2014年09月19日

先生は神主さん

先生は神主さん
高校教師、それは甘い響き・・・・。
なんてことはなかった。

漫画やドラマだと、先生との恋愛がテーマの作品が多々あり、
素敵~と思ったりもしますが、現実は違うものなのだ。

とはいえ、個性的な先生は大勢いらっしゃいましたよ。
こないだ同級生たちと会ったとき、
高校のときに習った先生の中に、東大卒が3人いたという話になりました。

その中のひとり「ハナダ先生」は、定年間近の世界史の先生でした。

試験がユニークで、
年代だけを問うものやカッコ内の穴埋めなどはなく、
たとえば「フランス革命を説明しなさい」とか、
「十字軍について説明しなさい」といった、
小さな論文を書かせるようなものばかり。

細かい部分が合ってなくても、
先生が内容に納得すれば、〇がもらえるのです。

答案を返してもらったとき、友達が驚いて言いました。

「うち、年代を忘れたけん、大昔、ゆうて書いたのに〇じゃった!!!」

ハナダ先生は優秀な先生に違いないのだけど、
教頭でも校長でも主任ですらない、ヒラの先生だったのですが、
それには訳がありました。

うちの高校をこよなく愛していたので、転勤を断り続け、
出世を棒に振ったのだそうです。(県立)
私の叔父や叔母も、ハナダ先生に教わったというから、我が校一筋なのです。

ま、家から近くて便利だったという説もあるのだけど、
私は愛情説を信じたいところ。

それよりもハナダ先生が普通の先生と違ったのは、
何を隠そう、先生は神主さんだったのです!!

私のおばあちゃんの家からちょっと歩いたところにある、
小ぢんまりしてるけど、とても落ち着く大好きな場所、
そこが先生の第二の(いや、こっちが本職か?)職場兼住居でした。

境内には天然記念物の大きな楠が繁っており、
この木の兄弟木は、宮島の大鳥居に使われたのだそうで、
切株が残っております。

さっき調べるまで知らなかったけど、
明治時代に三つの神社が合祀されて出来たのだとか。

その中の1つは、1000年ほど前からあるそうで、
豊前宇佐八幡宮の流れを汲むらしいのです。

どうやらハナダ先生は、直系の宮司さんらしくて、
またビックリ。

でもね、秘密だけど、おばあちゃんの家での先生の評価は、
「大酒のみ」なんです。

酔っぱらって、
お宮の横にある側溝に入り、
水を被りながらいい気もちで歌を歌っていたりしたんだって。

そして、私の中の思い出はと言うと、
やはり授業中のこと。

どういう流れかは忘れたのですが、
ハナダ先生が、たった一度、奥さんを殴ったという話をされたのです。

それは、先生の次男(実は私の同級生)が小さいころのこと。

台所でいきなり悲鳴と鳴き声がしたので、あわてて駆けつけてみたら、
ひっくりかえった鍋の横で子供が鳴いており、
どうやら中身を被って火傷した様子。

奥さんが
「ごめんなさいっ!!」
と言うのと、先生が奥さんを思いっきりひっぱたくのと、同時だったそうです。

あわてて医者に連れて行き手当をしてもらったところ、
たいしたことはなくて、キズも残らないと言われたので一安心。

帰り道、後からついてくる奥さんを振り返らないまま、

「痛かったか?」
と聞くと、奥さんは、

「いいえ、ちっとも痛くありませんでした。」
と答えられたのだと。
先生はそう話したあと、嬉しそうにニンマリされたのでした。

余談ですが、
京都の予備校に行ったときの話。
ハナダ先生の授業ノートは友達の間で引っ張りだこでした。

「どの参考書よりもスゴイ」と。

先生がスゴイという話はもっとあるけれど、
長くなり過ぎるので、またの機会に。

それでは皆様、楽しい週末をお過ごしくださいね。


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Posted by キリンさん at 16:06│Comments(0)王様の耳はロバの耳
 
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