2012年12月06日

映画にもいろいろある。

映画にもいろいろある。


やっと念願の映画を観ることが出来ました。

「桐島、部活やめるんだって」
ここでパンフレットを見直したら
「桐島、部活やめるってよ」だと判明。とほほ。

私は大好きです、この映画。

内容を知りたくなかったので、
下調べなしで臨んだ私。

それでも頭の中では、
部活をやめようとする桐島を、
クラス一丸となってなだめたり励ましたり、
そんな想像をしていたのですが、

大違いでした。私の頭の中って、陳腐なのね。

確たる主人公のない群像劇なのですが、
登場する高校生達のどうにもならない心情が、
ひりひり伝わってくる感じ。

高校生の頃、
楽しい思い出もいっぱいありましたが、
日常と言えばそれは暗いものでありました。

高校の頃の思い出は、
夏の日の木漏れ日のような感じ。

日差しが強いだけ陰は濃い暗闇の中。
そこにちらちらと差し込む強い光。

明るいんだか暗いんだか、
深く沈んだかと思うと天高く舞い上がったり。

色んな人がいて、色んなドラマがありました。

「あの子、大学に行かんのじゃと。」
「うそ、成績ええのに?」
「お父さんの会社、つぶれたらしいよ。」

「オマエ、あいつと付き合うんか。」
「うん。」
「あいつ、本気なんじゃけん、ええかげんな気持ちならやめてくれえや。
 傷つきやすいヤツじゃけん。」
「・・・・・・。」

「あの子、Hくんと手つないどったよ。」
「うそお、いつも悪口ばっかり言ようたのに?」
「わからんもんじゃねえ。」

「アンタ、部活ないけん早う帰れてええね。」
「アンタこそ、部活があるけん遅うまで家に帰らんでええけん、ええね。」

「あいつ、最近電車に乗らずにバスに乗るらしいんよ。なんでじゃろ。」
「アンタと顏を合わせとうないけんじゃと。うちと付き合ようるんじゃ・・。ごめんね・・。」

「死にたい。」
「うちも死にたい。」
「どうやって死ぬ?」
「う~ん、どれも痛いよね。」
「痛いんか・・・死ぬん、やめようか。」
「うん、やめようか。」

「ラブレターがきた。」
「えええ~っ、なんて書いてあった?」
「金曜日の放課後に教室で待っとるって。」
「ほいでどした?」
「いや、届いたんが土曜日じゃったんよ。」

「きんぴらごぼう、嫌いよ。」
「アンタが好きなあの子は好きじゃってよ。」
「ええ~~~、結婚出来んね。」
「いや、付き合うてもないし。」

「先生に、なんで授業をさぼるんか言われた。」
「何て言うた?」
「授業を受ける意味がわかりません、言うた。」
「先生、なんて?」
「ふざけるな!いうて怒鳴られた。」
「ええ~!!あの優しい先生が????」
「うん。嬉しかった。今度から授業に出るわ。」

「あの子、さっき教室で彼氏に別れる言うて泣きようたよ。」
「ウソ泣きじゃろ。」
「たぶんね。新しい彼氏、おるし。」
「涙出そう思うたら、いつでも出せるんじゃと。」
「負けるわ。」

「アンタ、漫画うまいね。」
「ありがと。」
「こんなに上手な人は初めてみたわ。漫画、ちゃんと描いてみせて。」
「うん。」

キリがないのでやめますが、
昨日の映画は、
そんな過去の記憶をズルズルと引っ張り出して
私を夢の中に誘うのでありました。

映画にはいろいろは種類のものがあって、
見終わったあとスカッとする活劇や喜劇も大好きなのですが、
私はやはり後を引くものが好き。

忙しさにかまけ、なかなか映画館に行けない私ですが、
興味を引くものは、
見逃さずに映画館に足を運ぼうと決意した昨日の夜でありました。


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Posted by キリンさん at 12:27│Comments(5)王様の耳はロバの耳
この記事へのコメント
地域によって、公開時期が違うこともあるんですね。

野球部を辞めるとか辞めないとか…そんな話かと思ってたけど。なんだか、キリンさんのブログを読んでると、そうじゃないみたいですね(;´д`)

