2013年10月22日

全力少女

全力少女
子供の頃は、誰しも同じでしょうが、
全力で生きてました。

小学校の頃、私は宿題が苦手でした。
宿題を解くのが苦手なのではなく、
いつしていいかわからなかったのです。

毎日のように
「やってません。」
と答えるのですが、本当のこと言うと、子供心にそれは辛いことでした。

2年生のある日、
さすがに「やってません」と言えず、

「ノートを忘れました。」
と嘘ついたことがあります。

先生は、お見通しだったのでしょう。

私をじっと見つめて、
「じゃあ、放課後取りに帰りなさい。」
と言ったのです。

げっ!!!!

私の家は、学校のすぐそばにあって、
子供の足でも10分あれば十分往復可能な距離です。
イヤとは言えませんわね。

さて、放課後です。
チャイムが鳴ると同時に家へと走る私。

帰ったら、すぐに宿題をやって持って行かねば!!
先生にバレないうちに!!

ところが、家に着いて、しまったと思う。

「ノートがないっ!!!!」
そうでした。
ノートは最後のページまで使ってしまっていたのです。

買いにいかねば!!!

しかし、お金がないっ!!!!

当時、うちの母は小学校の横の水道局に勤めていました。
そこへ向かってひた走る私。

母にノートを買うからとお金をもらう。

もらった小銭をにぎりしめて文房具屋さんへ、走る走る。
そしてノートを買いました。

このあたりで、
もう誤魔化すのは無理なんじゃないかと
子供ながらにチラッと思ったのですが、
ここまできたらやめるわけにはいきません。

そして家へとまた走り、
教科書とノートを広げ、問題を解く。

簡単だったので、そこは苦も無くスルスル解く。

それから学校へと走り、職員室へ向かう私。
学校の中は、走っちゃいけませんから、速足で歩く。

「先生、持ってきました!!」
息を切らしながら、振り乱した髪もなおさずノートを渡す。

先生はあきれた顔で言いました。

「あのね、やってなかったんじゃろ?」

バレたか。そりゃあな。

「・・・・・・はい。」

「やってません、と言うて、帰らずに学校でした方が早かったと思わん?」

「・・・・・はい。」

「それよりも、昨日のうちに家でやったら、もっと早かったと思わん?」

「・・・・はい。」

「今日から、宿題やって来ようね。先生と約束よ。」

「・・・・はい。」

その時は、本当に本当にそう思ったのです。
ですが、その約束が守られることはなく、
翌日からもまた、その場しのぎの嘘をごまかすため、
全力で走る日々が続いたのでありました。



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Posted by キリンさん at 18:36│Comments(4)王様の耳はロバの耳
この記事へのコメント
何だか、ちびまる子ちゃんのワンシーンのよーな過去の想い出にクスクスと笑いながら読んじゃいました(*´艸`*)
母に言ったら大笑いしそうだなー
Posted by さちょりん at 2013年10月22日 21:16
写真は先生?
きゃわゆい(๓´罒`๓)
Posted by さちょりん at 2013年10月22日 21:17
あります。あります。宿題の苦い思い出。


宿題、忘れたんです。小三でした。いつもは忘れないのに、その日だけ。
で、優等生ぶりっこな私は「忘れた」と言えず。忘れた人は手を挙げなさいと言われ、挙げませんでした。

でも先生はお見通しだったのでしょう。授業中(国語の教科書に載ってる話の感想をまとめる宿題でした。)、私を指名し、宿題を発表しなさいとおっしゃいました。(普段は必ずといっていいほど私が当たることはなかったのに。)


私の最も得意とする国語。(当時は。)
自他共に、感想文といえば 私 みたいな空気もありました。
なので、
ゆっくり立ち上がり
ノートのページをめくり
そこに書いてあるふりをしながら、即興で(?)感想を述べました。


まあまあの出来だったと記憶しています。即興の割には、淀みなくスラスラと、素直なよい感想が言えた と。

でも、そんな小賢しさが先生の鼻についたのかも知れません。
その書いてある感想を今、見せに来なさい ともおっしゃいました。(普段にはないことです。)

万事休す。

ノートを閉じ、書いた箇所を探すふりをして
「えっと…どこに書いたか、わからなくなりました。」とトボける私。
あの口の中がジャリジャリして、首筋にジトッと汗をかいた嫌な感じが忘れられません。

結局は授業の後に提出することで決着しました。



今、思えば、先生も意地悪ねぇ。見逃してよ~ なんて思いますが。
よっぽど私は嫌われでいたんですね(^^;
Posted by いち at 2013年10月22日 23:16
さちょりん

そう、写真の天真爛漫そうな少女は私です。
この頃から腹の中は黒かったけど。

だけど一生懸命に生きていたのよ。
わかってね。
一生懸命って、けっこうネタを生むのです。


いちさん

それはそれは、なんて緊迫したやりとりでしょう。
貫き通した姿勢はスゴイわ~。
ほめてあげたいですね。

先生はちょっとイケズですな。
見逃さないにしても、
はっきり指摘すればいいのに。

うちの先生はいい先生でしたよ。
大好きでした。
どうやったら
クラスで一番好かれるか、必死で考えたものです。

が、宿題はしなかった(ダメじゃん)。
Posted by キリンさんキリンさん at 2013年10月23日 12:56
 
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