2012年07月27日

喜びも悲しみも

喜びも悲しみも


彼女と最後に会ったのは、
桜の花が散ってしまった頃でした。

彼女とは、私の主人の従姉妹のこと。

4月のある日、彼女のご主人の訃報が届き、
その時にちょっとだけ、会いました。

本当はゆっくり言葉を交わしたかったのだけど、
実家の父が亡くなったので、
そっちに行かなければならなかったからです。

心残りでした。

彼女は私と同い年。
ご主人は高校のときの憧れの同級生で、
30代の後半になって、
やっと実った恋だったのです。

今から実家に帰るという私をねぎらいつつ、
笑顔で泣いていた彼女は、
とても小さくなっていました。

私は初めて彼女に会ったときから、
彼女が大好きでした。

明るくユーモアにあふれ、それでいて繊細な人。
友達になりたかった。
色んな話をしたら、きっと仲良くなりそうな、
そんな予感がありました。

だけど彼女は東京に住んでいるので
あまり会う機会もなく、
ゆっくり話すこともないままでした。

それでもいつか、親戚なんだし、
きっと縁が繋がるときがあるだろうと思い、
私はあまり急がなかったのです。

その彼女の訃報が入ったのが夕べのこと。
ご主人を亡くしてまだ4ヶ月足らず。
まるで後を追いかけるかのように。

私は激しく後悔しています。
大事な友達になったかもしれない人。
なんで何十年も時間があったのに、積極的に声をかけなかったのか。

「いつか麻雀しようね。
 いつか飲みに行こうね。」

果せない約束だけが残りました。
残念でなりません。


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Posted by キリンさん at 13:08│Comments(0)王様の耳はロバの耳
 
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