2012年08月07日

さよなら子供たち

さよなら子供たち


大好きな映画のタイトルです。

夕べ、NHKのBSで放映されました。

1944年の、フランスが舞台です。
主人公は寄宿学校にいる12歳の男の子なのですが、
これがまた、この年齢だけに許される魅力というか、
ぎりぎり子供という瀬戸際の繊細さが、
素晴らしいのです。

映画は、
この男の子の寄宿学校での生活が、
抑えたトーンで淡々と綴られていきます。

実はフランスはナチスドイツに占領されている時代で、
この映画は反戦映画なのですが、
戦闘があるでもなく、空襲があって防空壕に入るシーンでも、
その中では普通に授業が行われ、
あまりにも普通に時が過ぎていきます。

もしかしたら、
展開の地味さを退屈と感じる人がいるかもしれません。

ですが、静かなだけに、
主人公や友達などの心の機微というものが、
切々と伝わってくるのです。

主人公は裕福で優秀な、恵まれた子供です。
ある日、突然入ってきた、自分より優秀な気になる同級生が、
ユダヤ人であることが、少しずつわかってくるのだけど、
それも小さなエピソードを重ねてのことで、
激しく問い詰めるようなシーンはありません。

日常の出来事だけで、
色んなことが沁みるように伝わってきます。

ドラマをみていて、
自分と似たような環境の人物に、
感情移入するのは、たやすいことです。

だけど、
こんなに国も時代背景も性別も違う、
何一つ重なることのない主人公に気持ちが重なるとは、
やはり優れた作品だからに他なりません。

とにかく、男の子がいい!!!
みんなに見てほしい!!

それから、ちょっと驚いたのが、
この作品が発表されたのは1987年だということです。

もっと古いと錯覚していました。

日本では、マルサの女とか、私をスキーに連れてってとか、
いわゆるバブルの時代なのですよ。

監督のルイ・マルは、
実体験をベースにしたそうですが、
バブルの頃に、この静かだけど反戦を強く訴え掛ける作品を発表したのも
意味があったような気がします。

とにかく観てほしい。
私もまた繰り返し観たい作品の一つです。



Posted by キリンさん at 16:41│Comments(5)
この記事へのコメント
その時代の話ワタシも大好きです。
アンネの日記とかも真剣になりきって
読みました^^

平和で頭がおかしくなっている時に
そんな映画を公開するっていいですね。

今の子供たちにも若者にも
たくさんこんな映画を見てほしいですよね。

ていうか
ワタシんちBS見られない・・・・^^;
Posted by 日向庵 at 2012年08月07日 17:26
日向庵さん

BSダメでしたか。
DVD借りてね。観て損にはならんよ。

アンネの日記もいいですよね。
映画も良かったですよ。

ただ、この映画の方が好き。
だって、男の子がいっぱい出てくるんだも~ん。(男好き)
Posted by キリンさん at 2012年08月07日 18:27
昔は派手な映画ばっかり見てたんですけど、
いつからか静かな(?)映画の良さがわかるようになりましたよ。
この映画は見た事ないですが、
「かもめ食堂」とか好きですね~

でもアレですね。
一般目線の戦争映画とか語りは大事ですよね。
こういうのが学ぶキッカケになるとイイですね。

ちなみにうちもBS映りません。
Posted by pia masapia masa at 2012年08月07日 21:37
きっと観る。

そんな年代の子が
おるわけなんデス、うちに。
( ̄^ ̄)ゞ
Posted by rue at 2012年08月07日 21:37
pia masaさん

かもめ食堂もいいですよね。
風景やキッチンの中や食べ物や、
とても魅力的。

この映画、いいですよ。
ホモ気をくすぐらなければいいのですが。

BSダメですか?
面白い番組はほとんどBSのような気がします。
メカ苦手だけど関係ありません。


rueさん

絶対に観てね。
きっと色々と感じるところがあると思う。

ご家族で是非。
Posted by キリンさんキリンさん at 2012年08月08日 01:03
 
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    コメント(5)