2012年12月14日

きみが思うより、世界はずっときみに優しい

きみが思うより、世界はずっときみに優しい


タイトルを見て、
そんなこと、あるかいっ!!!
とお怒りの方もあるでしょう。

時として、裏切りに合うこともあります、確かに。

でも私は、そう思って生きてます。今は。

今は、ってことは、
そう思ってなかった過去があるわけですね。

中学のとき、
土曜日の部活帰りのことです。

平日よりも早い時間ですから、
ちょっと遊ぼうと思えば遊べないことはない。
微妙な夕方。

校門を出ると、みんなはワイワイ話しながら左に曲がります。
同級生も後輩たちも、みんな一緒。

私は右に曲がります。私だけが右なのです。
家がそっちなんだから、しかたありません。

私はなんだか、仲間はずれのような気分になりました。

「お好み、食べて帰る?」
「いや、今日はもう帰るわ。」
そう答えたのはノリちゃん。

ほかのみんなも
「帰るわ。」
と言うのです。

淋しさがつのった私はノリちゃんに、

「今から遊びに行ってもええ?」
と聞きました。

「いや~、はあ(もう)夕方じゃけん、今日はダメ。」

しょうがないので、とぼとぼ一人で右へ帰った私。

月曜日のことです。
その時、左に曲がった後輩の一人が、

「あの~、あのあと、ノリコさんの家にみんなで行ったんです。」
申し訳なさそうに、言いました。

ノリちゃんは笑いながら、
「ごめんね。あのときは、ほんまに帰ろう思うたんよ。ほんまよ。」

後輩や同級生も
「ほんまよ。」「ほんまですよ。」

「ノリちゃんの家の前を通ったとき、
 ちょうどオバサンが出てきて、
 暑いけんカルピス飲んで行く?言うちゃったんよ。」

その一瞬、私は世界中を呪いましたね。

自分だけ家が別方向の山の下にある現実や、
たまたま出てきたオバサンも呪いました。

みんなもみんなだ!!
私が遊びたがってるのを知ってて、
よくそんなことが出来るわね!!!!!

この世の中には私の味方はどこにもいないんだーーー!!!

なんて。

呪っているうちに、
きっと、みんなで私を笑ったんだろうな、なんて考えが浮かんできました。
可哀想じゃったね、とか言いながら笑ったに違いない。

いや、ツカサがおらん方が楽しいねと笑ったかもしれない。
悪口もいっぱい言うたろうなあ。

不器用なとか、ミシンが下手じゃとか、大食いじゃとか、足が短いとか、尻がデカイとか。

私なんか相手にされんのじゃ。
きっとみんな私が嫌いなんじゃ。

いつもみんなで私の悪口言うたり、
馬鹿にしたり、しょうるんじゃ。

と、悲壮な孤独感はつのるばかり。

もし今の私がそこにいたなら、

「それは全くの被害妄想。」
そう言ってあげたに違いないのですが。

それからも、そんなことやこんなこと、
傷つくことは多々あったけど、
今思い返せばほとんどが自分の勝手な思い込みでした。

それもみんな
この頃になってやっとわかって来たのです。

本当はみんな私に優しかったのに。
秘密にしとけばわからないのに、
ちゃんと謝ってくれてたのに。

人間は、自分で自分を傷つけることの、
なんて多いことか。

自分で思うより、世界はずっと自分に優しいのに。


同じカテゴリー(王様の耳はロバの耳)の記事画像
おもかげ
忘備録 嬉しかったこと
もうすぐブログ開設15年・・か?
いつか読書する日
頭隠して尻隠さず
猫は木に登るものなのだ
同じカテゴリー(王様の耳はロバの耳)の記事
 おもかげ (2025-01-11 10:46)
 忘備録 嬉しかったこと (2024-06-25 14:44)
 もうすぐブログ開設15年・・か? (2023-10-18 18:30)
 いつか読書する日 (2023-01-25 12:21)
 頭隠して尻隠さず (2022-08-31 10:48)
 猫は木に登るものなのだ (2022-08-25 11:20)

Posted by キリンさん at 15:23│Comments(6)王様の耳はロバの耳
この記事へのコメント
下手の横好きで子供服作り(ミシン)に精を出す私が降臨です。一向に上達しません。何故ですか。(キリンさんにキレても…。)


えぇ、世界は思ったのより優しい。頑張りは結構報われる。
そう感じたのは世間に出てからです。
それまでは(特に中学校を卒業する頃なんか)目の前の大海原が怖くて怖くて。
「社会は厳しいっていうけど、どんなもんなんじゃろうか」
「社会で生きていけないって、どういうことなんじゃろうか」
と怯えておりました。

しかし、田舎特有の世間の狭さ?感覚?にもウンザリしていて、どこか遠くへ飛び出したいとも感じていました。


そうして振り返る今、私も『優しい世界』の一欠片でありたいです。



あ、子供の口内炎に効く漢方って あります?
Posted by いち at 2012年12月14日 16:26
いちさん

私も編み物が好きだから大丈夫。
(フォローになるのか?)

優しさに気づかない、
神経むき出しなシーズンですからねえ。
振り返ると痛々しいような、いじらしいような。

とりあえず、経験に育てられますね。

子供の口内炎の漢方薬、
いろいろあります。
原因によって種類が違いますよ~。
Posted by キリンさん at 2012年12月14日 17:22
ホントですね
中学の頃は特にそうだったかもしれません
自分がいないときの事とか気になっては、勝手に悩んで
今でもたまにそんな風に自分を貶めたりしちゃうのは、年だけ取ってまだまだ大人になってない証拠ですね
優しい世界の方に自分もいたいです
Posted by Bebe at 2012年12月14日 22:31
あるある、そういう被害妄想。
僕がいない時に、変態とか言われてるんじゃないかと
気になって気になって仕方なかったんですけど、
被害妄想だということが分かってホッとしました。

あ、僕はもちろん、優しい方の世界ですから。(変態に)
Posted by pia masapia masa at 2012年12月14日 23:36
世界は優しい…かぁ。

この卑屈になってしまうのは、今でも時々あるので、まだまだだなぁと思います。
Posted by 愛・3・☆ at 2012年12月15日 13:34
Bebeさん

中学・高校と、
穴があったら入りたいようなことが多々。
ほとんどが
アホらしい思考回路のせいで
しょっちゅう自爆してましたわ。

でも、そこを通らなければ
大人になれないような気がします。

余裕があれば優しくできるのかも。
いつも余裕を持ちたいものです。


pia masaさん

大丈夫です。
そんな心配しなくても、
アナタがいてもいなくても、
変態って言ってますから。

自信持って。堂々と。

アナタが変態だからって、
誰も非難しませんわよ。
世界はアナタにも優しいのです。はい。


愛・3・☆さん

いやいや、
そういう私も時々ふと心に陰がさすことはあります。
ひがみっぽくなったり、
自分だけが孤独みたいな。

でも過去の経験を振り返って、
オマエは思い込みが激しいんだから、
考え直してごらんと言うようにしてます。

まず自分が自分に優しくなければ。
Posted by キリンさんキリンさん at 2012年12月16日 10:21
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
きみが思うより、世界はずっときみに優しい
    コメント(6)