者だけで、
先の二人については、
一時しのぎに過ぎないことは明白であろう。
根本的な理由を考えて、時間がかかってもそこを治すのが、
漢方治療の考え方である。
なんてことが書いてありました。
面白いでしょう?
昨日、騙されない人の話を書きました。
おばあちゃんは、
若いセールスマンを孫娘婿と信じて疑わなかったのだけど、
「何か私が買ってあげようか?」
とは、全く言っていません。
それは違うと考える人だからだろうと、
私は思っています。
詐欺まがいの話を聞くと、
最近は「儲かる」という話だけではなくて、
「これを買うことで発展途上国のためになる。」
「収益の一部はボランティア団体に寄付される。」
という言葉を巧みに使って、
あたかも慈善なのだよと思い込ませたりするそうです。
おっと、話がずれてしまったか?
いずれにしても、
本質を見極める目が益々求められる時代でありましょう。
まとまりのないところで、
今日はおしまい。
週末には実家の母が来るかも。
台風よりやっかい。
では皆様、この週末も元気だしていきましょうね。