2011年06月15日

昔の恋のお話

昔の恋のお話



朝のNHKドラマを観ています。
「おひさま」というタイトルで、
(しょっちゅう間違えて「ひまわり」と言ってしまうが)
今は第二次世界大戦中。

ヒロインの夫も、兄弟も出征中という厳しい時代です。

それを観ながら、
昔の恋のお話を思い出しました。

それは友達の叔母さんの物語です。

最初に聞いたのは、高校生の時でした。

叔母さんは、昔とても好きな人がいたのだと。
その人と婚約して、式を待つばかりだったのだけど、
時は二次大戦の真っ只中。
いつ赤紙(出征命令)が届くかわからない。

不安な中、
果たして彼に赤紙が届いたのでした。

出征前に式を挙げましょう、
妻としてお帰りを待ちたいのです、
そう言う叔母さんに彼は、

いえ、必ず帰って来ますから、
式はその時の楽しみに待っていて下さい、
そういい残して戦地に出向いたのでありました。

繰り返す空襲から逃れながら、
叔母さんはその日を待っていたのですが、
終戦前のある日、
その報せが届いたのでした。

婚約者の、戦死の公報です。

叔母さんは間違いに違いないと、
戦争が終わっても待っていました。

でも、彼は帰ってきませんでした。

周りは叔母さんを不憫に思い、
無理にでもとお見合いを勧め、
叔母さんも、
両親に心配はかけられないとお見合いを受け、
結婚が決まりました。

そして結納のその日、
よりによってその日に、
彼が帰って来たのでした。

戦死は間違いで、
捕虜になっていたため、
帰国が遅れたのだそうです。

でも、
結納はもう止めるわけにもいかず、
叔母さんは泣く泣くお見合いの相手に嫁いだのでした。

そのせつない話を聞いた私は友達と二人、
なんと悲しい話であろうかと、
胸を痛めたのです。

それから何年もたって、
私も友達も結婚してまた何年かたった日のこと。

久しぶりに彼女と会いました。
その時、叔母さんの後日談を聞いたのです。

叔母さんは普通に結婚生活を送っていたのですが、
ご主人に先立たれて未亡人になっていました。

そして60歳になったある日、
偶然ばったりと、昔の彼と出合ったのだそうです。

話してみると、相手も奥さんを亡くして独り身だということ。
もう何も二人を遮るものはなく、
結婚するまでに日はかかりませんでした。

「すごい!!!!
 ドラマみたいな話じゃね!!!」
と興奮する私に友達は言いました。

「それが、まだ続きがあるんよ。」

「結婚して一年後に、
 その相手の人は心臓麻痺で死んだんよ。」

「えええ~~~~~っっ!!!!!」

「叔母さんの話じゃと、
 その一年間はものすごく幸せじゃったんじゃと。

 お互いに毎日が夢のように幸せじゃ言うて、
 暮らしようたんじゃと。

 じゃけん、悲しいけど、今も幸せなんじゃと。」

これが私の感動した、
昔の恋のお話であります。

それでは今日も元気出していきましょうね。


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Posted by キリンさん at 11:44│Comments(15)王様の耳はロバの耳
この記事へのコメント
めっちゃ感動しますねぇ!!
本当に幸せだったでしょうね〜

私もそんな人に巡り逢いたい…(違
Posted by プラウス・美穂。 at 2011年06月15日 12:11
ほんとドラマみたいな話ですね。
実はこの間読み終えた本が似たような話だったんですよ。
だから近いうちに書く事に今決めましたw

これNHK当たりが連続ドラマにしてくれないかな。マジで。
Posted by pia masapia masa at 2011年06月15日 14:54
感動で涙がうるる。
切ないけど、素敵なお話ですね(^^)
もう一度恋がしたくなりました♪
(●′艸`)
Posted by 幸せうさぎ at 2011年06月15日 15:03
美穂ちゃん

めぐり合って、
ダンナとうさぴょんはどうすんの?

