2010年09月24日
穴があったら入りたい Ⅷ

久々のシリーズ復活。
友達の話です。本当に友達の。
彼女は鹿児島の天文館を歩いていました。
言わずと知れた繁華街。
その日は一人でお買い物。
賑やかな街の雰囲気を楽しみながら、
ルンルン気分でありました。
その時、
大勢の人が行きかう中で、
突然うしろから声をかけられたのです。
「あの・・・」
それは、道でアンケートらしきものをとっていた、
若い女の人でした。
誇り高いB型の彼女は、
キャッチセールスの類が大嫌い。
身体は前を向いたまま、
顏だけそちらを向き、
片方のアゴを上げ、
上ナナメ45度の角度から
思いっきりうさんくさいモノを見るような視線で、
「はあ!!???」
と聞いたのです。
そうしたら、その女の子は一瞬ひるみ、
それでも果敢に言葉を続けました。
「ス、ス、スカートの後が・・・・
パンツにはさまってますよ。」
どひゃーーーーーーーーーーー!!!!!!!
そういえば、さっきトイレに行ったのだった。
その日はふわふわの薄いスカートを穿いていたので、
パンツを上げた時に、はさんでしまったのにも、
何の抵抗もなく気付かなかったのでしょう。
「私が後に立ってますから、
今のうちに直してくださいっ!!!」
「あ、ありがとう。」
ううう・・・・なんていい子なんだ。
疑ってゴメンねーーゴメンねーーー。
睨みつけて、ゴメンねーーゴメンねーーー。
心の中で何度もそう繰り返しながら、
彼女はそそくさとスカートを直し、
スタコラとその場を立ち去ったのでありました。
黙って立ってると、
とても美しい人なんですけどね。
中身は・・・まあ、私の友達ですから。
今でも天文館を歩くと心の傷がうずく、
そんな彼女なのでした。