久しく、映画館には私も足を運んでいません。多分、最後に観たのは、This is itだったような…。
Posted by 愛・3・☆ at 2012年12月06日 19:41
ご無沙汰~。

私、この映画見たんですよ。(一人でだよ)でもキリンさんが見る前になんかコメントしたらアカンと思って今までがまんしちょりました。

私はすっごく好き!
でもこれを好きだと思う人は少ないだろうと思う。特に何かが起こるでもなし、高校生の日常だもんね。
でもセリフ一つ一つがほんとに自然に出てる感じがして今の高校生ってこんな感じなのかなーとわが子の高校時代を思い浮かべました。一つのクラスの中が=全世界みたいなところもあり その中で 裏切り へつらい 陰口 媚 いやいや 必死 ・・あらゆる感情が渦巻いていてねー。

映画部の部長(?)おもしろかった!
「俺 昨日 満嶋ひかり見たよ」
「まじでー!!」
「夢で、だけど」
のところが一番ウケました。

結局 桐島は最後まででてこないし へんな終わり方だったけど。絶対一般受けはしなさそうだけど。なんか 心の琴線に触れたなぁ・・・

それにしても桐島のカノジョはきれいだった・・・
Posted by 藤本さとみ at 2012年12月06日 21:34
何かの賞をとった(直木賞だったかな?うろ覚え…。)本の映画化ですよね(o^∀^o)
内容は不条理劇みたいな感じだと聞いております。『ゴドーを待ちながら』のように、肝心のゴドー(桐島君)は出てこないまま話が進む という。
あ、ネタばれスミマセン。好き嫌いの分かれる映画でしょうか。



確かに、青春時代の真っ只中は苦しかった~。ウンウン。
でも箸が転がっても可笑しくて、笑いすぎて息も出来ず、道端でノタウチ回ったこともあり。

戻りたくはないけど、覗き見たい自分の青春。
Posted by いち at 2012年12月06日 21:35
僕もやめる部員を止める話かと思ってました。
てっきり若者向けの映画なのかと。
なんか思ったよりオトナの胸が痛みそうな映画ですね。

学生時代かー楽しかったなー。
当時の話したなんかこと思い出すと
キュンキュンする40歳。
裸でランナウェイ。(警棒で打たれながら)

久しぶりに映画行きたくなって来ました。
Posted by pia masapia masa at 2012年12月06日 22:49
愛・3・☆さん

うん。公開時期は地方で違います。
宮崎なんて、
目をつけてた映画が来ないこともよくある。

それでも
今回のように忘れた頃にやってくることもあって
油断は出来ませんが。

桐嶋で始まるタイトルだけど、
内容はもっと別もの。
是非ご覧くださいな。


さとみさん

お久しぶりですね~。
一人でも好きな映画を観に行くってとこが、
さとみさんらしくていいわ。

私もそこ好き。
笑いました。

あと、
体育館で映画のタイトルを発表されるとこ。
おかしかった。

ちょっと泣きそうな気分になったのが
映画を先生から止められたとき、
部長の友達が

「撮ろうよ。
 おれ、けっこう盛り上がってんだよ。」
(ちょっと違うか。正確に覚えられん)
と言うとこ。

どの人物にも共感できるのは
年取ったからかなあ。
それとも「映画が上手いのかしら。

ヘンな映画ですが、
私も大好きです。

桐島の彼女はたしかに綺麗でした。
羨ましい。


いちさん  

すばる新人賞かなんかじゃなかったか。
大学に在学中の作者が書いた。

好き嫌いは分かれるでしょうね。
でもいいの。
私が好きだから。

青春時代の真ん中は
道に迷っているばかりなのだ。

でもネタの宝庫なので
ときどき振り返るのでした。


pia masaさん

学生時代はキラキラしてますよね。
結構どろどろもしてるけど。
ああそれが青春。

これは普通の学園ドラマではなかった。
それだけに残るものがありました。

裸で走るのは
ヒマラヤの上あたりでどうぞ。

映画、行ってください。
楽しいよ。
Posted by キリンさんキリンさん at 2012年12月06日 23:49
 
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