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Posted by みやchan運営事務局 at

2010年09月15日

漢方の危機





写真は、和田啓十郎という人が書いた、
医界の鉄槌(いかいのてっつい)という本。
明治43年のことです。

以前も書きましたが、
明治政府は漢方を一切認めず、
西洋医のみに国家資格を与えるという決断を下しました。

漢方家は必死で運動を起こし、
医師開業試験の科目として、
漢方を残そうとしたのですが、
それも明治28年の議会で否決され、

それ以来、国による漢方の資格は一切ないまま、
今に至ります。

和田啓十郎は、
子供の頃に家族が難病に苦しみ、
どんな名医にかかっても治らなかったのが、
みすぼらしい漢方医によって、
見事に治ったのを目の当たりにし、
自分も大人になったら漢方医になろうと決心したそうです。

大人になって念願の医師免許を取ってみると、
あまりに漢方が蔑まれているので、
医師会の会合や、投書などで、
漢方の優れている点を説いてみたのですが、
邪魔されてうまくいかず、

意を決して、この本を書き、
自費出版したのです。

その中で、
いかに漢方が誤解され、捻じ曲げられているか、
どんなに素晴らしい医学であるのか、
激しく論じています。

また、西洋医学を攻撃するものではなく、
西洋医学の良いところも認めているのがフェアなところ。

ただ西洋医学のみを妄信するのはおかしいよと、
説いているのです。

この本は長く復刻を望まれていながら、
なかなか実現しませんでした。

それが今年になって、
やっと復刻したのです。

今まさに漢方は存亡の危機にあります。

一人一人の状態を診る繊細な技術を継ぐ者は少なく、
病名漢方、効能だけを頼りに出す漢方に陥りつつあります。

そんな時代に鉄槌を下すべく、
今この本が蘇ったのではないでしょうか。

そういう私も勉強不足でまだまだお話になりません。
気合いを入れて頑張らなければ、
先人達に失礼ですよね。

とりあえず、
勉強会では、この本を読み進むことになりました。

とても楽しみです。

今日は硬い内容でごめんね。
書きたかったの。
自分に言い聞かせるために。  

Posted by キリンさん at 11:43Comments(12)漢方