2021年07月28日
ブラック校則

新聞などで、ブラック校則について書いてあるのを読みました。
問題になっているのね。
実は今をさかのぼること50年以上、
我が中学校にもブラック校則がありました。
と言っても、それはうちの学校に限らず、
ほぼ全国的にあたりまえだった校則です。
「男子は坊主頭」
部活を除けば、今はもうないよね、こんな理不尽。
中学校の入学式までに、
男子は全員が泣く泣く床屋さんで坊主にするのが
当然の儀式だったのです。
ところが私が1年生の三学期、
いきなり生徒会執行部が立ち上がり、
この校則撤廃を訴えたのです。
2学期に執行部は新体制になり、
みんな燃えていました。
正直言うと私は、
いくらはむかっても無理じゃろ~、規則は規則。
とあきらめていました。
女子には関係ないし。
でも、役員の一人の男子の訴えを聞き、
心が動いたのです。
「ぼくの頭の、ここを見てください。」
頭の左前方に、小指くらいの目立つ長方形のハゲがありました。
「小さい時の、ケガのあとです。
小学校のときは髪の毛で隠れていたけど、
坊主になって、ハゲが見えるようになりました。」
「入学式のとき、おまえ、ハゲじゃったんか、とからかわれました。」
「男のくせにそれしきのこと、と思われるかもしれませんが、
とてもいやです。
そして、ぼくと同じような思いをしてる人がたくさんいます。」
たしかに、その頃は小さなハゲがある男子は大勢いました。
「ナマハゲ」とか「じゃりっぱげ」とか平気でみんなからかっていました。
「今なら、4月に入学してくる人たちが坊主にならずに済みます。
ぼくは、この校則を変えたくて執行部に入ったんです。」
ほぼ全校生徒が署名したんじゃなかったかな。
学校はそれを受け入れ、全員坊主の校則は消え、
4月の入学式では、男子はみんな髪を伸ばしたままでした。
やれば出来るんだなあと思った、
なんだかとっても誇らしい、そんな記憶なのでした。
Posted by キリンさん at 12:20│Comments(0)
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