2012年03月15日
岩井一さんを悼む

突然の訃報でした。
昨夜はお通夜。
受付で、はたと困ったことが一つありました。
記帳するとき、
間柄をどうするか、です。
親戚ではもちろんなく、
会社関係者ではありませんし、
議員仲間でもありませんし(彼は市議会議員だった)、
ご近所でもありません。
「友人」・・・・。
ちょっと知り合っただけで、
すぐに「友達」と言って憚らない人も世の中にはいるけれど、
私にはためらいがありました。
私は彼が大好きだったので、
友達と言えるとしたら、こんな光栄なことはないのだけれど、
向こうにすれば、違うかもしれない。
受付をしていた人も、よく知っている人だったので、
「友人で、いいやろか?」
と聞いてみました。すると彼は
「いいよ、友人で。」
と言ってくれたので、ほっとしながら友人にチェックをしました。
ご焼香を終えて、
ご家族にご挨拶をしました。
お話は聞いていたけれど、
初対面です。
奥様に
「私、ご主人には大変お世話になった薬屋で・・・」
とまで言うと、向こうの方から
「キリン堂さんですね!主人から聞いてますよ。
よく話してました。」
そう言って下さったのです。
私は嬉しくなって、もっと色んなことを話したくなり、
横に並んでいたご子息に声をかけました。
「関西文理学院って予備校に行かれてましたよね?」
彼はちょっとびっくりした顏で
「はい。」
「私もその予備校に行ってたんです。
お父様にはそのことをお話していて・・・」
そこまで言うと、彼はちょっと嬉しそうに、
「あっ、その話、聞いてます。ねえ、聞いたよね?」
そうお母様と妹さんに確認すると、
二人とも
「うん、聞いた聞いた。」
そう請合ってくれたのでした。
最後に会ったのは道端で、彼の顏を見て、
「ちょっとむくんでるよ。」
と言うと、
「太ったとよ~。
時間が出来たら相談に行くわ。」
そうおどけて話してたと言うと、
「そうそう、相談に行かんとね~って、言ってました。」
岩井さんは、そういう人でした。
道での立ち話ひとつ、
その場しのぎのお愛想ではなく、
ちゃんと受け止めてくれている人。
そして家族を大切にする人。
私だけでなく、
彼を知っている人は誰もが
彼と友達でありたいと思うでしょう。
それは、彼の明るさ、素直さ、とびきりの笑顔にもありますが、
それより何より、彼は決して裏切らない。
誠実という言葉以上に誠実な人だったからです。
岩井さん、
長い付き合いだけど、
私はあなたの悪口や批判を
一度たりとも耳にしたことがありません。
そんな人は
後にも先にもあなただけです。
こんなに突然に逝ってしまうのはズルイ。
「私達、友達だよね?」
と聞いてみたかった。
きっとあなたは
「何を今さら、
もちろん、ずっと前から友達やが。」
そう笑って言ってくれただろうと、確信しております。
お通夜には、想像以上に大勢の人が詰め掛けたとか。
今日の葬儀も、きっと人で溢れかえっているのでしょうね。
みんなみんな、あなたとの別れを心から悼んでいるよ。
安らかにお眠りください。
さて、私は日常の仕事に戻ります。
微力ではありますが、
人々の健康に携わるお仕事です。
頑張ろうと思います。