2011年04月27日
風評

昨日に引き続き、
家庭訪問ネタを一つ。
長男が小学校に入ったばかりのことです。
初めての家庭訪問を控えて、
親の緊張はいやがおうでも高まっております。
あるお母さんが
「うちはビール券にするけど、どうする?」
「ほえ????何のお話で??」
「先生へのお礼よ。」
お礼といっても、
まだ入学したばかりだし、意味不明なんですけど。
「みんなするとと。
常識らしいよ。」
「で、いくらくらい?」
「やっぱり一万円はないとね。
現金を包む人もおるけど、うちはビール券にする。」
何じゃと~~~~????????
うちは先生への付け届けなど、一切考えもしてませんでした。
でも、それっておかしくない?
「渡したら、黙って持って帰られるらしいよ。
みんなするっちゃが。」
そんなことで先生の態度が変わるとは思えんけど。
「でも、何かあったときに、
あの子の家は何もくれんかったって、
潜在的に心をかすめることはあるっちゃない?
先生も人間やからね~。
子供のためには、
ちゃんとしといてやらんとね。」
子供のため・・・・・・・・。
それを言われると辛いところです。
家に帰ってダーリンと話し合いました。
その結果、
うちは何もしない!!そう決めたのです。
先生は、若い実直な先生でした。
その先生がお礼の有無で評価を変えるとは思えないし、
万が一そういうことがあっても、
息子自身そういうやり方の家に生まれたんだから、
受け入れてもらおうってことで。
家庭訪問が無事に終わって、
その人にどうだったのか聞きました。
「それがねえ、受け取りやらんかったっちゃわ。
困りますって。
他の人やらにも聞いてみたけど、
どこでも何も断られたみたい。
今後もずっと誰も受け取りませんって。」
やっぱり~~~~!!!!!!!!
「そもそも、どこからそんな話になったの?」
「う~ん。みんな言ってたっちゃけどねえ。」
みんな・・・それが曲者だ。
なんて漠然とした名称でありましょうか。
先日「若者たち」という古い映画をテレビで観ました。
学生の頃、大好きだった社会派の映画です。
その中で出てきた衝撃のセリフ。
「原爆野郎と一緒になって、
一つ目小僧が生まれたらどうする!」
もちろん風評による偏見です。
そこまであからさまな言葉ではなくても、
私が京都の大学に行ったとき、
「ご両親は被爆しはったん?」
と、よく言われました。
素直な気持ちで他意なく言われたこともありますが、
探るような目線を隠そうともしなかった人も。
うちは呉市ですから被爆はしてませんと言っても、
へええって感じな人も。
今も色んな風評に悩まされている人が大勢します。
ウワサって刺激的なものだけど、
無責任に面白がらず冷静に判断したいものだと
自分に言い聞かせる今日この頃です。