スポンサーリンク


上記の広告は一定期間更新のないブログに表示されます。新しい記事を書く事で広告が消す事ができます。

  

Posted by みやchan運営事務局 at

2011年10月11日

卑怯者の弁




画像のカニには、何の罪もありません。

中学校の頃、塾に通っていました。
前にも紹介したように、とても厳しい先生でしたが、
授業は面白くて興味深いものでした。

授業の進め方はいつも同じテスト形式で、
まず問題が配られ、私達はそれを解くのです。

時間がきたら先生が現れて、
席の順番に子供達に答えていかせるのですが、
先生はその正誤と、必要に応じて解説を加えていかれるのでした。

最初は基本問題なので、
次々に進んで行くのですが、だんだん難しくなり、
最後の問題などは、
一人でも正解がいればいいほうという高レベルだったのです。

まだ塾に入って日もない頃、
解答が進むにつれ、だんだん答えられなくなってきます。

「やってません。」

「やってません。」

「やってません。」

という声がしばらく続いたとき、
先生はいきなり怒鳴ったのです。

「やれば出来るんか!!!!!???」

ただでさえ静かな教室が、
凍りついたように静まり返りました。

「やってません、と言うのは、
 とても卑怯な答なんですよ。

 やってない、いうことは、
 やれば出来たけどやってない、という意味でしょう。

 考えても出来んかったくせに、
 貴様ら、言い訳がましいこと言うな!!!」

怖くて怖くて、みんな下を向いて黙ったまま。

しばらくしてから次の子が、

「・・・・出来ませんでした。」
と言いました。

それを聞いた先生は、ちょっと間を置いて、

「はい、次。」
と言われたので、そこからはみんな
「出来ませんでした。」
と続けていったのです。

この話は、
昨日、向田邦子さんのエッセイを読んで思い出したのです。

向田さんが子供の頃、
ガラスの筆立てを壊してしまったときに、
お父さんに

「壊れました。」
と言うと、お父さんはひどく怒って

「筆立てが自分で割れたのか!!??
 お前が壊したんだろうが!!
 私が壊しました、そう言いなさい。」
と叱ったのだそうです。

私自身、とても卑怯者で、
無意識に自分をかばう言い回しをよくすることがあります。

だから、この二つの話は、
忘れてはならないことなのでした。  

Posted by キリンさん at 15:32Comments(8)王様の耳はロバの耳