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Posted by みやchan運営事務局 at

2014年11月07日

読み返したい本。


子どもの頃、
この部屋で寝転がって本を読むのが好きでした。

近所に友達が、いや、家がなかったので、
遊び相手がいなかったことも理由の一つです。

同じ本を繰り返し繰り返し、
覚えるほど読みました。

小学校2年生の時に読んだ「秘密の花園」も、
その中の一冊です。

バーネットというイギリスの作家の作で、
「小公女」「小公子」「秘密の花園」の三作を、
子供向けの全集で同時に読んだのです。

その中でも断トツに好きで、
今でも落ち込んだ時には読むのがこの本です。

何故か?

最初の舞台は、
イギリス領だったインドです。

そこで生まれた主人公の少女メアリが、両親をコレラで亡くすところが始まりの物語。
ところが、彼女はそれで淋しがったり悲しんだりしないのです。

それは彼女が強いわけではなく、
愛された記憶がなにもなかったから、何も感じなかったというわけ。

お金持ちの両親は自分たちのことばかりで、
一人娘はメイド達に任せっぱなし。
甘やかされ放題で育てられたメアリは、
思いやりのかけれもない、ワガママで頑固なひねくれモノでした。

やせっぽちで顔色も悪く、
いつも誰かをにらんでいるような表情の小さなメアリ。

彼女はイギリスに住む、伯父さんに引き取られます。

そこは、長い間だれも入ったことがない部屋がたくさんあるという、
めちゃめちゃ大きなお屋敷でした。

そしてそこには10年もの間、誰も入ったことがないという、謎の花園があり、
人と会いたがらず旅行ばかりしている伯父さんと、
メアリと同じように悲しく病んでいる男の子と、
気難しい使用人たちがいました。

これは、その病んだ家と花園と人々の、再生の物語なんです。

自分のことにしか興味がなかったメアリが、
人に興味を持ち、自然の変化に驚き、あこがれ、
あたかもサナギが蝶になるような変身を遂げていくのです。

それは、悪い子が改心して良い子になる、
そんなアリがちな物語では全くありません。

乾いた土地に種が落ち、
雨が降って双葉が芽生え、勢いよく育っていくような、
そんな変化に似てるかも。

その変化は、意図しないにも関わらず、周りを巻き込み、
暗く閉ざされていたお屋敷を明るく開放し、風を起こして春を連れてくる、
そんな感じなんですよ。

メアリに力を貸してくれるのが、女中のマーサ。
そして、その弟なんですが、
この子が自然の申し子と言うか何と言うか、「荒れ野の天使」なんです。

物語は、ちょっとサスペンスっぽいところもあり、わくわくドキドキ、
そして最後は、スッキリと最高に気持ちの良いエンディングを迎えるのです。

何度読み返しても、晴れやかな気持ちで一杯になり、
ああ、自然って有難いなあと感謝するのでありますよ。

こうして紹介していても、また読みたくなる、
そんなキリンさんの一冊なのでした。

日曜日は、ちょっとお見舞いに行かねばなりません。
友達のご主人が大けがしたので。

ここんとこ、周りで怪我が続いてます。
皆様、これぐれも注意してくださいね。

注意一秒、怪我一生、シャレになりませんよ。
自分自身にも、言い聞かせつつ。  

Posted by キリンさん at 12:25Comments(2)王様の耳はロバの耳