2013年04月04日
親のスネをかじるのは罪か?

早いもので、父が亡くなって1年になろうとしています。
離れて暮らしてから30年近かったわけですから、
父の死は、信じられないと言うよりも実感が湧かないという感じ。
お父さんのこと、好きだったの?嫌いだったの?と聞かれても、
そんなこと考えたことなかったので、
アタリマエなんだけど、
私にとっては唯一無二の父だったと思うだけです。
私が実家に帰ったときは、
特別嬉しそな顏をするでもなく、
かといって嫌がるわけでもなかったのですが、
私が滞在を終えて帰ると言うと、
父は必ず、
「帰るんか。小遣いちょうだい。」
と、ねだるのを忘れないのです。
それに対する私の答も決まっていて、
「ええ~~、お金なんかないもん。お父ちゃんこそ、ウチにくれんさいや。」
すると嬉しそうに笑って言うのです。
「なに言ようんな。その年になっても親にせびるんか。
しょうがないのう。お父ちゃんはオマエのせいでいつまでも貧乏じゃ。」
そしてズボンのポケットから財布を出し、
「なんぼいるんな?」
と聞くので、
「10万。」
と言うと、
また嬉しそうに笑って、
「そがにあるかいや。
お父ちゃんを破産させる気ね。」
と言いながら、
一万円札を一枚、くれるのでありました。
このやりとりが、
いつから始まったのか覚えてないくらい昔からの、
私と父の儀式なのです。
父が少し弱って、この儀式がなくなって、
ほぼ一年で父は逝きました。
最後に一度くらいは私の方が
「お父ちゃん、小遣いあげようか。」
と言ってみたかったかなあ。
でも、なくて良かったかなあとも思うのです。
だって、一万円をくれる時の父は、
いつもいつも、本当に嬉しそうな顏だったのですから。
今日は夕方の飛行機に乗って、宮崎を発ち、
日曜日の夜に戻る予定です。
ネタは・・・プレッシャーかけないでね。
ではみなさま、良い週末をお過ごしくださいませ。