2014年03月11日

恋話(こいばな)。

恋話(こいばな)。


いくつになっても、恋のお話には胸がときめきます。

薔薇やカサブランカみたいに咲き誇るものより、
画像の花ほどの可愛らしいお話が好き。

「私はここでアナタをお慕い申しておりますのよ。」
的な。

「ひっそり咲いて、アナタが摘んでくれるのを待っているのよ。」
みたいな。

え?今時そんなのない?
あっそ。

若い人の恋のお話はリアルタイムでドキドキするけど、
年上の人の思い出話というのも、
なんだか感慨の深いものであります。

いや、私の話じゃないから。

私が20代のころ、友達のお祖母さんの恋話を聞きました。

70代のお祖母さんの、若かった頃の話。

「裏に下宿しとった学生さんと、お互い好きになってしもうたんよ。」

へえ~~。

「ほいで、そこの木戸の裏で、初めて接吻したんよ。」

せ、せっぷん!!!

「それからは毎日ぽーっとなって、井戸で水を汲むときなんか、
 その人のことを考えようたら、
 つるべを落としてお母さんに怒られたりしたんよのう。」

私たちはそれを聞き、
桃割れに結い、着物にたすき掛けの女の子が、
井戸端で頬を染めてる様子を見たような気がしたものです。

結局それは大人の知るところとなり、
二人は引き離されてそれっきりだったそうですが。

母の話も聞いたことがあります。

父ちゃんと結婚する前の話。

母は若い頃、とてもモテたらしいのです。
それは色んな人から聞かされたし、
未だに法事で親戚の人から

「あこがれの人じゃった。」
と言われるくらいだから本当みたい。

そんな母が二十歳のころ、
ある男性と恋愛中だったという話を聞かされたのです。

だけど、別れてしまった。
何故か?

「お母ちゃんの他に、その人を好きじゃ言う人がおったんよ。」

ええっ、三角関係ですかい?お母さん。

その彼女が、ある日訪ねてきたのだとか。

母の実家は藁葺きの農家で、
時代劇に出てくるような感じのお家でした。

そこの、床の間のある部屋に彼女を通した母が、

「何の話ですか?」
と切り出したところ、その人は、

いきなり畳に頭をこすりつけるようにして、
「あの人と別れて下さい!
 石田さん(母の旧姓)より私の方が、ずっとあの人を好きじゃと思います!!」
と、号泣したんですって。

その様子を見ながら母は、そうかもしれんと思ったそうです。

「あげます。」

と言い放った母は、それっきり彼氏とは会わなかったのだとか。

いや~、どんな人にも恋のお話ってあるもんですね。
あなどってはいけませんよ。

さて、今週の金曜日から金沢へ行きます。
それまで頑張ってお仕事だ!!


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Posted by キリンさん at 11:50│Comments(4)王様の耳はロバの耳
この記事へのコメント
敵(?)に正面切って言いに行った彼女も強いですけど、
お母様の気っ風もすてきです

金沢、寒いでしょうから風邪にお気をつけて楽しんでらしてくださいね!
Posted by Bebe at 2014年03月11日 14:21
Bebeさん

昔の女性は強かったのでしょうか。
ケモノのにらみ合いみたいな。

金沢に行く前に風邪ひかないよう、
そこを重点的に頑張ります。
Posted by キリンさんキリンさん at 2014年03月11日 16:46
「お慕い申し上げます」という表現がとても好き。
なんというか、距離感が絶妙な気がして。

にしてもお母様はスゴイ。
きっと僕の学生時代も
裏でそんなやりとりがあったに違いない。
彼女が出来なかったのは、
きっとお互い気を遣っていたに違いない。

こう見えて、モテル男も辛いんですよ。
Posted by pia masapia masa at 2014年03月11日 22:59
pia masaさん

今時ないよね、奥ゆかしい表現。
言われたことないから憧れるのですね。

アナタの学生時代に何があったのか。
きっと妄想全開だったのでしょうね。
思い込んでしまえば幸せですよ、きっと。

だから大丈夫。(優しいまなざしで)
Posted by キリンさんキリンさん at 2014年03月12日 00:56
 
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    コメント(4)