2011年10月06日
人間なんて

「あの時、もしかしたら死んでいたかも。」
そんな局面、ありませんでしたか?
私の場合まず最初は、1歳になるやならずで、
本人まったく覚えていないのですが、
バス停のベンチの上、
背もたれに寄りかかって立っていた時のこと。
何を思ったか、不意に後にそっくりかえり、
そのまま脳天逆落としでコンクリートに激突したそうな。
母は死んだと思ったらしいが
脳天にデカイたんこぶが出来ただけで済みました。
二度目は小学校3年生のとき、
一つ下の男の子を自転車に乗って追いかけており、
車道に飛び出したら
キキーッと大きなブレーキ音が。
運転の上手な人で良かった。
同じころ、
海で浮き輪につかまっていた私。
浮き輪の中にはまってるんじゃなくて、
手で持っているだけの状態。
足が届くか届かないかのところでプカプカしてたとき、
いきなり大波がドンブラと襲い掛かってきまして、
浮き輪から一瞬手が離れたの。
うまく浮き輪が離れていかず、
よこのヒラヒラにつかまれたから良かったものの、
泳げない私には大きな危機でした。
プールでスケキヨになったこともあったわ。
中一のときは、
公園のウンテイ(漢字を忘れた)の、上を歩いていたのでした。
そこから石のベンチに飛び移ったのだけれど、
勢い余って、そのまま前の鉄の柵に落ちたのです。
しこたま胸を打ち、
しばらく息が出来ず、窒息死するかと思った。
最後は大人になってから、
40歳の頃、とても疲れていた雨の夜。
車を運転していた私は赤信号に気がつかず、
そのまま突っ込んでしまいました。
右から来たタクシーが、
すごい音をたててクルッとまわって回避してくれたのが、
目の端にうつり、
それでやっと事態が把握できたわけです。
なんだかなあ、
今こうして生きているのって、
ある意味奇跡のような偶然なのかもしれません。
もしかした終わったかもしれない
あの時も、あの時も、あの時も、
私は偶然死ななかった。
志賀直哉の『城之崎にて』という小説のテーマも
こういうことだったのかな。
人生はいつかどこかで終わるものだし、
深く考えても答えはないのだけれど、
今こうして生きているのですから
大切にしようかと、そう思う今日この頃なのでした。