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Posted by みやchan運営事務局 at

2016年08月24日

つくつくぼうしの鳴く頃



実家の座敷から見た夏の庭です。
つくつくぼうしが鳴きはじめると、夏の終わりを感じて、
なんとなく物悲しい気分になります。

同窓会に出たことは言いましたね。
懐かしい顔ぶれと会って、楽しい思い出を語り合いましたが、
中学生の頃のことは、楽しい記憶ばかりでもなかったりするのだ。

中学2年生か3年生のとき、
財布をなくしたことがあります。

500円くらい入ってました。
当時の私としては、大金です。
友達も一緒に、机の中もカバンの中も、探したけれど見つかりません。

泣きそうな気分・・・・、その時、おトイレに行きたくなりました。

いや、トイレじゃないね。お便所です。
その頃はまだ、水洗ではなくポットンの汲み取り便所だったのです。

便器の下には、みんなが用を足したブツが。

個室に入ると、つい目線が下になります。

と、溜まったブツのてっぺんに、赤い財布が!!!!!!!!

わたしの、わたしの、わたしの財布ーーーーー!!!!!!

用を足すのも忘れ、お便所から飛び出すと、外で待ってる友に訴えます。

「便所の中に、私の財布が落ちとる!!」

「ええええーーっ!!」

あわてて中に入り、覗きこむ私達。

「ほんまじゃ!!」
「落ちとる!!」

「前に入った時に落としたんじゃないん?」

「違うよ!今日は初めてここに入ったもん!!」

よく見ると、チャックが開いている・・・・。

要するに、誰かが盗んで中身を抜き、お便所に捨てたというわけです。
中身もオシイけど、お財布だってもう使えません。

誰がこんなことを?

友達が静かに言いました。
「女子じゃね。女便所じゃけん、男子は入らんじゃろ。」

わかっとるわ。

学校で盗難にあったのは、もう一度だけあります。

美術の時間に、私達は鎌倉彫を彫っていました。
長方形の板の上に、それぞれが下絵をつけて、彫り進めます。
私のデザインは朝顔でした。

ある程度の工程が終わり、仕上げにかかろうと言う頃、事件はおきました。

ない・・・・・。

教室に置いていた私の鎌倉彫が、こつ然と消えたのです。

この時もまた、友達と一緒に、
かばんの中も机の中も(しつこい)探したけれど見つかりません。

「オマエはいっつもだらしないけん、失くしたりするんじゃ!!」
と美術の先生からしかられる始末。

もう新しい板の予備もないということで、
それからの美術の時間、私は一人淋しく見学となりました。

みんなが丁寧に紙やすりをかけているのを、
ただ見ているしかなかったのです。

そして全員の鎌倉彫が完成すると、
各教室に全員の作品が飾られました。

「他のクラスの作品も、見ておきなさい。」
という先生の言葉もむなしいばかり。一人だけ取り残された気分です。

その時です。
他のクラスに見学に行った友達が走って帰ってきたのは。

「他の組に、アンタの鎌倉彫があった!!!」

「ええええーーーっ!!!ほんま!!??」

友達と一緒に走りましたね。

すると、本当にあったのだよ。私の作品が。

しかも完成され、そこには他人の名前が貼られていたのです。

財布と違って、犯人バレバレ。

先生と一緒に本人に問いただすと、
「すみません。勘違いしたんです。」

と、あっさり白状。
そして、財布もこの子だったのです。

今でも不思議なのですが、あまり腹は立たなかった。
その子が嫌いではありませんでした。
また、その後も嫌いになりませんでした。

ただ、もの悲しいような、淋しいような、仕方ないような、妙な気分。

彼女は同窓会には来ていません。
うわさだと、元気にしているようです。

もし出て来ても、その話は、お互いしないと思います。

  

Posted by キリンさん at 17:42Comments(2)王様の耳はロバの耳