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Posted by みやchan運営事務局 at

2009年04月17日

心の棘を抜きに




「春は肝」「怒にとらわれやすい」
なんて説教しておきながら
自らが「怒」に囚われてしまいました。

おとといのこと、そのお客様は店に入った時から既にケンカ腰でした。

「便秘薬はないとね!!!」
60歳くらいの女性、デカイ声の人でした。

ございますよ、と言うと
「コタローがいいげな!!」

コタローとは、うちでメインに扱っている漢方メーカーです。
誰かに聞いてきたのかな?と思いながら
「便秘の種類によって、色々ありますが・・・」

「知らん!!コタローの便秘薬を出せばいいとよ!!」
「いえ、ですから何種類も・・・」

「もういいけん!!便秘薬はどこにあるとね!!!」
しかたがないので一般的なものを並べているところに案内すると

「高え!!高え!!こんげに高え薬屋、見たことない!!」
いや、他の量販店に比べて、そこまで高くは・・と思いつつも
いいかげん、腹が立ってきた私・・・。

「もっと安い店に行くわ!!!」
と言われて、思わず
「はい、そっちに行かれればいいですわ。」
と言ってしまいました。
その人は、一瞬フリーズして、
さっさと出ていかれました。

ここで、かなり「怒」だったのですが、
それからしばらくして、ストアの主任さんがやってきて
そのお客様から苦情があったので、注意してほしい、ってことを言われました。

ここで私の心に、棘が刺さって抜けなくなったわけです。
正直、その人のこと「二度と来るな!!」と思いましたし。

ところが、その翌日、つまり昨日のことです。

棚のところでむこう向きに、モジモジしてる人がいるのです。
「何かお探しですか?」
と声をかけたら、その人は20cmくらい飛び上がり、
こっちを向きました。

なんと、前日のお客さんだったのです。

「やっぱり、ここで買うことにしたわ。」
と言われるので、普通に問診して、お薬を買って頂きました。
昨日のことにはお互い触れず、しばらくおしゃべりをしたあと
「ありがとう、ありがとう。」
と言いながら、帰っていかれました。

その人が、何故また来られたのか、サッパリわかりません。

ただ、思うには、その人の心にもまた棘が刺さって苦しかったのでしょう。
自分でその棘を抜くために、来て下さったのではないでしょうか。

これは、なかなか出来ることではないと思うのです。
自分に置き換えて考えた場合、私には自信がありません。

その人は、自分の棘を抜きに来て、
私の棘まで抜いてくれたという結果になりました。

前日の出来事の非が、どちらにあるかは問題ではなく
(私も十分に悪いんです、はい)
謝る謝らないでもなく、
その人が来てくれて相談をしてくれた、
その事実で、お互いの棘は抜けました。

本当のこと言うと、
「怒」でいっぱいの時、ブログに書こうかとよほど思ったんですよ。

でも、そこで思い止まって良かった。
棘が抜けてから書くことが出来て、良かったです。

人間は誰もが不完全です。
でも、だからこそ、なんとか頑張ろうとする、そこが好きなんです。

さて、今日も元気出していきましょう。  

Posted by キリンさん at 11:10Comments(29)王様の耳はロバの耳