2010年08月06日
わたしは広島県人

お気に入りの写真は、〇〇年前の夏の一枚。
この頃は、自分が何者なのか考えたこともなかった。
高校を卒業して京都の予備校に行くようになって、
初めて自分の出処を意識するようになりました。
そのきっかけは、やはり言葉。
「方言」です。
ある日、テストが終わったときのこと、
友達に話しかけました。
「今日のテスト、みやすかったね。」
友達は、戸惑ったような、いぶかしげな表情をうかべ、
「え?うん・・印刷はハッキリしてたね・・。」
??あれ???通じてない????
「みやすいって、わからんの?」
「わかるで。よう見えるってことやろ。」
がびーーーーーーーん!!!!!!!!
きっと皆様もご存知ないでしょうが、
「みやすい」とは広島弁で「易しい、簡単だ」
という意味です。
「テストがみやすい」=「テストが簡単だ」
標準語じゃなかったのか・・・ショック。
友達は
「ああ、びっくりした。見やすいなんて、カンニングでもしたんか思うた。」
何をおっしゃる!!カンニングなんて一度たりとも・・・・
いや、まあ、ケースバイケースでね。
もう一つ、友達から指摘された方言が。
「なんで話の途中に合いの手いれるん?」
合いの手???民謡じゃあるまいし。
話の途中に
「やっしょうまかしょ」とか「いやさっさー」とか、
言うてまへんで!!!!
「話の途中で、はあ、って言うやん。あれ何?」
「はあ行った。」
「はあ出来た。」
・・・・・これも方言だったのか・・・・・。
「はあ」とは広島弁で「すでに」「もう」という意味です。
「はあ行った」=「もう行った」
これ以外にも、
「いたしい」=「難しい」
「たう」=「届く」
「みてる」=「なくなる、尽きる」
「たいぎい」=「疲れる、めんどくさい、やっかいだ」
などなど、通じない言葉がいっぱいありました。
だからと言って、いきなり「そうどすなあ」とは言えません。
私は広島弁で通すぞ!!だって、広島県人なんだもん!!!
約1年あまり、私は京都でバリバリ広島弁を使う少女でしたが、
大学に入学してから先輩に
「はあ帰っちゃったんですか?」
と聞いたのが通じなくて怒らせてしまったことがあったのです。
「はあ」=「もう」
これはおわかりでしょうが、
「〇〇しちゃった」
というのは広島弁で「〇〇された、〇〇なさった」という敬語なのですよ。
要するに、
「はあ帰っちゃったんですか?」
とは
「もう帰られたのですか?」
という丁寧な物言いなのです。
でも、やはり相手に通じないと失礼にあたると悟った私は、
あまり強烈な広島弁は封印することにしたのです。
そのかわり心の中で
「私は広島県人なんだ」という思いは強くなったような気がします。
今でも帰省したらバリバリの広島弁です。
自分を一番自由闊達に表現できる言葉が、広島弁だからです。
今朝、8時15分には黙祷しました。
これもまた、家を離れてからのことです。
テレビから流れる鐘の音と同時に、
宮崎でもサイレンが流れます。
それが嬉しい私なのでした。
それにしても
8月6日って、いつもお天気がいいと思いませんか?
65年前もこんないい天気だったんでしょうね。
8月6日の空が晴れ渡るたびに、
忘れないでと言われているような気がします。