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Posted by みやchan運営事務局 at

2013年11月01日

手には不思議な力がある





うちのお客様の話です。

ちょっと前に背中がとても痛くなったとき、
痛み止めを飲んでもなかなか効かず、苦しんでいたそうです。

それを見かねたご主人が、
しばらくそこに手を当ててじっとしてくれていたのだとか。

「ほんとに不思議なんですけど、
 そのうち痛みがおさまって、治っちゃったんですよ。」

不思議でもなんでもありません。

手には、そういう癒しの力があるのですよ。

ふれる、なでる、さする、ハグする。
それで傷が癒された経験はありませんか?

私には二人の祖母がいました。
父方と、母方と。

父方の祖母は私にとても甘く、
お小遣いもたんまり、洋服だって自転車だって、買ってくれました。
無条件に大好きでした。

母方の祖母は、血のつながらない息子に養われていたので、
お金を持っていませんでした。

細々と畑をつくり、実ったものを手作りの手押し車に入れて、
売り歩いては少々のお金を得ていたのです。

その中から、たま~に5円とか、10円を、こっそりくれるのです。

小さい頃はもらっていたのだけれど、
中学に入ってからは、さすがに受け取りづらく、断っていました。

それを淋しく思ってか、祖母は、

「足、もんじゃぎょうか(もんであげようか)。」
と言うようになったのです。

だけど中学生の私の足は、
マッサージを必要とするほど疲れているはずもなく、
いつも煩がって逃げてばかりいました。

そんなある日、
何があったのかは全く覚えてないのですが、
学校から辛い気持ちで家に戻り、

制服のまま、鞄もそのまま、
座敷にうつぶせになっていました。
泣きたい、でも涙が出ない、そんな感じで重い心をかかえて。

誰かが後から近づいてきたのを感じたけれど、
そっちを向くのもおっくうだと思ったとき、
その人は、黙って座り、私の足をさすり始めたのです。

おばあちゃんでした。

足首の方から上の方に、
ふくらはぎをゆっくりゆっくり撫でてくれました。

それが、びっくりするほど気持ち良いのです。

それから足の裏をもんだり、指をもんだり、
とても長い時間、私の足をマッサージしてくれたのです。

心を込めて、という感じでした。

私が
「もうええよ、ありがと。」
と言うまでずっとマッサージは続き、

「気持ちえかった?」
と聞かれて

「うん。」
と答えると、

おばあちゃんは本当に嬉しそうに、
にっこりと笑ったのです。

学校でのことは、もうどうでもいいくらい、
私の心は晴れていました。

この頃、私はよくこのおばあちゃんを思い出します。
あのときの手のぬくもりと一緒に。  

Posted by キリンさん at 19:46Comments(3)健康一般