2010年08月23日
人間ドック

新聞などで、
人間ドックで何らかの異常が認められるケースが、
9割を超えていると報じられました。
その原因として専門家の意見としてあがったのが、
「ストレス」。
でも、それだけか?と思うのは私だけでしょうか。
今の社会、ストレスのかからない人なんて、一人もいませんし、
ストレスの為に辛い思いをしている人が増えているのは承知してます。
でも、私が強く感じることは、
「異常とされる基準値が下がっている」ってこと。
たとえば血圧。
1997年 160~95
2000年 140~90
2004年 130~85(予定)
5年前には正常だった人が、簡単に異常と診断されてしまう。
また、一番異常値が多かったとされるコレステロール。
以前は総コレステロール値が基準でした。
これも240が基準だったのに、
あっという間に220に下がりました。
ちょっと前に大阪で調べられたデータで、
260あたりが一番長生きだという結果が出たことは、
広く知られているのにです。
高コレステロールの診断は、
心疾患のリスクを下げることが目標です。
ところが、
日本に比べて心疾患が圧倒的に多いアメリカでさえ、
基準は240です。
特に中年女性の場合は、よほどの高値か他に異常がある場合を除いては、
治療の必要はなしとされています。
閉経以降の女性は、コレステロールから女性ホルモンを合成するので、
それを抑えるとホルモンバランスが崩れたり、癌のリスクが上がると言われているからです。
それなのに男女の基準は一緒。
おかしいですよね。
現在では総コレステロール値ではなく、
悪玉の数値が基準になっていますが、
それも、根拠となるデータは少なく、
こういった批判逃れだという説もささやかれているのです。
降圧剤も、コレステロールを下げる薬も、
副作用があります。
特にコレステロールの薬は、
横紋筋融解症という病気を引き起こし、
死亡する例も、年間で何千人というレベルですし、
そこまでひどくなくても、
足腰がだるい、痛い、という症状を訴える方は大勢いらっしゃるのです。
「未病を治すためにはしかない」
と言われるかもしれませんが、未病を治すのに必要なのは、
養生です。
良心的な病院では、
数値が悪くても、
いきなり投薬はしないで、
生活改善や食事療法を薦めたり、指導したりします。
それを怠って、
すぐに薬に頼りとりあえず数値を下げる。
あるいは何もかも安易にストレスのせいにして、
安定剤を出す。
どこかおかしくありませんか?
私は人間ドックや検査を否定しているわけではありません。
ただ、それは健康の一つの目安であり、全てではないということ。
また検査の意味を理解して、自分なりに気をつけることが大切、
そう言いたいのです。
自分の身体は自分自身のものなのですから。