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Posted by みやchan運営事務局 at

2011年07月25日

生爪を剥がされても




母が繰り返す私の思い出話の中に、

「つかさちゃんは、生爪を剥がされても
 涙ひとつこぼさんかった。我慢強い子じゃ。」
というのがあります。

それは私が小学校一年生のとき、
掘りごたつに入ったまま寝たらいけんよ、という言いつけに背き、
眠ったままコタツの中にずり落ちて
練炭に足を突っ込んでしまい火傷を負い、

それが治りかけたときに、
まだ川には入っちゃあいけんよ、という言いつけに背き、
川に入って遊んだあげく
バイキンが入って化膿させ、

腫れあがった足をかかえて病院に行ったときのことです。

ぐじゅぐじゅになった患部を見た先生は

「こりゃあ、親指の爪を剥がさんといけん。」

つ、つ、つ、爪を剥がすんですかいーーー!!!??????

小学校一年とはいえ、
自業自得であることは重々承知。
それに、そうしないと治らないのであれば
文句を言える筋合いではありません。

「お母さん、押さえとってください。」

今にして思えば、
昔は手術でもなければ
めったに麻酔を使うことはなかった。

歯をくいしばれーーー!!!!!
と、誰に言われたわけでもありませんが、
自然にそうなるものです。

こんな時、
目をつぶる人もいるけれど、
私は直視しなければ不安になるタイプなので、
風前の灯である親指の爪を凝視していました。

「いくよ。」
という声とともに、爪はぺりっと剥がされたのです。

泣きませんでした。

お医者さんも、母も、看護婦さんも、
えらいえらい、よく我慢した、と絶賛の嵐。

帰りにはご褒美にチョコレートを買ってもらい、
家でも褒められ、
とても得した私でありました。

あのね、正直に言いますけどね、

ほんとのところ、ちっとも痛くなかったの。

どうやら患部がかなり傷んでいたため、
爪も腐りかけて、
申し訳でくっついていたらしい。

だから、
軽く皮をぺりっとはがした程度の
軽い衝撃のみで、アッサリ剥がれてくれたのです。

でも、それはナイショ。

だって、
我慢強い子と褒められておいた方が
断然お得ですもの。

あれから50年近くがたつのですが、
母はまだ騙されたまま。

ごめんね、お母さん。  

Posted by キリンさん at 11:26Comments(12)王様の耳はロバの耳