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Posted by みやchan運営事務局 at

2013年11月06日

理不尽な大人にだけはならない。





みなさん、スピッツって知ってますか?
犬の種類なんですけど、
私が子供の頃やたら流行ったんですよ。

白くてフワフワした毛並と黒い瞳が愛らしいと。

小学校の低学年の頃、
母に連れられて親戚に行きました。

そこはお祭りの真っ最中で、
その家のおばあちゃんが私を出店に連れ出してくれたのです。

「何でも買ってあげるよ。」
と言われ、顔を真っ赤にしてキョロキョロと物色する私。

そこで目をとめたのが、
スピッツのぬいぐるみでした。

本物そっくりに白い毛がふわふわして、
つぶらな瞳がこっちをじっと見つめているのでした。

それに気づいたおばあちゃんは、

「これが欲しいん?」

「うん。」

というわけで、私はスピッツのぬいぐるみを手に入れたのでした。

実は、以前から私はこの人形がほしくて、
母に何度もねだってはダメと言われていたのです。
だから喜びもひとしお。

うちの母は、だいたい人形の類がキライでした。
特にぬいぐるみが。

でも、私がスピッツを抱いているのを見た母は、
ぱあっと笑顔をうかべ、

「可愛い!!えかったねえ、お礼は言うた?」
と喜んでくれたのです。

私はますます嬉しくなり、まさに有頂天でありました。

しばらくして、その家を後にした私たちは、
その足で母の友達の家に寄ることになっていました。

そこには私よりひとつ下の男の子と、
ふたつ下の女の子がいました。

また、その家はうちと正反対に、お人形が好きなお家。
ピアノの上にはフランス人形がケースに入って飾られており、
ぬいぐるみや、陶器の人形も並んでいて、
前から私はそれがうらやましくてしかたなかったのです。

今日は自分がぬいぐるみを自慢できる!!!
そう思うと、足取りも軽くいそいそと母についていく私。

「ごめんください。」

「いらっしゃい。」

母の友達であるおばちゃんと、それに続いて、
子供たちがバタバタと出てきました。

今だ。人形を自慢気に抱え上げるのだ。
と、両手で差し出すようにしたスピッツのぬいぐるみは、

そのまま母の手で取り上げられ、

「おみやげ!!」

一瞬なにが起こったのか理解できず茫然とする私と、
何も知らずに喜ぶ子供たち。

母のスカートを強くひっぱって

「お母ちゃん!!あれは」

母はそれ以上を私に言わせず、

「こんど買うてあげるけん、黙っときんさい!」
と睨んだのでありました。

・・・・・・・・・・・今度がないことなんて、わかってるもん。

心の中で泣きながら、
大人になったら、絶対にこんな理不尽な人にはならない!!
そう誓ったキリンさんでありました。

え?その誓い、守ったかって?

そりゃあもう、あの、その、大人だからね。  

Posted by キリンさん at 16:41Comments(3)王様の耳はロバの耳