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Posted by みやchan運営事務局 at

2016年02月09日

胸が痛むおはなし。


東京で、大学時代の友達に会いました。
同い年です。

これくらいの年代になると、
共通の心配ごとが出てくるのです。

親のこと。

彼女のお姑さん、何年か前に亡くなられたのですが、
最後はやはり病院のお世話になったのだそうです。

寝たきりになり、会話は出来ないのだけれど、
こちらが話すと視線が動くので、
聞こえてるんだなあと思い、
お義姉さんと二人で、その日の出来事などを、
交代で話して聞かせておりました。

だけど、そこは個室ではありませんでした。

なるべく声を小さ目にと控えてはいたのだけど、
必ず文句を言う人が一人、いたのです。

「うるさいねえ、人の迷惑も考えず。」

80歳くらいの女の人で、
看護師さんの話では、身内の面会が全くない人だとのこと。

ちょっと気の毒だなあと思いました。

だけど、やはりお姑さんに声をかけることは、
やめるわけにはいきません。

だって、話をすると、どこか嬉しそうな表情に見えていたから。

その人に対して肩身の狭い思いをしつつ、
帰りがけには必ず申し訳ありませんでしたと謝りながら、
面会を続けていたある日のこと。

いつものようにお姑さんを見舞い、
うるさくしてスミマセンとぺこぺこ謝りながら、
部屋を出たとき、

いきなりその人の叫び声が聞こえたのです。

「みよこーーー!!!たけしーー!!!まなぶーーー!!!
 誰でもいいから 会いに来てーーーーー!!!!!」

それを、何度も何度も繰り返し叫んでいるのでした。

友達は言いました。

「もう、胸が痛うてな、
 みよこになったろかと思うたくらいや。」

その人の身内には身内で、きっと事情があるのでしょう。
何も知らずに誰を責めるわけにもいかないのです。

ただ、それを聞いた私も胸が痛くなった、というお話なのでした。

(※文中の名前は仮名です。)

  

Posted by キリンさん at 14:54Comments(0)王様の耳はロバの耳