それもまた激動の人生かもしれんが。
(いや、イカンやろ)

感動の物語です。
神様もビックリです。


pia masaさん

なんていう本かしら。
面白かったら貸してちょ。

近いうちに書くってとこが
なんかうさんくさい。

だって、チミのブログのネタになる話って・・。
みなまでは言わんけど。


幸せうさぎさん

いい話でしょ~。
また誰かに恋したくなるよね~。

私も恋、したくなりました。
Posted by キリンさんキリンさん at 2011年06月15日 16:54
いろんな事を、いっぱいいっぱい考えていた時代だったのでしょうね
再会した時、本当にうれしくて幸せだったろうなぁ。
本当にあるんだ。。そんな素敵なお話(感動)
Posted by 空さん at 2011年06月15日 17:22
空さん

本当にあるんですよ。
こんな話。

夢のように幸せだったという気持ち、
涙が出そうです。
Posted by キリンさんキリンさん at 2011年06月15日 18:32
わぁ~素敵なお話♪
幸せな時間て長さじゃないんですね。
今日はほんわか眠れそうです^^
Posted by pia masa at 2011年06月15日 19:58
切なくて涙が滲みました
おひさまを観ているお客様も多く、みなさんあんなことがホントにあったんだろうねと、今は幸せだねとお話しています
Posted by Bebe at 2011年06月15日 20:08
pia masa奥様

素敵っちゅうか、
なんとも切ない、
しかし心温まるドラマです。

人生の最後に幸せを実感できて
良かったですよね。

Bebeさん

ホント、映像にしたら泣くと思う、
このドラマ。

昔といっても、
まだ100年もたたないんですよ。
不思議。
Posted by キリンさんキリンさん at 2011年06月15日 23:36
旦那さんの立場が気になるのは私だけ
Posted by 海月 at 2011年06月16日 12:55
海月さん

コメントありがとうございます。

ダンナさんとも、
決して仲が悪かったわけじゃないんですよ。
普通に円満だったそうです。

そこもスゴイなあと思います。

亡くなったダンナさんが
会わせてくれたのか?という見方もあったりして。
Posted by キリンさんキリンさん at 2011年06月16日 14:41
私も旦那様サイドが気になった一人です。ひねくれ者なので…。恥ずかしいのでコッソリコメント。

二番目に好きな人と結婚した方が幸せになれるって言葉が気になっていた少女時代。その二番目に好きな人っていうのが当て馬みたいで可哀想で。一番になりきれない自分を見るようで。
イジケ過ぎてますね(恥)。
いんです。好きな人が幸せなのが一番です。
Posted by いち at 2011年06月20日 07:11
いちさん

歳とると、
愛情って一つではないとわかる。

本当は
好きな気持ちに順番などはないものなのですよ。
燃えるような恋もあれば、
一緒に時を重ねることで育つ愛もあり、
どちらが上という問題ではないと思うの。

結婚してからは
ダンナさんとの暮らしに迷いはなく、
ずっと仲良くされてたみたいです。

ダンナさんが生きてる時に再会したとなると、
また違う話であったでしょうが、
お互いに独り身であれば誰にはばかるわけじゃなし。

好きな人が幸せなのが一番ではなく、
自分の幸せが一番。

だけど
わがままに幸せを掴み取るのでは
自分が幸せにはなれないと思います。

なかなか難しいことでございます。
Posted by キリンさんキリンさん at 2011年06月20日 16:16
ありゃ(ノ_<)見つかりましたか。コソッと隠れたつもりだったのに。流石キリンさんですね~

No.1じゃなくてもオンリーワンじゃなくてもいい愛もありますね♪
そんな境地に達してみたいものです。
でも やっぱり脇役(失礼)にスポットを当てたいのは根っからのイジケ根性だからかしらん?
らんちゃん飲んで治るかなぁ…(-.-;)
Posted by いち at 2011年06月20日 21:54
いちさん

イジケ根性は治さないで頂きたい。

私の中にも
他人に言えない黒い根性が多々あるが、
出来の悪い子供と一緒で、
どうしようもなく愛しい部分でもあります。

モノの見方は一つじゃないから、
どれが間違いってことでもないと思います。

一筋縄では行かんのが、
人生でございますよ。
Posted by キリンさんキリンさん at 2011年06月21日 10:47
 
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