2014年01月29日

ザ・タイガースの思い出:その2

ザ・タイガースの思い出:その2


昨日の予告もありますので、
しつこくタイガースのお話をさせてください。

それは私が小学校6年生のときでした。

場所は友達のヒラヤマさんの家。
私は前から貸してあげると約束した「りぼん」を持ってきて、
そのかわりに、ナンシー・ドルーという少女探偵の本を
読ませてもらっていました。

一心不乱に本を読む私。
背中から、ヒラヤマさんの声がしました。

「りぼんのアンケート、書いたん?」

読書中には、いかなる音も耳に入らない私。
意味も考えずに
「うん。」

ここで言うアンケートとは、
漫画雑誌に必ずついている、読者アンケートのことです。

アンケートに記入して編集部に送ると、
抽選でプレゼントがもらえるのでした。

私はめったにアンケートに記入しない子供でした。
プレゼントがあたるなんて信じてなかったから。

それなのに「うん」なんて、いいかげんなものです。

なのに、なのに、にも関わらず、

「書いとるじゃない!!」

「うん。」

「えっと、グループサウンズは好きですか?」

「うん。」

「へえ,
 好きじゃったんか~。」

「え?」

そこでやっと我に返った私。

日頃から、グループサウンズに興味などないと公言していたのです。
理由は昨日のブログに書いたように、
低俗というレッテルを勝手に貼っていたから。

だけど、その月の「りぼん」の読者アンケートは、
景品が抜群に良かったのですよ。

だから、いつもは書かないアンケートも書いたし、
グループサウンズが嫌いと書いたら当たらないような気がして、
ウケるように浅知恵を働かせ、
「好き」に〇をつけた次第。

「好きなグループは?」

「わーーーっ!!!やめて!!」

止めても聞くようなヒラヤマさんではなかった。

「ザ・タイガース!!」

「わーーーっ!!」

「グループの中で、誰が一番すきですか?」

「やめてっ!!」

「ピー!!わはははははは。」

「ぎゃー!!」

「どうしてですか?」

「やめて!!」

「可愛いから!!ぎゃははははは。」

そうです。
ウケをねらってアンケートに答えながら、
実は本音であったことを、私は知っておりました。

ザ・タイガースはかっこよかったし、
ドラムのピーが好きでした。
昔から二重まぶたのパッチリ目よりも、
つぶらな瞳がタイプなのです。

顔を真っ赤にして本気で怒り、口もきけずにいた私。
笑い続けるヒラヤマさん。

だけど、ヒラヤマさんの笑いも少しずつ静まってきました。

そしてしばらく沈黙する二人。

先に口を開いたのはヒラヤマさんでした。

「うちは、トッポが好き・・。」

えっ??たしかヒラヤマさんも、グループサウンズは嫌いって・・。

「歌もええよね。」

「うん、ええよね。」

なんとなくクスクスと二人で笑いあい、仲直りしたのでありました。

それが、もう一つの思い出なのです。

読んでくれてありがとうございました。
おそまつさま~。


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Posted by キリンさん at 18:51│Comments(0)王様の耳はロバの耳
 
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