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Posted by みやchan運営事務局 at

2011年02月18日

卒業式の歌





先日テレビの某番組で、
卒業式に歌われる歌を取り上げていました。

「仰げば尊し」
これがナンバーワン。
世代を超えて歌い継がれてますもんね。

その他にも色々な歌が紹介されましたが、
私の一番の思い出の歌は、
「巣立ちの歌」なのです。

これは私の卒業式のときではなく、
息子の小学校の卒業式で歌われた歌です。

私の席の前に、あるお母さんが座っていました。
彼女の息子さんとは幼稚園から一緒の仲。

生徒達の歌が始まり、

「花の色 雲の影
 懐かしい あの思い出」

胸を熱くしながら聞き入っていると、
前の席のそのお母さんは、全身を強く震わせているのです。
震えながら、
こらえきれずに泣いていたのでした。

「過ぎし日の窓に残して
 巣立ち行く 今日の別れ」

私も、隣の席の人たちも、
一緒に泣き始めました。

というのも、一つの理由があったのです。

彼女の息子はとても元気で明るい男の子でした。
リレーでも、水泳でも、いつも選手に選ばれます。

幼稚園のとき、
忘れられないことがありました。

彼女が寄ってきて、
「昨日ね、息子が私を呼ぶのよ。
 お母さん!!お母さん!!早く来て!!
 ってね。

 すごく嬉しそうな声なんで、
 どうしたのかと行ってみたら、

 張り替えたばかりのフスマに、
 マジックで大きな〇をいくつも描いてるの。

 声も出ずにいると、
 得意そうな顏をして、

 お母さん、ほら、きれいに描けたでしょう。
 こんなにまん丸な〇を描いたの初めてだよ。
 すごいでしょう?ね?

 って得意そうに言うもんだから、
 うん、そうだね上手に描けたねって、思わずほめちゃった。」

そんな素敵な親子だったのです。

その息子が、頭痛を訴えたのが小学校5年生のときでした。
脳腫瘍だったのです。

楽しみにしていた水泳大会にも出られず、
闘病生活。
手術を乗り越えて、卒業の日を迎えていたのです。

歌はサビに入ります。

「いざさらば さらば先生
 いざさらば さらば友よ

 美しい明日の日のため」

もうそこにいる全員が号泣でした。
きっと彼女は、
病気を乗り越え、仲間と一緒に歌っている息子に、
言葉に出来ない安堵の気持ちを抱いているのだろうなあと思いました。

でも、そうではなかったことが後になってわかったのです。

彼は一緒に中学には進みましたが、
卒業することはなかったのです。

手術はしたものの、
腫瘍の位置が悪くて全部を取り切ることが出来なかったのだと、
あとで知りました。

これが最後の卒業式になるのだと、
わかっていたのでした。

二番はこう続きます。

「風の日も 雨の日も
 励みきし 学びの庭

 かの教え 胸に抱きて
 巣立ち行く 今日の別れ

 いざさらば さらば先生
 いざさらば さらば友よ

 輝かしい 明日の日のため」

息子を送って約10年後、
彼女も病気で亡くなりました。

私は今でも
この歌を聞くと涙が出るのです。

最後に
ボンベルタは今日から3日間、
ポイント5倍セールでございます。
(興ざめなCMでスマン)  

Posted by キリンさん at 11:52Comments(11)王様の耳はロバの耳