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Posted by みやchan運営事務局 at

2014年07月01日

杏の木



杏とスモモは厳密には違うものだそうです。
この画像の果物はどちらでしょうか?

これは、
酵素でクッキングに参加してくれたBebeさんからのお土産です。
「HAIR Bebeのゆるりと過ごそう」というブログでお馴染みの美容師さんなんですよ。
自宅の庭の木から、その日の朝 もいで来たという有難いモノ。

画像は残れど実物は既に腹の中であります。
いや~、美味しかったですよ~。
ありがとうBebeさん。

私の実家にもありました。
「はらんきょ」と呼んでいたのですが、
巴旦杏(はたんきょう)が正式名称だったようです。

いつだったか忘れたのだけれど、
母方のお祖母ちゃんが家に来たときのこと。
家には私しかいませんでした。

まだ小学生だった私は、
お祖母ちゃんに「はらんきょ」を食べさせてあげたいと思ったのです。
ちょうどよく熟れて、食べごろだったので。

木のそばに行くと、いい匂いがぷんぷんしてます。

だけど、この木が問題。
ほそ長くて背の高い幹の、上の方にしか実がついてないのです。

木の横にある低い石垣にのぼれば、手がやっと届くのだけど、
悲しいことに私はチビでした。

そのへんに落ちている木の枝を拾い、
それで手繰り寄せなければなりません。

危険・・・・・。

だけど、何故かその日の私は燃えており、
必死でバランスをとりながら「はらんきょ」をもぐのに成功したのでありました。

得意満面でおばあちゃんに赤い実を差し出すと、
ちょっと驚いたような顔をして、嬉しそうに食べてくれました。

その頃から性格の悪かった私の、心の内はこうでした。

「私ってヤツは、なんて優しい孫なんだ。
 きっとこの思い出は、お祖母ちゃんの心から消えることはないだろう。」

・・・・・・これさえなければ、私って結構いいヤツなんだけどね。

果たして、お祖母ちゃんはこのことを覚えていてくれたでしょうか?

お祖母ちゃんは99歳まで長生きをしてくれたのですが、
死ぬまで何度も繰り返し話すほど喜こんでくれた思い出は、コチラ。

「つかさちゃん(私のこと)の家に来て、掃除をしてあげようたら、
 中学からつかさちゃんが帰ってきて言うてくれたよね。

 『家の中が綺麗な思うたら、やっぱりお祖母ちゃんが来てくれとった!!』

 おばあちゃん、それを聞いてものすご嬉しかったんよ。ありがとね。」

そんなこと言ったなんて私は全く覚えてないのですが、
たしかにお祖母ちゃんはちょこちょこ家に来ては
お掃除をしてくれてたんです。

障子を張り替えたり、庭の草を抜いたり、
黙って黙々とやってくれていたのです。

たった一言であんなに喜ぶのだったら、
もっと言ってあげれば良かった。

おばあちゃんのおかげで、
庭はいつも綺麗です。
障子もいつも真っ白です。
お台所の流しもピカピカです。

いつも思ってたことなのに、
あまりにも当たり前だったので言ってなかったね。

たった一度だけこぼれた言葉を
そんなに何度も繰り返し、
かみしめるように喜んでくれていたとは。

杏の季節になると、
思い出がずるずると引き出され、
お祖母ちゃんが恋しくなるキリンさんでありました。

え?お祖母ちゃんは杏の話を覚えてたかって?

一度も話してくれませんでした。
押し付けた親切は、ダメでござんすね。

では。

  

Posted by キリンさん at 14:23Comments(2)王様の耳はロバの耳