2016年10月31日

赤ヘル1975

赤ヘル1975
現実というものは、およそ思い通りにはならないものです。

日曜日にあると信じていた最終戦。

黒田VS大谷という好カード、
しかも黒田にとっては広島での引退のマウンド、
しかもしかも、泣いても笑っても、この一戦で日本一の決着がつく。

さて、広島は勝利の涙に酔いしれることが出来るのか??

というシナリオは、夢と消えてしまいました。ふう。

とはいえ、今年はカープのお陰で楽しませてもらえました。
泣いたり笑ったりの、感動のシーズンでした。

シーズン当初は、リーグ優勝がおろか、
Aクラス入りも危ぶまれていたのですから、
有難うと感謝すべきでありましょう。

そういった意味を含めて、おすすめしたい本がこれ。

『赤ヘル1975』 

著者は、『流星ワゴン』 『青い鳥』 『きよしこ』などなど、
読むと涙があふれ、心温まるという名作の数々を発表されているお方。

1975とは何か?
それは、カープが球団創設以来、初めてのリーグ優勝を成し遂げた年です。

それまでカープといえば、
「1強、4弱、1番外地」などと呼ばれ続け、
(もちろん番外地がカープで1強は巨人)
田舎球団だとか、貧乏球団だとか、
他球団からは、カープ戦で星を稼ぐと大口をたたかれても何も言えなかったのです。

この小説の主人公は、広島市に住む中学1年生の男の子たち。
その子達と、彼らの周りをとりまく大人たちの、
1975年の出来事がつづられています。

もはや戦後ではないと言われながら、
まだまだ原爆の傷が癒えない広島で、
カープがどれほど希望を与えてくれていたのか、
球団の歴史的なエピソードが織り込まれていて、何度も泣けます。

主人公たちの友情にも、心と目頭が熱くなります。

ハッピーエンドかというと、そうでもない。
せつないけど、どこか希望の匂いがする、そんな終わり方なのも、
重松清さんらしい。

これを読むと、今年は日本一になれなかったカープだけど、
きっといつかは再び日本一に輝く日が来るに違いない、と信じられるのです。

1975年は、日本一を逃してるけど、
4年後には勝ってるからね。

もっとも、小説の中にはそのことは出てこないのだけど。

とにかく、カープファンの人はもちろん、
そうでない人にも、絶対にお勧めの一冊です。

詳しい内容は紹介しませんので、
是非とも読んで、新鮮な気持ちで味わってください。


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Posted by キリンさん at 15:06│Comments(0)王様の耳はロバの耳
 
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