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Posted by みやchan運営事務局 at

2014年09月24日

スタンドバイミー


この際、ドラえもんとは無関係です。

子供のころ、「腹心の友」にあこがれました。
もちろん『赤毛のアン』の影響です。

友達でも親友でもない「腹心の友」とは
なんて上等な響きであろうかと。

私の家は山の下にぽつんとあったので、
ご近所に友達がいなかったせいもあります。

そんな私が初めて「腹心の友」と思ったのが、
ヨウコさんであります。
4年生のときに同じクラスになり、一気に仲良くなりました。

しかし彼女は人気があったし、
お父さんの会社の社宅に住んでいたので友達も多く、
私だけと遊ぶわけではありませんでした。

アンがダイアナを愛するように、一心に彼女を愛していた私は、
いつも焼きもちを焼いては心を焦がしていたのです。

できるだけ一緒にいたかったので、
ヨウコさんがピアノを習っていると知って、
同じところにバイオリンを習いに行きました。

彼女が読んだという本は、必ず読んで、
感想を話し合いました。

同じテレビ番組を見るために、親と喧嘩したりしました。

そんなある日のことです。

「あのね、今度の私の誕生日に家に来てくれる?」
彼女から招待された私。

「他に誰も呼んでないけん、秘密にしてね。」
そう言われたので、もう有頂天です。

当日は彼女のお母さんが作った
プリンとエクレアを食べて、さらに舞い上がった私。

幸せではち切れんばかりの私でしたが、
ある日のこと、彼女からこんな言葉が。

「あのね、言わんといけんことがあるん。」

「なに?」

「転校するんよ。」

いきなり、奈落の底へ。
嘘だ、嘘であってくれ!!と叫びたかった。でも本当のことでした。

彼女は、東京の人になってしまったのです。

最後に会ったのは、大学3年生の時。
東京に遊びに行ったときのことです。
喫茶店でお茶を飲み、焼き鳥を食べ、道を歩いている途中、
彼女は果物屋さんの前で立ち止まったのです。

何かを物色している様子。
私は横で彼女の顔を見ていました。

綺麗だなあと。

見られていることに気付いた彼女はこっちを向いて、
「え?」と言ったので、私は少しあわててしまい、

「いや、物欲しそうにしてるなあと思って。」
と言ったのです。

そしたら彼女は笑って私に抱きつきながら、

「ほんとに、ちっとも変わらないねえ。」
嬉しそうにつぶやいて、その店でサクランボを買い、

「おみやげ。」
と、私にくれたのでありました。

それから時間がたつうちに、連絡も途絶えてしまったけど、
元気でいるのかしら。

今でもきっと変わらず綺麗なんだろうな。
こんど会っても、

「変わらないね。」
そう言ってくれるかしら。  

Posted by キリンさん at 18:10Comments(4)王様の耳はロバの耳