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Posted by みやchan運営事務局 at

2011年04月25日

大当たりの行方




子供の頃、大好きな場所がありました。
それは駄菓子屋。

当時、決まったお小遣いをもらえる子供はほとんどおらず、
たまに親の機嫌がよかったり、
親戚のおばちゃんが来たり、
文房具を買ったおつりをちょろまかしたり、
そんなこんなで貯金箱に貯めたものを、
細々と使っていたのです。

その日も友達と誘い合い、なけなしの小遣いをポッケに入れ、
お互いの弟も連れて、
総勢四人は意気揚々と駄菓子屋へGO!!

駄菓子屋には色んなお菓子が
処狭しと並んでいます。

フーセンガム、キャラメル、ラムネ菓子、
色とりどりの量り売りのアラレや煎餅、
ビー玉、おはじき、パッチン(メンコのこと)、
にーびーだん(爆竹みたいなの)、

でもでも私達が一番心魅かれたのは、
なんと言っても「五円クジ」。

いろんなクジがあったのだけど、
どれも一回が五円だったので、
誰がよんだか「五円クジ」という名称は、
子供の間ではしっかり市民権を得ておりました。

ポッケに入っていたお金も、
もちろん五円です。

その時、一番みんなの心を捉えていたのは
「チョコレートくじ」。

一等賞、二等賞、三等賞まであるのですが、
それらはポスターサイズのボール紙に貼って、
これ見よがしに天井から吊ってあるのです。

一等賞のチョコの大きさは、
今でいう明治の板チョコくらいだったでしょうか。
なんだ、普通じゃん、と思うかもしれませんが、
当時の子供の常識では
ゴージャス!!!!!!!
夢のチョコでした。

一等賞は当然ながら、一枚のみ。
二等賞が二枚、三等賞が三枚ありました。

その日もみんなでチョコレートくじに挑戦。

最初に友達が引いたクジは・・・
見事にハズレ。

ハズレは小さなチョコ。
今で言えば、チロルチョコの大きさで、
厚さを四分の一くらいにしたもの。

「ちぇ~~っ。」
といいながら、口の中に放り込むと、
一瞬のうちに溶けてなくなるのでした。

次に私が・・・・と、その時にクジをよく見ると、
残りが3枚。

どうやら売れ行き絶好調につき、
ほとんど売り切れ寸前。

ボール紙に張り付いているアタリのチョコは、
一等のゴージャスチョコと、
二等が一枚、
三等が一枚しか残っていなかったのです。

頭の良い子なら、ここで本当は、気付くべきだったのですが、
無邪気な私達は狂喜乱舞!!!

あとはアタリしかない!!!!!!
誰がどれを当てるのか????

まず私がひいたクジは、

あれ?・・・・ハズレ・・・???????
なんかヘン???

次に友達の弟が引いたクジは、

三等賞!!!!!!!

ちょっと冷めかけた心が再び沸騰!!!
残りは一等賞か二等賞しかない!!!

私の弟がひいたクジは、

・・・・・あれ?は、は、ハズレ・・・??????
でも、もうクジはないのに・・。

ここで駄菓子屋に慣れてる子供は大声で文句を言ったでしょうが、
私達田舎の子にとってはめったに来ることのない場所ですから、
とてもじゃないけどそんな自信はなかった。

「おばちゃん・・・一等賞のクジ、ないん?」
やっと友達が発したか細い声に、
おばちゃんは二等賞のチョコをさっと取り、

「これ、あげるけん、黙っちょきんさい!」

それをもらって、
四人の子供達は、
得したような、損したような、複雑な気分をかみしめたのでした。

ああ、ミステリアスな大人の世界。
不可思議な商売のルール。

その商売の世界で仕事をしている大人の私ですが、
やはりズルはイカンよね。

そのことだけは、
心に銘じているのです。

さて、今週も元気だしていきましょうね。  

Posted by キリンさん at 11:38Comments(9)王様の耳はロバの耳