2014年02月28日
逆鱗に触れる。

龍は、普段は大人しく、人に危害など加えないのだけれど、
喉元の逆鱗に触れた時には、激しく怒るものなのだそうです。
「逆鱗に触れる」というこの故事、
よく使います。
でも私、大きな間違いをしていたことが
ここにきて発覚したのであります。
これは目上の人を怒らせた時に使うもので、
自分や友達、目下の人のことでは使わないんだって。
平気で「弟の逆鱗に触れた」とか言ってたわ。
思えば弟は逆鱗だらけだったが。
(普通の鱗を私が逆撫でし続けたという説もあるが)
逆鱗に触れるような経験って、あまりないですよね。
先生にはよく怒られたけど、
それは私が悪かったからで逆鱗とは言えないし。
色々と思い出を遡って、
やっと一つ見つけたのが父の逆鱗。
父は温厚な人で、怒った顔を見たのは、
後にも先にもその時だけだったように記憶します。
私はそのとき小学生でした。
テレビで「オバケのQ太郎」を観ていた時のこと。
玄関の引き戸ががらりと開く音がして、
「ただいま。」
父が帰宅したのです。
あちゃー、と思いました。
だって、裏番組では野球中継があったからね。
父は野球が大好きだったのです。
部屋に入る早々、父は言いました。
「野球見して。」
番組が始まる前ならまだしも、
Qちゃんは後半に入り、クライマックスに差し掛かるところ。
譲れない!!
私はチャンネルを握りしめ、お腹にかかえました。
え?そんな時代にリモコンが?
いや、違いますよ。
うちのテレビは古かったので、
チャンネルを引っ張ると外れてたんです。
「チャンネル貸して。」
「いや。」
いきなりです。
父が弟のプラモデルを私に投げつけたのは。
見事に頭に炸裂したプラモデル。
「うわああーーーっ!!!」
泣いたのは、驚いた私と、
プラモを壊された弟。
それを見た父は、
「ははははは、泣いた泣いた。」
と愉快そうに笑って、チャンネルをもぎとり、
野球中継を嬉しそうに見始めたのでありました。
・・・・・逆鱗って、理不尽なものです。
さて、今日で2月も終わりですね。
明日から3月です。
3月も元気だしていきましょうね。