2011年05月13日
老いらくの恋???

くすりのキリン堂は、
生目台に支店があります。
以前は私が入っていたのですが、
今はスタッフに任せております。
彼女は50代後半ですが、
笑顔の優しい心遣いの細やかな女性。
(キリンさんと正反対って言わないで)
お陰様で彼女のファンも増えつつあるところです。
その一人に、87歳のヤモメのジーサンがおりまして、
どうやら彼女にぞっこんのご様子。
日頃から入り浸っては
戦争の話、亡くした奥さんの話、
健康相談、
再婚相手はおらんかという話をするらしいのですが、
その再婚相手は50代がいいなあということなので、
彼女を狙う気満々なのです。
先日の母の日のこと、ここからは彼女から聞いた話です。
お店のオープンを待ちかねて、
ニコニコしながらご来店のジーサン。
「今日は母の日じゃから、アンタにプレゼントをと思って。」
そう言いながら、胸の内ポケットから何かを取り出すご様子。
戸惑いながらも、何をくれるのかしら?
そう思いながら見守っていると、
ポケットから出てきたのは、ハーモニカだったのです。
「アンタのために吹きます。」
そう宣言したジーサンが奏でるは「かあさんのうた」・・・・・。
うちの店は、スーパーの中にあります。
そこにハーモニカの哀愁を帯びたメロディーが・・・・。
そこまで話を聞いた私は、
「かあさんのうたが終わるまで、大変だったねえ。」
とねぎらいの言葉をかけたのですが、
「いえ、終わらなかったんです・・・。
そのまま古い歌を立て続け三曲・・・。」
「えええ~~~!!!三曲も吹いたんか!!
お疲れ様でしたね~~。」
「いえ、それでも終わらなかったんです。
なんだか興が乗ったらしく興奮気味になってきて、
ハーモニカを下ろしたら、
今度は歌い出したんです!!!!これも三曲!!!!」
結局のところ、彼女はジーサンのハーモニカ三曲、歌を三曲、
店先に立ったままじっと聞かされていたのでした。
その後、ジーサンは健康維持のために
田七人参を購入されたそうですが、
「これで元気になるかしらん。
このごろコンニャクみたいで力が入らんとこにも、
力が入るかなあ。」
と、わけのわからん期待に満ちた言葉と
にんまりとした微笑を残し、
「また来るね。」と帰っていかれたのだそうです。
おそるべし、戦争体験世代。
さて、今夜は漢方勉強会です。
ジーサンに負けずに元気出していきましょうかね。