2019年10月28日
サヨナラだけが人生だ
とびとびの投稿ですが、
ここのところ、訃報がらみの話ばかり続きます。
そういうお年頃になったのだとも言えるのかもね。
「サヨナラだけが人生だ」
という井伏鱒二の訳詞には、
出会いには必ず別れがある、という意味と、
だから出会いを大切にしよう、という意味があるという解釈ができます。
だけど、解釈なんて安っぽいよね。
こないだ亡くなった田辺聖子さんの「姥盛りシリーズ」には、
長く生きるってことは、親しい人が一人一人消えていくものなのだ、
という意味の言葉が書かれていたように記憶しています。
読んだときは、まだ40代だったので、
「へえ~」ってなもんでしたが、今は少しずつ切実になってきました。
うちのお店には、高齢なお客様が大勢いらっしゃいます。
100歳すぎて一人暮らしで、
それでもバスで来られる方も。
「友達もきょうだいも、みんな死んでしまった」
とにこにこ笑っておっしゃるのです。
心の底から尊敬します。
学校で「友達は大事」と教えられ、
それはその通りなのですが、
その友達が一人ずつ欠けていくのをどうやってこらえていけばいいのか、
教えてはもらっていません。
大人なんだから、そりゃそうだよね。
そんな泣き言、ダメだよね。
金曜日に大事な友達を亡くして、
思った以上に辛いです。
それでもお腹は空くし、
面白いことがあったら笑っています。
そうやって、生きていくものなのでしょう。
生きていくしか。
命ある間は。