2015年02月25日
ほんとうは、怖いんだ。
昨夜のボイストレーニングの帰り道、
実はちょっと楽しみにしていたことがあります。
それは先週に遡ります。
ボイストレーニングが終わってからの帰り道、
ボンベルタとMICCを結ぶ地下道に差し掛かりました。
階段を下りる途中、思わず足が止まったのは、
ギターの音と歌声が聞こえてきたからです。
ちょっと、ぞくっとしました。
それは切ないラブソングで、いきなり心に入ってきたから。
うわ~~~~~~、上手~~~~~。
私のようなお遊びと違って、
プロと言っても過言ではありません。
歌っていたのは若い男の子で、
ギター一本、切々と語るバラードの調べ。
ぬくもりのある、温かい声でした。
歌いながら彼は私の方をみて、
にこっと笑ってくれたのですが、これがまた可愛い。
(オバサンになったのね、私・・・)
残念ながら、その日は急いでいたのでそのまま帰宅。
そして昨日の夜です。
もしかしたら、またいるのかしら?
どきどきしながら階段を下りてみると・・・・
いた!!!!
しかも増えている!!!!
彼の横にはギターを抱えた可愛い女の子が。
この子もまた、私を見てにっこり笑ってくれたのです。
う~ん、良い子だ。
(オバサンは、これが嬉しいのよ)
男の子が言いました。
「あの、前にも来られましたよね?」
おお!!覚えていてくれたのね!!ますます良い子だ!!
(オバサンは、忘れられるのが淋しい生き物)
どうやら二人とも来たばかりみたい。
そこでオバサンは、いきなりリクエスト。
(いつでもどこでも図々しい、それがオバサン)
「オリジナル曲を歌って。」
それぞれ、きゃあきゃあ言いながら、
でも嫌がらずに楽譜をめくり、一生懸命に曲を選んでくれました。
彼が上手なのは、先週から知ってます。
歌ってくれたのはバラード。
亡くなった、大好きだったおじいちゃんを思った歌です。
私はその人を知らないけれど、
優しそうなおじいちゃんが、ピースサインをして立ってる様子が
ありありと浮かんできました。
切ないラブバラードとはまた違って、
あたたかい気持ちになる素敵な歌です。
NHKの「みんなの歌」みたい。
そして、彼女の歌は初めてです。
なんでもしばらく休んでいて、久しぶりに歌うのだとか。
活動再開の、記念すべき第一曲目だそうです。
「緊張する~~。」
と言いながら歌い始めたのだけれど、
それがまた、おおっ!!と思うほど綺麗で繊細な歌声でした。
それは、夢に向かって行こう、という爽やかな歌。
草原を風が渡るような、若い希望に満ちた気持ちのいい歌でした。
ところが、いいテンポで進む曲の途中で、
一瞬たちどまるかのように、歌が切れました。
そこでゆっくりとつぶやくように入った歌詞。
「ほんとうは、怖いんだ。」
まるで胸がぎゅっとつかまれた感じ。
そうだよね、前に向かって進むというのは、
とても怖いこと。
前に進んでいる人は、
誰でも持ってるその気持ち。
それは若い時代だけではなく、
いくつになっても逃れられないことなんです。
だけど、
怖いのは自分だけじゃない、そう思うと元気になります。
夕べは若い2人から、いっぱい元気をもらった、
そんなキリンさんでありました。
ありがとね。また来週も会えるかな。