2014年12月28日
思わぬ展開

本当は、こんなはずじゃなかった。
ってことは誰にでも何度でもあると思います。
向田邦子さんのエッセイにも、
「Aを目的で行ったのに、結果的にBになるってことが、よくある」
という意味の文章がありました。
お刺身が食べたいなあと買い物に出たのに、
カレーの材料を買って帰る、みたいな。
うちのダーリンが高校生だった頃のお話。
当時、大人気の映画が封切られました。
「タワーリングインフェルノ」と言う題名です。
高層ビルの火災がテーマのパニック映画でした。
出演者が、スティーブ・マツクイーン、ポール・ニューマンという、
大・大・大スター。
それにフェイ・ダナウェイ。
今なら、
デカプリオにブラッド・ピットにアンジェリーナ・ジョリーが揃う感じか?
脇を固める俳優陣も、大物ばかりの超大作です。
封切られる前から大評判で、私も広島に観に行った映画でした。
高校生だったダーリンも、勇んで映画館へGO!
ところが、あふれかえる人、人、人。
とても中に入れそうもありません。
しかたないから帰ろうかなあと考えたのだけど、
せっかく来たのだから、他に面白そうな映画はないかと探しました。
だけど、めぼしい作品はなかったそうです。
そこでふと目を留めたのが、隣で上映されている作品。
それは、やはり封切られたばかりの映画だけど、
聞いたこともない香港映画だったのだそうです。
タワーリングインフェルノと違って、だあれも並んでもいない。
上映開始もすぐだったし、これなら座って観られる。
それだけの理由で、そこに入ることにしました。
そして何気なく観始めたダーリンが、
「なに!?この映画!!!スゴイ!!!!!」
と興奮するのに時間はかかりませんでした。
それが、
ブルース・リーの「燃えよドラゴン」だったのです。
え?知らん?TSUTAYAに走って借りて観てね。
名作だから。
それから「燃えよドラゴン」の人気が沸騰したことは、
ご存じの通りです。
もしもタワーリングインフェルノの方に入れていたら、
こんなタイミングで「燃えよドラゴン」を観ることはなかったでしょうね。
ちょっと羨ましいな。
そういう体験、したいよね。
予期せぬ出来事、思わぬ展開って、
捨てたもんじゃないのでした。