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Posted by みやchan運営事務局 at

2011年09月21日

河童の住む池




朝のドラマで水木しげるさんがモデルとなり、
日本の妖怪が脚光を浴びましたね。

へ~、爺婆の昔にはそんな迷信があったのか。
そう思ってる人、多いと思います。

しかしながら、私はまだ弱冠54歳でございますが、
子供の頃にはまだまだ妖怪の話は現実味を帯びておりました。
(54歳も婆でしょうと思ったアナタ、キリンさんのバチが当たりますよ)

山の奥には河童の出る池がありました。

また段々畑をずっと上がると大きな見晴らしの良い岩があり、
そこでは天狗が休んで行くのだと言われ、

古いトンネルを歩いていると、
赤ちゃんをおぶった女の人とすれ違うけど、
それは狐が化けているのだとか。

海岸に沿って、途切れ途切れにあるお墓あたりには、
夜になると人魂が飛んでいるとか、

防空壕の中には兵隊さんの骨があって、
夜中には立ち上がって動く音が聞こえるとか。

私達子供は、
それを全て信じておりました。

その中で、一番怖かったのが河童です。

天狗は人がいるところには来ないし、
トンネルに子供だけで歩いて入ることはなく、
墓や防空壕に夜行くような用事などありませんから。

でも、河童の池は違います。

それは山の奥の方にひっそりある、
小さくて静かな青い池でした。

山に入って遊んでいると、
ついその池のそばまで来てしまっていたり、します。

「河童池じゃ。」
と、誰かが気付くと、みんな一瞬しーんと静まりかえります。

今まで大声で騒いでいたのが嘘のような、
突然の静寂。

それが、
みんなの恐怖心をいやがおうでも煽るのです。

大人たちから散々聞かされていました。

池に一歩でも入ろうものなら、
河童に足を引っ張っられ、引きずり込まれて死んでしまうと。

それを助けようとして手を引っ張っても、
河童の力はものすごいので、
助けようとした子供達までズルズルと引き込まれ、
みんな逃げられずに溺れてしまうのだと。

そして全員が河童のエサになり、
骨も残らず食べられてしまうと。

みんなで息を殺して波一つない
静かな青い池を見つめていると、

いきなり林から鳥がバサバサッと飛び立ったりして、
ぎゃーっと叫びながら逃げるのが常でした。

時には草むらで、何かがガサッと動くことがあり、
そんな時なんかは

「河童じゃーーーーっ!!!!」
と誰かが叫ぼうものなら全員がもう半狂乱。

我先に逃げるのですが、
たいていそんな時には小さい子がつまずいて

「待ってーーー!!!待ってーーー!!!」
と泣き叫び、大きい子たちに

「じゃけん、付いて来な言うたじゃろー!!!」
となぐられながら、手を引かれて命からがら逃げるのでした。

今にして思えば、
そんな河童の話などは
子供が池で遊んでおぼれるような事故を防ぐための
作り話だったのかもしれません。

だけど、
こうして昔話として記事にしながらも、
当時のドキドキや、鳥肌が立つほどの恐ろしさがよみがえり、
足元が少しすうっとするのですよ。

今はあの池、どうなってるんだろ。
久しぶりに行ってみようかしら。
大人になったら見つけられなかったりしてね。

さて、前回も言いましたが、
イトコの結婚式に出席するために、
明日の2時頃から私はお休みを頂きます。

日曜日には博多で勉強会に出席して、
月曜日の朝一番の飛行機で帰って来る予定。
では。  

Posted by キリンさん at 11:25Comments(9)王様の耳はロバの耳